『マイルチャンピオンシップ(GⅠ)2020グランアレグリア血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は11月22日に開催された秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ(G1)を勝ったグランアレグリアを取り上げます。
2枠4番グランアレグリアは五分のスタートを切ると、馬なりで前から5番手の位置を確保。
3~4コーナーのカーブでは進路を探しながら直線へ。
直線に入っても周囲に蓋をされた状態で追い出しが開始できず、アドマイヤマーズとインディチャンプが先に抜け出したところでようやく追い出しを開始。
その時点で既に残り200mを切っており、万事休すかと思われたがこの馬には100mで充分だった。
異次元の脚であっさり抜け出すと、他馬を置き去りにして優勝。
これでG1は3連勝で4勝目となった。
グランアレグリアの父ディープインパクトは現役時代、7つのG1を制した「日本近代競馬の結晶」と言われる歴史的名馬。
種牡馬としても2012年から2019年現在まで8年連続で種牡馬ランク首位。
競走馬としても種牡馬としても日本競馬の代表的存在。
(2019年7月30日逝去)
母タピッツフライはアメリカ産馬。現役時24戦7勝。
主な勝ち鞍はジャストアゲームS(アメリカG1・芝1600m)とファーストレディーS(アメリカG1・芝1600m)
繁殖としてこれまで本馬を含み2頭がデビュー済み。
2頭ともディープインパクトとの交配でいずれも勝ち上がっている。
全弟のブルトガングを産んだ後、2018年に死去。
また、そのブルトガングも昨年の新馬戦を勝った後に亡くなっている。
血統背景は父Tapit(~A.P. Indy~Seattle Slew~ナスルーラ系)×母父Marlin(~Nijinsky~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。
ダートが主戦場の父産駒にしては珍しく芝での活躍馬だった。
これは母父Marlinが芝・ダート兼用のG1ホースだった為、このあたりの適性を引き継いだと思われる。
父ディープインパクト×母父Tapitの組み合わせは、デビュー済み10頭と少ないながらも、そのうち6頭が勝ち上がり。
先述した亡くなった全弟を除く5頭が複数勝ちとかなり好相性の配合と言える。
これはTapitが持つUnbridledの血の影響が大きい。
ディープインパクトとUnbridledの血はニックスで、朝日杯フューチャリティーステークス(G1)を制したダノンプラチナや、今年無敗でクラシック2冠を達成しているコントレイルら活躍馬多数。
本馬もこれでG1を4勝目。
「ディープインパクト×アンブライドルド」配合の代表馬である。
直線で福永祐一に蓋をされて出られなかった時に、「あ、負けるわ」と思いましたが・・・
進路が開いてからの残りわずかでキッチリと差し切るわけですから負けた馬は全員お手上げです。
今年はこれで春秋マイルを統一。
そして秋はスプリント・マイルのG1も統一。
文句なしで今年の最優秀短距離馬に決定です。
まさに競走馬としての充実期を迎えた一年だったと言え、来年の活躍も今から楽しみです!
なんか噂では距離延ばすらしいよ?!楽しみですね!
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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