『阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)2020ソダシ血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は12月13日に開催された2歳女王決定戦 阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったソダシを取り上げます。
3枠6番ソダシは、五分のスタートを切ると前から5番手の好位につける。
3~4コーナーでも持ったままで、直線は馬群の中で迎えた。
内を割って進出を開始すると200mをきって2番手に浮上。
そのまま先頭をうかがったが、内側から一度サトノレイナスが完全に抜け出した。
ここで勝負あったかに思われたが、そこからもう一度伸びて差し返し。
最後はハナ差の激戦を制して初戴冠。見事2歳女王に輝いた。
本馬はこれで4戦4勝。白毛馬によるG1制覇は史上初の快挙となった。
ソダシの父クロフネは現役時、10戦6勝。
主な勝鞍はジャパンカップダート、NHKマイルカップ。
3歳時に毎日杯(G3)で重賞初制覇を飾ると、NHKマイルカップで初戴冠。
その勢いで続くダービーに駒を進めたが、5着まで。
秋になりダートに転向すると、武蔵野S(G3)、ジャパンカップダート(G1)を圧倒的な強さでレコード連勝。
JRA史上初の芝・ダート両方でのG1勝ち馬となった。
種牡馬としても、もちろん芝・ダート兼用で、双方でG1勝ち馬を輩出するなど、息の長い活躍をしている。
種牡馬としての過去最高ランクは第4位(2008、2010年)で2019年は第13位。
母ブチコは現役時、16戦4勝。白毛のブチ模様で人気を博した。
繁殖として本馬が初仔。いきなりG1馬を輩出し繁殖力の高さを予感させている。
血統背景は、父キングカメハメハ(~Mr. Prospector~ネイティヴダンサー系)×母父サンデーサイレンスの組み合わせ。
その母シラユキヒメも白毛馬だった。
父クロフネは、母に「Mr. Prospector+サンデーサイレンス」を持つ馬との配合が〇。
朝日杯フューチュリティステークス(G1)を制したフサイチリシャール、NHKマイルカップ(G1)のクラリティスカイ、さらにJBCレディスクラシック(G1)を連覇したホワイトフーガもこのパターンである。
また父は産駒の活躍が牝馬に偏りがちな所謂「フィリーサイアー」でもある。
そんな父も今年種牡馬を引退(ちなみに2019年も種付けは行っていない。)。
今回のレースは父にとっても種牡馬晩年の嬉しいG1制覇となった。
本レースは戦前のnetkeibaコラムに血統傾向を書いた通り、過去5年でディープインパクト産駒が1勝・2着1回・3着2回の4頭と最も相性が良く、noteでは推し馬としてサトノレイナスを挙げさせて頂きました。
直線抜け出した時には完全に勝ったと思いましたが・・・。
差し返してきた本馬の根性の強さはまさに「白い奇跡」でしたね。
この根性で来年のクラシックも主役となるのか楽しみです。
ちなみに3着に入ったユーバーレーベンが持つ「ノーザンテースト」の血はこのレース過去5年で2018年以外の全てで入着しており、延べ7頭。
血統としてはこのあたりが来年も覚えておくべきポイントです。
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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