『有馬記念(GⅠ)2020クロノジェネシス血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は12月27日に開催された、グランプリ・有馬記念(G1)を勝ったクロノジェネシスを取り上げます。
5枠9番クロノジェネシスは五分のスタートから、抑えて前から11・12番手の後方の位置を確保。
向正面から進出を開始すると3~4コーナーでは3番手の位置まで浮上。
直線に入りそのまま追い出しを開始すると、先に抜け出したフィエールマンをゴール前にきっちり捉えて先頭へ。
最後は後続から追い込んできたサラキアをクビ差封じてゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで7勝目。G1は秋華賞、宝塚記念に続く3勝目。
牝馬による春秋グランプリ制覇は昨年のリスグラシューに続く2頭目となった。
クロノジェネシスの父バゴは現役時代、フランス・イギリス・アイルランド・アメリカ・日本と世界各地で戦い、16戦8勝。
主な勝ち鞍は凱旋門賞(G1)で、G1を計5勝した。
現役引退後は日本に輸入され種牡馬入り。
代表産駒はビッグウィーク(菊花賞(G1))と本馬(秋華賞(G1)・宝塚記念(G1)new!)。
2019年種牡馬ランクは第49位。
母クロノロジストは現役時、1勝のみの戦績。
繁殖としては、デビュー済み産駒が本馬を含みここまで8頭。
様々な種牡馬と交配されているが、7頭が勝ち上がり。
産駒のG1勝利は本馬とノームコア(父ハービンジャー、ヴィクトリアマイル)。
繁殖力はかなり高いと言える。
血統背景は父クロフネ(~Deputy Minister~ノーザンダンサー系)と母父サンデーサイレンスの組み合わせ。
父バゴは現役時に唯一掲示板を外したレースが日本でのジャパンカップだった(8着)。
日本で求められるスピードには乏しく鈍重な血統である。
その為、アメリカ系スピード血統を入れるのが効果的。
本馬の母父クロフネはフレンチデピュティ~Deputy Ministerのラインなのでこれに合致している。
父産駒は晩成型の傾向があり、4歳になった本馬は今完成期を迎えている。
本レースは年末の中山で行われるグランプリということもあり、もともとタフな馬場をこなせるレース適性を求められる傾向にあります。
そういった点では、重厚な欧州系の種牡馬の産駒である本馬にとって、この条件は適していたということでしょう。
春のグランプリも制しており、これは昨年のリスグラシューと同じです。
両グランプリは非根幹距離という共通点があり、連動性が高いレースという裏付けを改めて証明できたと言えるでしょう。
春のグランプリ・宝塚記念でも述べましたが、ここまでパワーのいる馬場(というか条件不問)でも好走できるわけですし、父バゴが欧州型種牡馬という血統的後押しもあることから、来年は是非とも凱旋門賞に行って欲しいですね。
ということで今年最後の血統考察はクロノジェネシスでした。
戦前noteで記述したように私の本命はフィエールマン。
積極的に前から攻めての3着ということで負けはしましたが、勝ちにいく競馬だったので納得の結果です。
フィエールマンにとっての本質的なベスト条件はやはり、平坦の素軽い馬場ということになるのでしょうね。
このことを旨に刻んで来年の競馬に活かしていきましょう!
2020年、最後まで読んで頂きありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します(^^♪
YRA
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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