『京成杯(GⅢ)2021グラティアス血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は1月17日に開催された京成杯(G3)を制したグラティアスを取り上げます。
3枠3番グラティアスは五分のスタートを切ると、前から3番手の好位につける。
スローペースの中、きっちり折り合い3コーナーでも持ったまま。
4コーナー~直線で最内のコーナリングを活かしてそのまま追い出しを開始すると、残り200m付近で先頭へ。
そのまま抜け出すと最後は2着に2.1/2馬身差をつけて、楽々とゴール板を駆け抜けた。
グラティアスの父ハーツクライは現役時代、国内外で19戦5勝。
主な勝ち鞍はドバイシーマクラシックと有馬記念。
有馬記念で無敗の3冠馬ディープインパクトに土をつけた唯一の日本馬である。
2020年の種牡馬ランクは第3位。
母マラコスタムブラダは現役時、アルゼンチンで9戦6勝。
主な勝鞍はヒルベルトレレナ大賞(G1・芝2200m)
現役引退後、日本に輸入された。
繁殖としてデビュー済み産駒は本馬を含み3頭。
父ブラックタイド(3勝・オープン馬)→父ダイワメジャー(3勝・現役レシステンシア)→父ハーツクライ(本馬)
半姉レシステンシアは阪神JF(G1)勝ち馬、そして今回本馬も重賞制覇。
繁殖としての能力が非常に高いと言える。
血統背景は父Lizard Island(~デインヒル~Danzig~ノーザンダンサー系)と母父Poliglote(Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。
父ハーツクライ×母系にデインヒルを持つ馬の組み合わせでは、
朝日杯フューチュリティステークス(G1)を制したサリオスや、アドマイヤミヤビ(クイーンカップ(G3))、グレイル(京都2歳S(G3))といった、活躍馬を多く輩出している組み合わせ。
またハーツクライ産駒は基本晩成傾向にあるが、母にノーザンダンサーのクロスを持つことで完成を早める。
本馬はDanzigとSadler’s Wellsというノーザンダンサー系クロスを持つのでこのポイントをおさえていると言える。
このようにハーツクライの早期始動馬でデビューから連勝で重賞を制覇。
この先のクラシックに向けて非常に楽しみな存在が出てきたといえる。
戦前のnetkeibaでの血統傾向記事では過去6年で4頭の勝ち馬が「Roberto」の血を持っていたことからポイントの血として取り上げました。
noteではこの血を持つタイソウに本命◎を打ったものの結果は6着でした。
とは言え、このレースで3着に入着したテンバガーは父モーリスの「Roberto系」。
血統傾向としては来年以降も押さえておくべきポイントと言えます。
(ただし、正しく本命を打つという課題は残りますが。苦笑)
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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