『愛知杯をハイペースで逃げ潰れた3頭から学ぶこと』田中洋平

 

2021年の愛知杯(G3)に、

私が出資しているシルクのディアンドルが出走しました。

 

このディアンドルは、

中距離色の強いルーラーシップ産駒なのに、

デビュー2戦目から芝1200mで5連勝を飾る大躍進。

 

続く北九州記念(G3)で2着に入り、

満を持してスプリンターズ(G1)に参戦。

 

結果は13着と実績馬たちの壁に跳ね返されたわけですが、

ここから歯車が狂い始めます。

 

シルクロードS(1200m) 14着

京都牝馬S(1400m) 10着

安土城S(1400m) 13着

ポートアイランドS(1600m) 10着

アンドロメダS(2000m) 8着

 

短距離で結果が出なくなったので、

徐々に中距離戦にシフト。

 

またレース中に並ばれると、やる気を無くして失速するみたいなので、

近走は積極的に逃げる作戦になっていました。

 

そこで迎えた愛知杯も、

シルクの会員向けコメントで、奥村豊調教師が高らかに逃げ宣言。

 

逃げないとディアンドルの良さが発揮できないなら、

まー逃げるしかないんでしょう。

 

でも愛知杯には近走7戦連続でハナを切っているナルハヤと、

近走7戦のうち、6戦でハナを切っているタガノアスワドの2頭がいます。

 

熾烈な主導権争いになると想定されていましたが、

ディアンドルが2枠3番。

 

タガノアスワドが4枠7番、

ナルハヤが8枠17番なので、まーディアンドルが行けるだろう。

 

私はこう予測。

 

その理由は、タガノアスワド騎乗は北村友一騎手で、

強引な競馬というより、そつなく立ち回るタイプのイメージ。

 

ナルハヤに騎乗する藤田菜七子騎手だって、

そこまでガシガシと競ってくるイメージは無い。

 

反対にディアンドルは池添謙一騎手で、

勝負強いオラオラのイメージを、私は勝手に持っています。

 

ということは、ディアンドルがスッとハナを切り、

タガノアスワド2番手、ナルハヤが3番手ですんなり収まるだろう。

 

こんな見立てで楽観視していました。

 

前が競って速くなるだろうと考える騎手が多いから、

案外、逃げ馬3頭が残るチャンスもあるのではないか?

 

という淡い期待すら抱いていたくらいです。

 

しかし、現実はまったくの逆。

 

前半の1000mを60~61秒くらいで行って欲しいところを、

57秒9という狂気のハイペース。

 

レースを見てて気絶しそうになりました。

 

タガノアスワドの北村友一騎手は控えめでしたが、

ナルハヤの藤田菜七子騎手が、ガンガン煽っていましたからね。

 

池添先輩にも容赦なし。

 

さすがは男社会の中で孤軍奮闘している女性です。

 

ハンパのない気の強さなんでしょう。

 

まー結果は当然、前の3頭が逃げ潰れて、

ナルハヤが勝ち馬から3.7秒差の17着。

 

タガノアスワドも3.7秒差の18着。

 

そしてディアンドルは1.3秒差の10着。

 

ディアンドルを応援している私にとって、

この着差はせめてもの救い。

 

次走以降で単騎で逃げれるチャンスがあれば、

馬券圏内も狙えるのではないか、というひいき目の期待をしています。

 

そんな愛知杯のレースを見てて分かったことは、

逃げ馬が多いメンバー構成は、

出走する逃げ馬にとって「百害あって一利なし」ということ。

 

みんなで上手く折り合って、スローペースにしようぜ!

とはならないわけですね。

 

それを示すデータがこちら↓

 

前走逃げていた馬が今回のメンバーに何頭いるか?

 

その頭数と、前走逃げていた馬の今走成績になります。

 

当然、前走逃げていた馬が1頭だと、

すんなり逃げることが多くなるので成績が良い。

 

反対にライバルが多いと、

ハイペースになりやすくて、1頭単位の成績が下降。

 

同型のライバルは少ない方が良い。

 

これは競馬、馬券、ビジネス、恋愛など、

すべてにおいて共通することなのかもしれませんね。

 

たまに白い目で見られることもありますが、

普通に染まらず、異端であるように心がけると良いでしょう。

 

※異端とは

その世界や時代で正統とする信仰や思想などから、はずれていること。

 

あっ!常識のある異端ですからね。

 

寒くなってきたからって、

コンビニでおでんを指でツンツンしたりするのはダメですよ。

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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