『不良馬場で馬群に沈んだ馬は本当に弱いのか?』田中洋平

 

2021年のAJCC(アメリカジョッキークラブカップ)で、

1番人気に推されたのはアリストテレスでした。

 

コントレイルの無敗の三冠がかかった菊花賞で、

クビ差まで追いつめた上がり馬。

 

その実力に私は少々懐疑的でしたが、結果は完勝。

 

早め先頭から後続に抜かせない、強い競馬だったと思います。

 

これでG1戦線での活躍が確定したような印象もありますね。

 

その反対に、不良馬場の影響で馬群に沈んだのが、

2番人気に推されていたサトノフラッグ。

 

弥生賞1着、皐月賞5着、ダービーは11着に敗れますが、

セントライト記念で復活の2着。

 

そして大一番の菊花賞では3着と、クラシックを盛り上げた1頭。

 

菊花賞では上がり35秒2の脚を使っていて、これはコントレイルと同じタイム。

 

ただ位置取りがコントレイルは4コーナー4番手だったのに対して、

サトノフラッグは4コーナー14番手と、かなり後方の位置取りでした。

 

この位置取りの差がそのまま着差になるわけですが、

競走馬が本気で走れるのは3ハロン(600m)とも言われている。

 

そう考えると、サトノフラッグの競走能力は十分高いレベル。

 

ちなみに菊花賞の上がり最速をマークしたのは、

35秒1でアリストテレスでした。

 

コントレイルが上がり最速をた馬に譲ったのは、

菊花賞のアリストテレスと、神戸新聞杯のヴェルトライゼンデの2頭だけ。

 

そのヴェルトライゼンデはAJCCで2着なので、

コントレイルを物差しに考えると、順当な2頭だったのかもしれません。

 

少し話が逸れましたは、

サトノフラッグはディープインパクト産駒なので、

チカラのいる重馬場より、良馬場の方が向いているのは確実。

 

実際は強くないというような意見もネットで散見されますが、

まだ見限るのは早計でしょう。

 

次に良馬場で走れるときは、配当妙味があって狙い目になる1頭だと思います。

 

そもそも重賞レベルで人気になる馬は、それなりの能力を持っている。

 

サトノフラッグ(AJCCで2番人気)

 

でもコース適性、馬場適性、展開の向き不向き、

ちょっとしたコンディションの差で優劣が付いてしまうのが重賞クラス。

 

能力だけで勝ててしまう未勝利戦とは訳が違うと言えますよね。

 

その不向きのせいで惨敗した馬が、

コース適性、馬場適性、展開、コンディションの何かが噛み合うと、

ズドーンッと好走するのが重賞クラスでしょう。

 

ということで、今回は重、不良馬場で負けた馬にフォーカスします。

 

条件は以下の通り。

 

1,前走重賞(G1、G2、G3)

2,前走が重、不良馬場

3,前走人気1~9番人気

4,前走4~18着

 

ザックリではありますが、

前走馬場の悪い重賞で、人気になりながら負けた馬。

 

というパターンを抜き出そうという条件になります。

 

勝率16% 連対率26% 複勝率32%

単勝回収率113% 複勝回収率89%

 

次走がこのような成績になります。

 

ちなみに前走人気1~3番人気の馬だけに限定すると、

以下の通り。

 

勝率20% 連対率30% 複勝率38%

単勝回収率140% 複勝回収率99%

 

ただここまで絞ると該当数が少なくなってしまうので、

ザックリ幅広くが良いかと思います。

 

またこの考え方は他のパターンでも通用しそうで、

例えば重賞で1~3番人気に推されるも、展開が向かずに12着と惨敗。

 

重賞で1~3番人気に推されるも、コースが合わず12着と惨敗。

 

という感じでしょうか。

 

この考え方は予想の王道ではありますが、

重賞レベルになると、前走圧勝しているキラキラした馬が注目されがち。

 

理由があったとはいえ、

前走惨敗している馬は信用されず、人気になりにくいですよね。

 

キラキラした馬はシロウト競馬ファンに馬券を買ってもらい、

私たちズブズブに浸かった競馬ファンは、

前走理由があって負けている馬を買うようにしましょう。

 

他の人が見向きもしないモノに価値を見いだす。

 

または価値を創造する。

 

これが一番儲かるパターンですね。

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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