『根岸ステークス(GⅢ)2021レッドルゼル血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は1月31日に開催された根岸ステークス(G3・ダート1400m)を勝ったレッドルゼルを取り上げます。
2枠3番レッドルゼルは好スタートを切るも、先行争いには加わらず9~10番手のポジションを追走。
3~4コーナーでも持ったまま動かず、直線を馬群の中で迎えた。
馬群を割りながら追い出しを開始すると、200mを切ってようやく4番手に浮上。
先頭までは厳しいかと思われたが、そこから鞍上必死の追い込みで最後は4頭の叩き合いをアタマ差抜け出して優勝。
重賞は3度目の挑戦で嬉しい初制覇となった。
レッドルゼルの父ロードカナロアは現役時代、国内外で19戦13勝(2着5回3着1回と馬券圏外は一度もなし)。
主な勝ち鞍は香港スプリント(2回)、スプリンターズステークス(2回)、高松宮記念、安田記念とG1を6勝。
2013年には年度代表馬に選出されている。
自身はスプリント~マイルで活躍したが、産駒はサートゥルナーリア(ホープフルステークス、皐月賞)やステルヴィオ(マイルチャンピオンシップ)、そしてアーモンドアイ(G1・9勝)と種牡馬としての距離の守備範囲は広い。
2020年種牡馬ランクは第2位
母フレンチノワールは現役時、26戦4勝(条件馬)。
繁殖として、デビュー済み産駒は本馬を含め3頭。
父ワークフォース(1勝)→父シンボリクリスエス(4勝)→父ロードカナロア(本馬)
産駒の全てが勝ち上がっており、3頭目の本馬で重賞初制覇。繁殖としてのレベルが高い。
血統背景は、父フレンチデピュティ(Deputy Minister~Vice Regent~ノーザンダンサー系)×母父フジキセキ(サンデーサイレンス系)の組み合わせ。
父ロードカナロアは非サンデー系なので母方にサンデーを持つ肌馬との交配が強みであり、成功への近道。
ここまで輩出しているG1馬3頭は全てこのサンデーサイレンスを持つことに加え、名牝Specialを持つ種牡馬が母方に入っていることが共通点。
・アーモンドアイ(G1・9勝)=Nureyev
・サートゥルナーリア(ホープフルS・皐月賞)=Sadler’s Wells
・ステルヴィオ(マイルCS)=Fairy King
本馬も母方にNureyevを持っているのでこの成功パターンに合致している。
父ロードカナロア×母父フレンチデピュティ系の組み合わせは本馬の他に、オープン馬アンヴァル(オパールS(OP))、テーオーマルクス(福島2歳S(OP))、カレンモエ、レッドレグナントなど活躍馬が多い好配合である。
このように本馬は成功のポイントとなる血を数多く持った配合であるので、血統から見ていくとここまでの活躍に驚きはない。
尚、ロードカナロア産駒のダート重賞制覇は今回が初。
このまま頂点まで駆け上がれるか注目しておきたい。
戦前のnetkeibaのコラムでは、このレースにおける相性の良い血として「Storm Cat」を挙げました。
また、近2年で4頭を馬券圏内に送り出していた「Vice Regent」の血も勢いがあるとして取り上げさせて頂いておりました。
レッドルゼルは父方に「Storm Cat」を、母方に「Vice Regent」を持っているので、その時点で答えは出ていたのです・・・。
noteで本命◎を打ったヘリオス(母方にVice Regent)は8着。
血統傾向を押さえていながら、本命馬を間違えるのは血統調査員としてのセンスの無さですね。
反省してまた来週です(苦笑)。
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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