『弥生賞の敗戦で2歳王者ダノンザキッドに黄色信号!?』田中洋平
皐月賞のトライアルレース、
弥生賞で3着に敗れたダノンザキッド。
直線、川田騎手に促されるもジリジリとしか伸びず、
坂を駆け上がって加速したころにはゴール。
という本番に不安の残る内容だったのではないかと思います。
鞍上の川田騎手は「次につながる競馬ができた」と、
コメントをしていたようですが、どうなんでしょうね。
トライアルを取りこぼす馬に、
個人的にあまり強い馬というイメージはありません。
ということで、2歳王者のクラッシック第1弾の成績を調べてみました。
ルールは以下の通り。
2歳G1を勝利(朝日杯FS、ホープフルS、阪神JF)
↓↓↓
トライアルレースに限らず前哨戦を1戦
↓↓↓
本番の皐月賞、桜花賞での結果
ちょっと分かりにくいと思うので、
例えを出すと、昨年のレシステンシアがこのローテーション。
阪神JFを勝利 → チューリップ賞3着 → 桜花賞2着
ダノンザキッドの場合はこちら↓
ホープフルSを勝利 → 弥生賞を3着 → 皐月賞?着
このように、皐月賞でのダノンザキッドはどうなのか?
を占おうという試み。
過去20年の2歳王者の数はというと、
朝日杯フューチュリティS 20頭
阪神ジュベナイルフィリーズ 20頭
ホープフルS 4頭
このように44頭。
朝日杯FSは2013年まで中山開催でしたが、
枠順の有利不利が大きくて、公正なレースができない。
というような指摘があったようです。
本当にそんなことがあるのか?
実際に朝日杯FSの
2001年~2013年の枠順別成績を見てみましょう。
明らかに内枠の成績が良くて、外枠の成績が悪いですね。
内枠(1~4枠)が10勝なのに対して、
外枠(5~8枠)が3勝だけという大きな偏り。
8枠に入ったら、ほぼ死亡という感じでしょうか。
反対に阪神JFの枠順別の成績。
内枠(1~4枠)が10勝なのに対して、
外枠(5~8枠)が10勝と、ほぼフラットと言って良いでしょう。
ということで、朝日杯FSは阪神競馬場での開催へ移ったのですが、
これに異議を唱えたのが中山の馬主会で「G1を奪われた!」と憤ったそう。
なので代償措置として、
中山開催だったホープフルSをG1に格上げにする。
という意味の分からない番組構成になったわけです。
牡馬の2歳G1が朝日杯FSとホープフルSの2つになるので、
2歳王者が2頭もいる意味不明。
競馬ファンの年末恒例イベントである、
有馬記念のあとにG1を開催するという意味不明。
2歳のダート路線の充実を図らず、
無理やりに芝の2歳G1を増やす意味不明。
と、ホープフルSには意味不明なことが多い気もしますが、
あっちを立てればこっちが立たずで、JRAも色々と忖度があるのでしょう。
大人って大変ですね。
ちょっと話が逸れてしまったので戻すと、
過去20年の2歳王者の数はというと、
朝日杯フューチュリティS 20頭
阪神ジュベナイルフィリーズ 20頭
ホープフルS 4頭
このように44頭。
そこから前哨戦のレースを1つ挟んで、
皐月賞、桜花賞に出走した馬は28頭。
その馬たちの前走成績を見てみましょう。
ちょっとややこしいと思いますが、
これは本番の皐月賞、桜花賞の前走着順別の成績になります。
弥生賞やチューリップ賞などの前哨戦で、
1着だった馬は、皐月賞と桜花賞でそこそこ活躍している。
ただ2~3着に敗れたとなると、
本番で馬券に絡めたのは13頭中3頭だけ。
2004年 ヤマニンシュクル 桜花賞3着
2010年 アパパネ 桜花賞1着
2020年 レシステンシア 桜花賞2着
すべて牝馬なのは偶然だと思いますが、
こう考えると弥生賞3着だったダノンザキッドは、
皐月賞で黄色信号ですね。
ちなみに2歳王者が前哨戦で4着以下に敗れた馬は8頭いて、
本番で馬券に絡めたのはセイウンワンダーの皐月賞3着だけ。
やはり前哨戦で取りこぼす馬は、信頼度に欠けるということ。
競馬に絶対はありませんが、
皐月賞でのダノンザキッドは連下扱いで良さそうですね。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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