『私たちと1番人気を裏切らない騎手はこの人でした!』田中洋平
「馬はつよいけど騎手が不安なんだよなー」
競馬場やWINS、ネット掲示板などでよく聞くフレーズです。
まーたしかに、
軸馬にしたい馬にリーディング下位の騎手が乗っていたら、
それだけで予想がブレますよね。
簡単に勝ち馬が分かったら面白くないので、
JRAの思惑通りなのかもしれませんが、
予想する側はこんなとき本当に困ります。
でもリーディング下位だからと言って、
本当に信頼できないのでしょうか?
これを今回は調べてみたいと思います。
期間は直近2年分。
騎手はその時期の状況によって騎乗馬の質が変わりますからね。
例えば、エージェントが実力者に変わった、
美浦から栗東に拠点を変えた、
G1を初めて勝って勢いに乗っているなど。
騎乗馬の質は、騎手の成績に直結するので、
ずっと同じレベルを保てるわけではない。
ということで、
データの鮮度を考えて2020~2021年の2年分とします。
この期間の1番人気、2番人気、3番人気の騎乗成績を調べて、
それを勝率順に並び替え。
それがコチラ↓
騎乗機会が20回に満たないデータは除いています。
では重複する騎手を抜き出してみましょう。
荻野極 → ①②③
柴田善臣 → ①②
江田照男 → ①③
川田将雅 → ①③
北村宏司 → ①③
秋山稔樹 → ①②
横山和生 → ②③
1,2,3番人気すべてのランキングトップ10に入っているのは、
荻野極騎手だけ。
これだけでもスゴイのに、
さらにすべてランキングトップ3に入っている。
ちょー信頼できる男ですね。
2017年と2018年のシーズン、
デビュー2年目、3年目は、ノーザン系の馬に乗ってバシバシ勝っていました。
しかし減量が無くなって馬質が低下すると、
年間20勝に届かなくなってしまい、近年はやや苦戦気味の様子。
川田将雅騎手を目標にしているような記事を読んだことがありますが、
勝てる馬で当たり前のように勝つスタイルは、継承されているのかもしれません。
このデータから分かるように、
荻野極騎手はすごい逸材です。
あとは質の良い馬に乗れるように、
馬主や調教師に気に入られる人間力を鍛えたり、
良いエージェントに巡り合えば、一気にブレイクする下地は整っていますね。
この先、注目の騎手だと思います。
それと意外だったのが、
江田照男騎手、柴田善臣騎手のベテラン2人。
まさに人気馬に乗っていたら、
「オイオイ大丈夫かよ!」とちょっと思ってしまう雰囲気ですが、
じつはヤバイくらい信頼できる騎手でした。
50歳を超えても、
騎手として生き残っているだけのことはありますね。
さすがです。
まーこの3人は、
人気馬に乗る機会が少ないからという一面もあると思いますが、
騎乗回数が多いのに頑張っているのが、先ほども話にでた川田将雅騎手。
1番人気に乗る機会が年間10回程度なら、
「よっしゃー!いっちょ頑張ろか!」と気合いが入ります。
1番人気に気騎乗するレースに集中して、
過去のレース映像を見たりして、
アレコレと作戦を立てることもできるでしょう。
でもルメール騎手みたいに、
年間390回(2年で780回)も1番人気に乗っていたら、
1つの騎乗への情熱が薄れるのは当たり前のこと。
ルメール騎手を責めることはできません。
そんな中、騎乗数もありながら、
成績面もハイレベルに保っているのが川田将雅騎手。
もはや期待され過ぎて、
過剰人気になる存在なので回収率はイマイチですが、
それでも平均以上の成績を叩き出しているのはスゴイことですね。
勝利騎手インタビューではユーモアを交えないですし、
騎乗スタイルも先行押し切りが多い。
競馬ファン的にパッとしないんでしょうけど、
私としては勝ち星を計算できる男なので、信頼しています。
他にも騎乗数がそこそこありながら、
トップ10に顔を出している騎手も上手いとみて良いでしょう。
松山弘平、武豊、戸崎圭太騎手あたりですかね。
横山和生騎手は2021年に大ブレイクした騎手なので、
まー分かりますが、あと注目したいのが秋山稔樹騎手。
ノーザンファームより、
一枚落ちる社台ファームの馬に乗る機会が多いのですが、
この安定感は素晴らしいですね。
まだ減量のある3年目なので試用期間ではありますが、
この先も同じレベルを保てるなら、楽しみな存在だと思います。
江田照男騎手、柴田善臣騎手のベテラン2人が、
人気上位の馬に乗っていたら、自信を持って買いましょう。
みんなは逆に不安に思っているはずですから。
柴田善臣騎手は現役続行できたら良いですね。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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