『出走取消や競走除外の馬って次走はどうなの?』田中洋平
日曜日のレースをグリーンチャンネルで見ていたら、
新潟7レースで今村聖奈騎手が騎乗するジュランドが、
馬場入場後に故障が発生したため、競走除外になっていました。
今年の新人騎手のなかで、
もっとも勝利を挙げていて勢いのある騎手だけに、
もったいなーと思ていたら、思い出しました。
いつもお世話になっている競馬雑誌、
「競馬の天才!」に書いていた気がするのですが、
出走取消や競走除外の馬は次走が狙い目!というもの。
うろ覚えなんですが、そんな記事があった気がします。
ということで、
さっそくTARGETで調べてみました。
検証期間は2019~2021年の3年間。
◆出走取消の次走成績
勝率6% 連対率11% 複勝率18%
単勝回収率46% 複勝回収率65%
◆競走除外の次走成績
勝率9% 連対率16% 複勝率22%
単勝回収率62% 複勝回収率67%
あれ?
記憶違いかな…
というボロボロの成績。
単勝回収率46%とか62%って、
普通ラインの80%よりかなり悪いですよね。
うーん。
予定と違って困ったぞ!と思ってTARGETをイジっていたら、
回収率が100%を超えるゾーンを見つけました!
次走で1~5番人気に推されている馬だけに限定すると、
いい感じになります。
◆出走取消の次走(1~5番人気)
勝率18% 連対率25% 複勝率38%
単勝回収率109% 複勝回収率85%
◆競走除外の次走(1~5番人気)
勝率27% 連対率40% 複勝率52%
単勝回収率130% 複勝回収率102%
あとはなぜ?
このパターンだと回収率が100%を超えるのか、
という裏付けですね。
あくまでも仮説ですが、
次走で1~5番人気に推されるような馬は、もともと能力が高い。
しかし何かしらの理由で、
出走取消や競走除外になってしまった。
その馬が次のレースに出てきても、
「うーん、ちゃんと怪我は治ってるのかな?」と競馬ファンは不安視する。
その不安視の分がオッズに反映されて、当該馬のオッズが甘くなる。
という構図ではないかと考えいます。
つまり取消や除外という字面が嫌われて、
過小評価されることが多いのでしょう。
日曜日の新潟7レースで競走除外になったジュランドは、
除外になる前は3番人気だったので、次走でも人気になる可能性が高そう。
次走で1~5番人気に推されていたら、要注意ですね。
ちなみにJRAのホームページから引用すると、
出走取消とは、競走馬が装鞍所に入る前に病気やケガ等の理由により、
そのレースの出走を取りやめること。
競走除外とは、競走馬が装鞍所に入ってから、
レースの発走までに病気やケガ等の理由により、出走を取りやめること。
だそうです。
また今回の理論の中に「競走中止」は入ってないので、ご注意ください。
こちらもJRAのホームページから引用すると、
発走委員の真正な発走合図(発馬機の前扉が開扉)を受けた馬が、
決勝線に到達しなかった場合、その馬は競走中止となる。
レース中に落馬や怪我、逃避などで
ゴールまで走れなかった場合のことですね。
出走取消や競走除外はレース発走前なので、
買った馬券は返還されますが、
競走中止はレース発走後なので返還されないのも大きな違いでしょう。
では条件をまとめます。
・前走出走取消か競走除外の馬
・今回1~5番人気
この2つの条件をクリアした馬は、
単勝回収率が100%を超える可能性が高い馬と言えます。
該当馬はそれほど多くないですが、
見つけたら積極的に狙ってみてください。
参考になれば幸いです。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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