『安田記念(GⅠ)2022ソングライン血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は6月5日に開催された上半期マイル王決定戦、安田記念を勝ったソングラインを取り上げます。
7枠13番ソングラインは好スタートから少し控えて、9~10番手の位置を選択。
きっちり折り合いをつけて3~4コーナーの外を回ってくると手応え良く直線へ。
残り400mを切って気合いをつけるとエンジン点火。
200mをきって少しずつ前を捉えていくと、最後の最後でクビ差抜け出してゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで5勝目。
2着シュネルマイスターに昨年NHKマイルCのリベンジを果たし、嬉しい初戴冠となった。
ソングラインの父キズナは現役時代、日本ダービーを制して凱旋門賞へ挑戦した(4着)。
「父ディープインパクト×母父ストームキャット」の配合はディープインパクトのお手本のような配合でキズナはその代表格と言える。
ディープインパクトの後継種牡馬として期待されており、初年度の種付頭数269頭はこれまでの新種牡馬の種付最多頭数記録を更新した。
2021年種牡馬ランクは第4位。
母ルミナスパレードは現役時、23戦4勝(条件馬)。
ダートの短距離で活躍した。
繁殖として本馬が初仔。現在デビュー済み産駒は2頭。
父キズナ(本馬)→父ドゥラメンテ(2勝・現役)
2頭とも複数勝ちを収めており、本馬でG1馬を輩出。
繁殖力が高く、今後も楽しみ。
血統背景は父シンボリクリスエス(~Roberto~ターントゥ系)×母父アグネスタキオン(サンデーサイレンス系)の組み合わせ。
母母ルミナスポイントは芝・ダートの短距離で5勝を挙げたオープン馬。
父キズナは「ディープインパクト×Storm Cat」の黄金配合で、母方には重厚な血統を持つ。
それゆえにディープインパクトの切れ味を引き出すにはスピードの血を取り入れることがポイントで本馬もそのパターンに合致している。
キズナ×シンボリクリスエスの組み合わせは、エリザベス女王杯を制したアカイイトと同じ。
そのアカイイトを考察した時に、「アカイイトは母母系にNijinskyがあることで「長めの距離」に出ており、ソングラインはサンデー系を持つというところが、「マイル適性」に出ている」とし、その時に合わせて「母父シンボリクリスエス」という血は今後もキズナ配合のポイントになりそうだ。と述べた。
この配合で2頭目のG1馬を輩出ということで、いよいよ「ニックス」と呼べる配合になってきたと言えるだろう。
戦前のブログでは過去7年の傾向からSadler’s Wells(≓Nureyev)とNever Bendの血を紹介し、その2つを合わせ持つシュネルマイスターをS評価とし、結果は2着でした。
また、東京マイルはスピードだけではなく「ひとすじのスタミナ」も必要だと述べて3着サリオスにはA評価を打ちました。
勝ったソングラインは血統的に評価を下げないと考察していながらも、他にも魅力的な血統馬がいたことから最終結論では無印にしてしまいました。
きちんと評価はしていただけにこの判断は悔やまれるところです。
先週から新しく始まったMildomの配信では、毎日王冠(GⅡ)勝ち馬を評価すると話をしてその傾向に合致していた2,3着馬を評価したことは先述した通りですが、ソングラインは東京マイル、富士S(GⅡ)の勝ち馬。
同じ舞台で実績がある馬は素直に評価しておくべき(いや、評価はしていたんですが(苦笑))と来年に向けてここに書き残して、今週は筆を置こうと思います。
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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