『札幌記念(GⅡ)2022ジャックドール血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は8月21日に開催された、真夏のスーパーG2札幌記念(G2・芝2000m)を勝ったジャックドールを取り上げます。
2枠4番ジャックドールは好スタートから少し控えて4番手の位置。
いつもと違う控える競馬でもしっかりと折り合いをつけて向正面を追走。
3~4コーナーから馬なりのまま進出を開始すると、逃げたパンサラッサを内に見ながら2番手までつけて直線へ。
残り200mをきって完全に横に並ぶと、そのまま2頭の叩き合いに。
内のパンサラッサも譲らずデッドヒートが繰り広げられたが、最後はクビ差振り切って優勝。
本馬はこれで7勝目。
重賞は前々走に続き2勝目となった。
ジャックドールの父モーリスは現役時、18戦11勝。
主な勝ち鞍は、天皇賞・秋、安田記念、マイルCS、香港C、チャンピオンズマイル、香港マイルとG1を6勝。
2015年には年度代表馬に選出された。
血統背景は父スクリーンヒーロー(~Roberto~ターントゥ系)×母父カーネギー(Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。
種牡馬としてこの世代が初年度産駒となる。
2021年種牡馬ランクは第12位
母ラヴァリーノはアメリカ産馬。現役時8戦2勝(海外)。
現役引退後、日本に輸入され繁殖となった。
繁殖としてデビュー済み産駒は本馬を含み9頭。
父Shamardal(地方5勝)→父ステイゴールド(未勝利)→父パイロ(地方11勝)→父アドマイヤムーン(未勝利)→父ストリートセンス(1勝)→父ハードスパン(1勝)→父ダイワメジャー(海外2勝)→父モーリス(本馬)→父ドゥラメンテ(3勝)
中央での勝ち上がりは4頭と決して率は高くなく、重賞輩出は本馬が初。
繁殖力は「一発屋タイプ」。
血統背景は父Unbridled’s Song(Unbridled~Mr. Prospector~ネイティヴダンサー系)と母父Shadeed(Nijinsky~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。
3代母にアメリカのG1を5勝(ダート9F~10F)した名牝It’s in the Airがいる牝系。
父のモーリスはサンデーサイレンスを内包しながらも、その他は非主流な血で構成されている血統。
それゆえに配合の基本はサンデー牝馬が中心となるが、本馬の牝系にサンデーはなし。
これは代表産駒ピクシーナイト(G1・スプリンターズS)と同じ。
サンデーサイレンスを持たない分、牝系にはアメリカのスピード血脈が凝縮されており、それが父モーリスのスピードと呼応したと推察される。
前走初のG1挑戦で一気の頂点奪取はならなかったが、ここできっちり重賞2勝目。
秋に再び頂点を目指す上で大きな弾みとなりそうだ。
戦前のブログでは、本レースのポイントの血として過去7年で3勝、2着2回、3着4回の計9頭が馬券圏内に入着していた「Danzig」を紹介しました。
勝ったジャックドールは父系にこの血を内包しており、また3着のウインマリリンはこの血のクロスを持っていました。
さらに2着のパンサラッサはこの舞台(札幌芝2000m)に相性の良いロードカナロアの産駒ということで血統傾向通りの決着となりました。
その中でウインマリリンは馬券に入れていませんでしたが、2連系の馬券しか買っていなかったので助かったな~とホッと胸をなで下ろした札幌記念でした。
さて今週は競馬の専門学校の冠レース!
キーンランドカップです。お祭り気分でみんなで楽しみましょうね。
↑ホームページリニューアルしましたので是非遊びに来て下さいね!
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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