『AJCC(GⅡ)2023ノースブリッジ血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は1月22日に開催された、AJCC(G2・芝2200m)を勝ったノースブリッジを取り上げます。

 


3枠4番ノースブリッジは五分のスタートから内側4~5番手の位置を確保。
手綱をグッと短く持ち、なだめながら道中を進めた。
4コーナーで追い出しを開始すると、2番手に浮上し直線へ。
そのまま200mを切って先頭に躍り出ると、最後は余裕を持ってゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで6勝目。重賞は昨年6月のエプソムC以来、2勝目。

ノースブリッジの父モーリスは現役時、18戦11勝。
主な勝ち鞍は、天皇賞・秋、安田記念、マイルCS、香港C、チャンピオンズマイル、香港マイルとG1を6勝。
2015年には年度代表馬に選出された。
血統背景は父スクリーンヒーロー(~Roberto~ターントゥ系)×母父カーネギー(Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。
種牡馬としてこの世代が初年度産駒となる。
2022年種牡馬ランクは第8位

母アメージングムーンは、現役時9戦1勝(条件馬)。
繁殖としてデビュー済み産駒は本馬を含み3頭。
父ロードカナロア(中央1勝、地方3勝・現役)→父モーリス(本馬)→父モーリス(地方1勝・現役)→父ドゥラメンテ(1勝・現役)
4頭中3頭が勝ち上がり、本馬で重賞馬を輩出。
今後も楽しみな繁殖牝馬。
血統背景は父アドマイヤムーン(~フォーティナイナー~Mr. Prospector~ネイティヴダンサー系)と母父テンビー(~Nijinsky~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。

父のモーリスはサンデーサイレンスを内包しながらも、その他は非主流な血で構成されている血統。
それゆえに配合の基本はサンデー牝馬が中心となる。
本馬は母父アドマイヤムーンにサンデーサイレンスを内包するのでこれに合致している。

父のモーリスが「Roberto+ノーザンテースト」の組み合わせを内包しており、本馬は3歳時には中山適性が高く出ていた。
しかしながら、現役時、天皇賞(秋)、安田記念を勝っているように種牡馬としても全体的に東京での成績が優秀。
本馬もそれに倣い、古馬になって東京1800mのエプソムCで重賞初制覇を果たした。

G1初挑戦となった昨年の天皇賞秋では11着と敗れたが、今年の始動戦となったこのレースできっちりと優勝。

成長力のあるモーリス産駒なので、5歳の今年さらなる飛躍が期待できそうだ。

 


戦前のブログでは、このレースに相性の良い血として「Roberto」と「ノーザンテースト」を紹介しました。
今年の出走馬の中でその2つの血を持っていた馬は本稿で取り上げたノースブリッジと、3着のユーバーレーベンでした。
2頭ともきっちりと馬券に来ましたから今週は血統傾向通りに決まったと言えます。

2着のエヒトは最近の回顧でよく出てくる「父ルーラーシップ×母父ディープインパクト」の配合。
昨年暮れから重賞戦線でよく目にするこの配合馬は、今後もしばらく抑えておいた方が良さそうです。

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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