『弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)2023タスティエーラ血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで
今週は3月5日に開催された弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝ったタスティエーラを取り上げます。
6枠6番タスティエーラは五分のスタートから、外目4番手あたりを追走。
3~4コーナーで進出を開始すると、直線早々に先頭へ躍り出た。
そのまま力強く抜け出すと、最後は1馬身の差をつけて優勝。
本馬はこれで2勝目。嬉しい重賞初制覇となった。
タスティエーラの父サトノクラウンは現役時代、国内外で20戦7勝。
主な勝ち鞍は香港ヴァーズと宝塚記念。
3歳時に無敗で弥生賞を制覇すると、1番人気で迎えた皐月賞は6着、続くダービーでは3着だった。
4歳の暮れに香港ヴァーズで悲願のG1初制覇を果たすと、5歳で宝塚記念を勝ちGⅠ2勝目。
早くから頭角を現しながら、確かな成長力を見せた現役生活だった。
血統ラインはMarju~トライマイベスト~大系統ノーザンダンサー。
種牡馬としてこの世代が初年度産駒。
2022年の新種牡馬ランクは第5位。
母パルティトゥーラは現役時12戦3勝(条件馬)。
勝ち鞍は芝1600m
繁殖として本馬が初仔。
血統背景は父マンハッタンカフェ(サンデーサイレンス系)×母父フレンチデピュティ(Deputy Minister~Vice Regent~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。
サトノクラウンは非サンデー&非キンカメという日本の主流血統を内包しない血統。
その為、交配に注文がつかず、この世代デビューの新種牡馬の中で唯一の種付け頭数が200頭超えだった。
母父マンハッタンカフェは天皇賞・春、有馬記念、菊花賞を勝ったサンデー系の長距離砲。
ここからサトノクラウンの重厚なスタミナを引き出している。
父サトノクラウンは先述したように新種牡馬ランク第5位と今ひとつの種牡馬生活スタートとなったが、ここで初重賞馬を輩出し秘めたポテンシャルの高さを示すことができた。
しかもその初重賞が自身と同じ弥生賞なので、中山での適性の高さについては今後も注目しておきたい。
戦前のブログでは、これまで他の種牡馬を圧倒していたディープインパクト産駒が不在ということで、中山芝2000mでの成績が良く、近年3歳戦にも対応してきたハービンジャー産駒を紹介しました。
その該当馬であるワンダイレクトは3着。
スタートでの出遅れはもったいなかったですね。
レース後の鞍上のコメントによれば、距離はこれくらいがギリギリとのことなので、皐月賞の後にどういう路線に進むのかは気にしておきたいところです。
2着トップナイフについては、力がありながらも勝ちきれないあたりが如何にも非主流の血統といったところ。
但し、自在性がある脚質ですからいつでも何かワンパンチがあれば勝ちきるチャンスはあると見ています。
今後も軽視はしたくないタイプです。
本稿で取り上げた勝ったタスティエーラの血統については上述した通りですが、体質にまだ弱さがある中での今回のパフォーマンスは今後の成長力を想像した時、とても楽しみが大きいと感じております。
これでクラシックには間に合った形ですが、完成するのは古馬になってからだと思っているので、そんな中でクラシック本番はどのようなパフォーマンスを見てくれるか注目です。
以上、今週の血統回顧でした。
投稿者プロフィール

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血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。
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