『阪神大賞典(GⅡ)2023ジャスティンパレス血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は3月19日に開催された天皇賞春の前哨戦・阪神大賞典を勝ったジャスティンパレスを取り上げます。


3枠3番ジャスティンパレスは好スタートを切ると、道中は内の3~4番手の位置を確保。
ペースが落ち着いたこともあり、隊列は変わらずそのまま最後の3~4コーナーから直線を迎えた。
直線入り口では逃げるアフリカンゴールドとディープボンドの間に挟まれ窮屈な形となったものの、体勢を立て直すと力強く間を割って進出。
そのまま逃げ粘るアフリカンゴールドを交わし去ると、最後は流しながらゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで4勝目。重賞は昨年9月の神戸新聞杯(G2)以来2勝目。

ジャスティンパレスの父ディープインパクトは現役時代、7つのG1を制した「日本近代競馬の結晶」と言われる歴史的名馬。
種牡馬としても2012年から2022年現在まで11年連続で種牡馬ランク首位。
競走馬としても種牡馬としても日本競馬の代表的存在。
(2019年7月30日逝去)

母パレスルーマーはアメリカ産馬で現役時、16戦5勝(海外)。
現役引退後、繁殖となりアメリカでPalace Malice(ベルモントS、メトロポリタンHとG1を2勝)を輩出した後、日本に輸入された。
日本ではこれまでデビュー済み産駒5頭を輩出。
父Mineshaft(2勝)→父ハーツクライ(2勝・現役)→父オルフェーヴル(4勝・現役)→父ディープインパクト(未勝利)→父ディープインパクト(本馬)
4頭が勝ち上がり、4頭が複数勝ち。
先述したようにアメリカではG1馬も輩出ということで繁殖力は高い。
血統背景は父Royal Anthem(~Nureyev~ノーザンダンサー系)と母父Red Ransom(Roberto~Hail to Reason~ターントゥ系)の組み合わせ。

先述した父オルフェーヴルとの交配の半兄(アイアンバローズ)は4歳時にオープン入りして、5歳時の昨年阪神大賞典とステイヤーズS(ともにG2)で2着、天皇賞・春で5着という成績を残している。
本馬はそこから父がディープインパクトに変わり、兄よりも早期始動が可能となった。

昨秋は菊花賞前哨戦の神戸新聞杯を制して、本番の菊花賞では3着だった。
今年も始動戦となった前哨戦のこのレースを制して、次は盾獲りに挑む。
悲願のG1初制覇へ、体勢は盤石と言える。

 


戦前のブログでは、直近3年でディープインパクト系種牡馬が2勝2着1回3着2回の計5頭、馬券圏内に入着していることを紹介しました。

本稿で取り上げた通り、勝ち馬ジャスティンパレスはディープインパクトの産駒。
傾向通りこの舞台で強さを見せてくれました。

2着ボルドグフーシュ(1番人気)は昨秋菊花賞2着、有馬記念2着。
今年の始動戦となった前哨戦のここでも2着ということで本当に堅実な馬ですね。
メイチに仕上げていない中でのこの結果ですから、この馬も悲願の初タイトルに向けて良い前哨戦となったと言えるのではないでしょうか。

3着ブレークアップについては個人的には有馬記念の走りから軽視していました。
三強との力差は大きいと見ていたのですが、最後の脚はとても力強かったですね。
リズム良く走れたことが功を奏したようなので、本番も楽しめそうです。

三強の一角ディープボンドは、3連覇への願いも込めて本命にしました。
しかしペースが遅くなったことがこの馬には向かず、5着まで。
今回は残念でしたが、まだまだ力が衰えたわけでなく、スタミナ勝負になる時にはまた出番があるでしょう。

ということで、今年も血統傾向を抑えたディープインパクト系の勝利となりました。
若い世代ではその姿が順次消えていきますが、古馬ではまだまだディープインパクトが主役を張りますね。

さぁ今週からついに春のG1シーズンスタート。
初戦は電撃スプリントの高松宮記念!
しっかり勉強して楽しみましょう。

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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