『高松宮記念(GⅠ)2023ファストフォース血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は3月26日に開催された、電撃スプリントG1、高松宮記念を勝ったファストフォースを取り上げます。

 


7枠13番ファストフォースは五分のスタートから、押して押して先団の位置を確保。
3~4コーナーも促しながら回ってくると、馬群の中5~6番手あたりの位置で直線へ。
力強く馬群を割ってくると、残り200mで先頭へ。
そこから鞍上の必死の激によく応え、しっかりと力を振り絞ると、最後は後方から追い込んできたナムラクレアに1馬身をつけてゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで7勝目。5歳時から挑み続けてきたスプリントG1に、7歳となった今年、4度目の挑戦で悲願の初戴冠を果たした。
また、鞍上団野騎手にとっても嬉しいG1初制覇。
おめでとう!

ファストフォースの父ロードカナロアは現役時代、国内外で19戦13勝(2着5回3着1回と馬券圏外は一度もなし)。
主な勝ち鞍は香港スプリント(2回)、スプリンターズステークス(2回)、高松宮記念、安田記念とG1を6勝。
2013年には年度代表馬に選出されている。
自身はスプリント~マイルで活躍したが、産駒は名牝アーモンドアイ(史上最多9冠馬)やステルヴィオ(マイルチャンピオンシップ)、サートゥルナーリア(ホープフルステークス、皐月賞)、そしてダノンスマッシュ(香港スプリント、高松宮記念)と種牡馬としては様々な適性距離のG1馬を輩出している。
2022年種牡馬ランクは第2位。

母ラッシュライフは現役時、19戦2勝。
函館2歳S(G3・芝1200m)とファンタジーS(G3・芝1400m)で2着に入着した実績がある。
繁殖としてデビュー済み産駒は、7頭
父ディープインパクト(6勝・重賞馬)→父ダノンシャンティ(未勝利)→父ノヴェリスト(2勝)→父ロードカナロア(本馬)→父キングカメハメハ(地方3勝)→父ドゥラメンテ(地方6勝・現役)→父ミッキーロケット(未勝利・現役)
本馬と半兄(父ディープインパクト)アデイインザライフ(新潟記念G3・芝2000m)が重賞馬。
繁殖タイプとしては一発を出すタイプ。
血統背景は、父サクラバクシンオー(サクラユタカオー~Princely Gift~ナスルーラ系)×母父デインヒル(Danzig~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。

父ロードカナロア×母父サクラバクシンオーの組み合わせは、昨年の高松宮記念で3着になったキルロードや、オープン馬ペプチドバンブー、サイクロトロン、スギノヴォルケーノ、テイエムトッキュウと同じ。
ロードカナロアもサクラバクシンオーもスプリント王者ということで、素直にスプリント適性を受け継ぐことが多い。

もちろん今後も活躍が楽しみだが、サンデーを内包しない馬でのG1を制覇ということで、先々の種牡馬としての楽しみも大きい。

 


戦前のブログでは、本レースに相性の良い種牡馬としてロードカナロアを紹介しました。
また、穴馬血統にはDanzigとIn Realityの2つの血を紹介しました。
本稿で取り上げた勝ち馬ファストフォースは、この2つの傾向に合致。
ちなみにこのパターンは昨年3着のキルロードも同じパターンでした。
道悪の高松宮記念では今後も抑えておくべきポイントと言えます。

2着ナムラクレアは新興勢力としてこの舞台に相性の良い種牡馬と紹介したミッキーアイルの産駒。
血統的にも道悪がダメな訳ではないのですが、ポテンシャルの高さを考える良い馬場で走らせてあげたかったですね。
それでもきっちり2着には来るのですから本当に力がある馬です。

驚いたのは3着のトゥラヴェスーラ。
外伸び馬場でみんなが外に進路を取る中、内をついて馬券内に持ってきたことは鞍上のファインプレーと言えるでしょう。

ということで、春G1開幕戦は最高のスタートとなりました。
競馬が盛り上がる季節がついにやってきましたね。
今年も一緒に楽しんでいきましょう!

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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