『皐月賞を制したソールオリエンス1強ではない理由』田中洋平

 

今年の皐月賞は主役不在で、

混戦模様のおもしろいメンバーでしたね。

 

しかふたを開けてみれば、

2戦2勝馬のソールオリエンスが圧倒的なパフォーマンス。

 

重馬場の中山で、

坂を上がってからの、あのキレ味にはびっくりしました。

 

父キタサンブラックも、

ドロンコの不良馬場の天皇賞・秋を制しているので、

ソールオリエンスにも馬場適性があったのかもしれません。

 

しかしディープインパクトの下位互換と言われていた、

ブラックタイドからG1を7勝したキタサンブラックが誕生して、

そこからイクイノックスやソールオリエンスという強い馬が生まれた。

 

さらにキタサンブラックは前に行って粘り込む競馬を得意としていたのに、

子供たちは末脚自慢が多い。

 

まるでディープインパクト産駒のようですよね。

 

本当に血統って奥が深い。

 

そして社台レースホースの馬が、

牡馬のクラシックを制したのは超久しぶり。

 

2014年に皐月賞を制した、イスラボニータ以来です。

 

というか、

芝のG1を社台レースホースの牡馬が制したのも、

イスラボニータ以来。

 

ここ10年近く、

芝の種牡馬になれそうな馬がいなかった状況だったわけですが、

ようやく!という感じですね。

 

ずっとノーザンファームに押されていた社台ファームですが、

いよいよ反撃の狼煙か。

 

昨年のオークス馬、スターズオンアースもいますし、

社台レースホースの所有ではないですが、

昨年の菊花賞馬であるアスクビクターモアも、社台ファーム生産馬。

 

ノーザンファーム1強になって久しいですから、

社台ファームが復活すると、重賞戦線も面白くなりますね。

 

それと皐月賞で末脚がきわだったソールオリエンスよりも、

実は強いんじゃないか!と思うのは、2着だったタスティエーラ。

 

完全な差し競馬だった皐月賞でしたが、

先行勢の中で唯一上位に食い込んだのはタスティエーラだけ。

 

1着 ソールオリエンス(15)

2着 タスティエーラ(5)

3着 ファントムシーフ(11)

4着 メタルスピード(9)

5着 ショウナンバシット(13)

6着 シャザーン(12)

7着 トップナイフ(16)

8着 ウインオーディン(13)

9着 フリームファクシ(10)

10着 ベラジオオペラ(2)

11着 グリューネグリーン(3)

12着 グラニット(1)

13着 タッチウッド(5)

14着 マイネルラウレア(16)

15着 ワンダイレクト(18)

16着 ラスハンメル(8)

17着 ホウオウビスケッツ(5)

18着 ダノンタッチダウン(3)

カッコ内は皐月賞の1コーナーの通過順位ですが、

5番以内で通過した馬を赤字で表示しています。

 

皐月賞で上位入線した馬は、

タスティエーラ以外は、差し追い込み馬だと分かると思います。

 

つまり不利な展開の中で、

2着に食い込んだタスティエーラは、強いと考えることができます。

 

さらに出世レースの弥生賞を勝っていますからね。

 

13年 カミノタサハラ(皐月賞4着、引退)

14年 トゥザワールド(皐月賞2着、有馬記念2着)

15年 サトノクラウン(香港V1着、宝塚記念1着)

16年 マカヒキ(ダービー1着)

17年 カデナ(小倉大賞典1着)

18年 ダノンプレミアム(天皇賞秋2着、マイルCS2着)

19年 メイショウテンゲン(ダイヤモンドS2着)

20年 サトノフラッグ(菊花賞3着)

21年 タイトルホルダー(菊花賞1着、天皇賞春1着、宝塚記念1着)

22年 アスクビクターモア(菊花賞1着)

 

過去10年の弥生賞勝ち馬のうち、

のちにG1タイトルを獲ったのが4頭。

 

弥生賞後はG1を勝てなかったですが、

ダノンプレミアムは朝日杯フューチュリティSを制していますし、

その後もそこそこ出世したと考えてもいいでしょう。

 

トゥザワールドもG1を勝ち切れなかったですが、

海外を含めて、G1で2着が3回ですから、

この馬もG1級と言ってもいいかもしれませんね。

 

ソールオリエンスの末脚がきわだったので、

今後は「1強」と注目されるかもしれませんが、

タスティエーラも侮れないので、注意しておきましょう!

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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