『マイラーズカップ(GⅡ)2023シュネルマイスター血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は4月23日に開催された京都に戻ってきたG2、マイラーズカップを勝ったシュネルマイスターを取り上げます。


6枠10番シュネルマイスターはほぼ五分のスタートから、後方3番手で待機。
3~4コーナーで少しポジションを上げて、進路を外に取り直線へ。
10番手あたりで直線に入ると、追い出しを開始。
残り200mでもまだ7~8番手あたりだったが、内側のガイアフォースと共に追い込み、最後は一気にまとめて交わして優勝。
本馬はこれで5勝目。重賞は2021年の毎日王冠(G2)以来、3勝目。

シュネルマイスターの父Kingmanはイギリス産馬で現役時は9戦8勝。
主な勝鞍はサセックスステークス(イギリスG1・マイル)とジャック・ル・マロワ賞(フランスG1・マイル)などG1を4勝。
上述したイギリス、フランスの最高峰マイルG1を制した「キングオブマイラー」である。
血統背景は父Invincible Spirit(Green Desert~Danzig~ノーザンダンサー系)×母父Zamindar(Gone West~Mr. Prospector~ネイティブダンサー系)の組み合わせ。
※種牡馬Kingmanについては以前こちらで考察しています。

母セリエンホルデはドイツ産馬。現役時7戦3勝。
主な勝鞍はドイツオークス(ドイツG1・芝2200m)。
現役引退後、日本に輸入され繁殖となった。
本馬が初仔。初仔にしてG1馬を輩出。
1つ下にはロードカナロアとの間に新馬勝ちを収めてナヴォーナを出している。
繁殖レベルもかなり高そう。
血統背景は父Soldier Hollow(~Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系)×母父Highest Honor(~Grey Sovereign~ナスルーラ系)の組み合わせ。

父Kingmanは日本種牡馬の王ディープインパクトが持つSir Ivorを持っており、さらにその相似の血であるDroneも持っていることから日本的な瞬発力が備わっている。
外国の種牡馬ゆえに日本でのサンプル数は少ないが、同世代でチューリップ賞(G2)を制したエリザベスタワーを輩出するなど成功確率は高い。
このエリザベスタワーとは母父にSadler’s Wellsを持つことが共通しており、またKrisの血をクロスしてスピードを増強していることも共通点。
これが日本におけるKingmanの成功配合。

3歳でマイル王に輝きあれから2年。
久しぶりの優勝を手に今年再び王座に返り咲くことができるか楽しみだ。


本レースはここ2年、阪神で開催されていましたが、今年は京都開催に戻ったということで、過去の京都の傾向をもとにディープインパクトの血が合うと紹介をしました。
その上で今年は同産駒の出走がなかったことと、ここ最近の流れで「ディープインパクトの後はキタサンブラックかもしれない」との仮説を立てていることから、ここもキタサンブラック産駒が良いのではないだろうかという話をさせて貰いました。

2着になったガイアフォースはキタサンブラック産駒。
ここまで長い距離を使っていたのでいきなり古馬マイルのペースについて行けるかという不安もありましたが、結果として母父クロフネがよく効いているように見えました。
今後この路線でもやれそうで楽しみが広がったと言えるのではないでしょうか。

3着ソウルラッシュは「血統的に昨年勝った阪神開催からは適性が落ちそう」と考察していた通り、昨年から着順を落としてしまう結果に。
ただそれでも3着ですからね。やはり地力が高いです。
前哨戦を思えば上々ですし、悲願の頂点獲りへ期待したいところです。
昨年はその本番で不利がありましたし、まともならこの距離で大崩れはしないでしょう。

ということで先週はG1中休みでした。
今週は再びG1戦線スタート!
伝統の天皇賞(春)を楽しみましょう。

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

稼ぎに直結する日刊コンピの法則:無料メルマガ登録