『天皇賞・春(GⅠ)2023ジャスティンパレス血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は4月30日に開催された長距離王決定戦、伝統の天皇賞春を勝ったジャスティンパレスを取り上げます。

 


1枠1番ジャスティンパレスはギリギリ五分のスタートを切ると、道中はインの8~9番手あたりを追走。
1週目のゴール板を過ぎ、向正面では少し外に出して7番手あたりにつけていた。
そのまま3~4コーナーで外を回りながら進出を開始すると、4番手あたりまで浮上して直線へ。
残り200mの地点でディープボンドをかわして先頭に抜け出すと、勝負あり。
最後は2.1/2馬身差をつけてゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで5勝目。6度目の挑戦で悲願のG1初制覇を果たした。

ジャスティンパレスの父ディープインパクトは現役時代、7つのG1を制した「日本近代競馬の結晶」と言われる歴史的名馬。
種牡馬としても2012年から2022年現在まで11年連続で種牡馬ランク首位。
競走馬としても種牡馬としても日本競馬の代表的存在。
(2019年7月30日逝去)

母パレスルーマーはアメリカ産馬で現役時、16戦5勝(海外)。
現役引退後、繁殖となりアメリカでPalace Malice(ベルモントS、メトロポリタンHとG1を2勝)を輩出した後、日本に輸入された。
日本ではこれまでデビュー済み産駒5頭を輩出。
父Mineshaft(2勝)→父ハーツクライ(2勝・現役)→父オルフェーヴル(4勝・現役)→父ディープインパクト(未勝利)→父ディープインパクト(本馬)
4頭が勝ち上がり、4頭が複数勝ち。
先述したようにアメリカではG1馬も輩出ということで繁殖力は高い。
血統背景は父Royal Anthem(~Nureyev~ノーザンダンサー系)と母父Red Ransom(Roberto~Hail to Reason~ターントゥ系)の組み合わせ。

先述した父オルフェーヴルとの交配の半兄(アイアンバローズ)は4歳時にオープン入りして、5歳時の昨年阪神大賞典とステイヤーズS(ともにG2)で2着、天皇賞・春で5着という成績を残している。
本馬はそこから父がディープインパクトに変わり、兄よりも早期始動が可能となり、昨年のクラシックは皆勤賞だった(結果は皐月賞9着ダービー9着菊花賞3着)。

前哨戦となった前走の阪神大賞典後に本稿にて「悲願のG1初制覇へ、体勢は盤石と言える。」と述べたが、その通りにこのレースでついに頂点に立つこととなった。

 


戦前のブログでは、京都で行われた過去の天皇賞春に着目し、ディープインパクト産駒の成績が圧倒的であることを紹介しました。

本稿で取り上げた通り、勝ち馬ジャスティンパレスはディープインパクトの産駒。
京都に戻った天皇賞春はやはりディープインパクトでしたね。

2着ディープボンドはディープ直仔のキズナ産駒。
結局馬場が稍重のまま開催されたことも味方になりました。
これで3年連続での2着ですから、本当に立派です。

3着シルヴァーソニックは昨年カラ馬で幻の2着でしたが、今年はきちんと完走した上で3着を確保。
長距離戦線でいつも堅実に走ってくれますね。

レース全体としては2頭が競走中止という残念な結果に。
当たり前のことですが、「全馬無事に完走する」ということが如何に尊いことか改めて思い知らされました。

どうか全馬ご安全に。
今週も最後までお読み頂きありがとうございました。

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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