『NHKマイルC２０２３シャンパンカラー血統考察』ＹＲＡ

血統調査員のＹＲＡです。
「血統表は競走馬の設計図！」ということで

今週は５月７日に開催された３歳マイル王決定戦、NHKマイルCを勝ったシャンパンカラーを取り上げます。

６枠１１番シャンパンカラーはやや出負けのスタートから、道中は後方４番手を追走。
そのまま３～４コーナーを外に持ち出しながら回ってきて直線へ。
直線でもまだ１２番手当たりの位置だったが、ぐんぐんと前をとらえていくと残り４００ｍの地点では５～６番手まで浮上。
そのままさらに加速していくと、残り２００ｍの地点では３番手に浮上。
程なく抜けだし先頭に踊り出ると、最後は猛追してきたウンブライルをアタマ差封じて優勝。
見事３歳マイル王の座に輝いた。
本馬はこれで３勝目。東京は３戦３勝で初のＧ１タイトルを手にした。

シャンパンカラーの父ドゥラメンテは現役時代、国内外で９戦５勝・２着４回のパーフェクト連対。
主な勝ち鞍は皐月賞と日本ダービー。
ダービーでは従来の父キングカメハメハが持つレコード（ディープインパクトも同タイムだった）を更新し、世代の頂点に立った。
そのまま三冠獲りを期していたものの、両前脚を骨折してしまい菊花賞を回避。
古馬となり、ドバイシーマクラシック２着→宝塚記念２着となった後、左前脚を損傷し競走能力を喪失。現役引退となり、種牡馬入りした。
２０２０年デビューの世代がファーストクロップ、この世代が３世代目。
２０２２年種牡馬ランクは第３位。
（２０２１年８月逝去）

母メモリアルライフはイギリス産馬で不出走。
繁殖として本馬は２番仔。
初仔の半兄（父ヴィクトワールピサ）は中央未勝利。
２番仔の本馬でＧ１馬を輩出ということで今後も期待が膨らむ。
血統背景は、父Reckless Abandon（～Danzig～ノーザンダンサー系）×母父Tale of the Cat（Storm Cat～Storm Bird～ノーザンダンサー系）の組み合わせ。
3代母にはフランス産馬でフランス重賞（芝2100ｍ）勝ち馬のバルドウィナがいる牝系。

父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴという良血種牡馬で、初年度産駒から菊花賞馬タイトルホルダーを輩出し、2年目にも桜花賞とオークスを勝ったスターズオンアースを出した。

母父Reckless Abandonはイギリス産馬でイギリスとフランスの芝1200ｍG1勝ち馬。
血統ラインはDanzig～ノーザンダンサー系なのでドゥラメンテにスピードを注入したという配合。

こうして２～３歳戦に強いドゥラメンテからまた１頭、３歳Ｇ１の覇者が現われた。
本馬はこれで、東京で３戦３勝。
古馬になっても安田記念が楽しみになる。

戦前、ポイントの血として取り上げたのは過去８年のうち７年で馬券になっていたDanzigの血。
本稿で取り上げたように勝ったシャンパンカラーもこの血を内包していました。
ただ今年はこのDanzig内包馬が多くおり、個人的には最終的に手を回せなかったことが反省点です。

２着ウンブライルは非常に惜しい競馬になりました。
血統的にはこのレースにもともと強いダイワメジャーの後継になりそうと話をしていたように、ロードカナロアの産駒でした。
同種牡馬はこれで昨年優勝のダノンスコーピオンに続き今年も２着馬を出したということに。
ダイワメジャーは種牡馬として晩年になっているので、来年もダイワメジャーがいない場合はロードカナロアが主役を張りそうです。

３着オオバンブルマイは穴馬血統としてここ３年でトレンドとなっていた「ディープインパクト＋Storm Cat」を内包していることから穴馬として推奨しました。
が、蓋を開けて見ると３番人気（しかも一時は１番人気になっていた）という上位人気の支持を集めてしまいました。
動画を撮った木曜日時点では６番人気想定だったんですけどね・・・。
いずれにせよ、これでこの血を併せ持つ馬は４年連続で馬券となりましたので来年も覚えておいたら良さそうです。

ということで、これでドゥラメンテ産駒は桜花賞に続きNHKマイルCも制することになりました。
来シーズンのPOGでもこの種牡馬からは目が離せませんね！

ちなみに「YRA POG大会2023-2024」は本日５月８日よりエントリー開始です。
２０２１年生まれのサラブレッドを１０頭（牡馬５頭＋牝馬５頭）選んでTwitterにDMして下さい。

皆様のご参加お待ちしております！