『オークス2023リバティアイランド血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は5月21日に開催された3歳女王決定戦、オークスを勝ったリバティアイランドを取り上げます。

 


3枠5番リバティアイランドは五分のスタートから、中団6~8番手の位置につける。
向正面でも隊列変わらず、そのまま3~4コーナーを少し外に持ち出しながら回ってきて直線へ。
前が開いた状態で6番手から少しずつ上昇、残り400m地点で5番手の位置。
そこから少し促しただけで、あっという間に先に抜け出したラヴェルを捉えた。
残り200mからは独走で一人舞台。
どこまでも伸びていき、圧勝で2冠を達成した。
本馬はこれで4勝目。G1は阪神ジュベナイルF、前走桜花賞に続く3勝目。

リバティアイランドの父ドゥラメンテは現役時代、国内外で9戦5勝・2着4回のパーフェクト連対。
主な勝ち鞍は皐月賞と日本ダービー。
ダービーでは従来の父キングカメハメハが持つレコード(ディープインパクトも同タイムだった)を更新し、世代の頂点に立った。
そのまま三冠獲りを期していたものの、両前脚を骨折してしまい菊花賞を回避。
古馬となり、ドバイシーマクラシック2着→宝塚記念2着となった後、左前脚を損傷し競走能力を喪失。現役引退となり、種牡馬入りした。
2020年デビューの世代がファーストクロップ、この世代が3世代目。
2022年種牡馬ランクは第3位。
(2021年8月逝去)

母ヤンキーローズはオーストラリア産馬で現役時10戦4勝。
主な勝ち鞍はスプリングチャンピオンS(G1・芝2000m)とサイアーズプロデュースS(G1・芝1400m)。
現役引退後、日本に輸入され繁殖となった。
1つ上の半姉(父ディープインパクト)は2勝を挙げており、2番仔の本馬でG1馬を輩出。
繁殖力は今後さらに期待ができる。
血統背景は、父All American(~Roberto~Hail to Reason~ターントゥ系)×母父ザール(~Gone West~Mr. Prospector~ネイティヴダンサー系)の組み合わせ。
4代母にはヨークシャーオークス(イギリスG1・芝12F)勝ち馬のCondessaがいる牝系。

父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴという良血種牡馬で、初年度産駒から菊花賞馬タイトルホルダーを輩出し、2年目にも桜花賞とオークスを勝ったスターズオンアースを出した。
適性距離の守備範囲は広く、牝馬でも昨年のスターズオンアースのようにオークスを勝てるスタミナを持つ。
同じキンカメ系種牡馬であるロードカナロアは名牝Sex Appealの血を増強することでアーモンドアイを輩出。
本馬もこれと合致(トライマイベストとEl Gran Senorは共に母がSex Appeal)しており、アーモンドアイ同様2冠を達成した。

 


戦前、このレースに注目すべき血統は過去の傾向からディープインパクトであること。
また種牡馬が過渡期になっている為、仮説としてその後継種牡馬は(牝馬の場合)ドゥラメンテの可能性が高いと述べました。

本稿で取り上げた通り、ドゥラメンテ産駒のリバティアイランドがオークスを制し2冠達成。
これで2年連続ドゥラメンテ産駒による牝馬クラシック2冠馬が誕生しました。
このまま無事に夏を過ごし、秋に備えてもらいたいです。

2着に入ったのはハーツクライ産駒のハーパー。
桜花賞の時に「狙いはオークスでしょう」と述べていた通りここがやはり本命でした。
ハーツクライはやはりスタミナがありますね。

3着ドゥーラもリバティアイランド同様ドゥラメンテの産駒。
この馬は穴馬の血統傾向で解説したように「ノーザンテースト+Mr. Prospector」の血を持っており穴馬推奨に入れていました。
過去5年の穴馬全てに当てはまるわけでは無かったのですが、今年はハマってくれたといった感じですね。
来年も覚えておいても良いかもしれません。

さぁ今週は競馬の祭典日本ダービー。
このレースも牝馬クラシック同様、ディープインパクトの後継種牡馬をどう見極めるかが重要になってきそうです。
週末までにしっかりと調査してきますので、よろしくお願いします。

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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