『宝塚記念(GⅠ)2023イクイノックス血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで

今週は6月25日に開催された真夏のグランプリ・宝塚記念を勝ったイクイノックスを取り上げます。

 


3枠5番イクイノックスは少し躓き加減のスタートから、控えて後方から2番手の位置を追走。
その隊列のまま向正面も通過し3~4コーナーへ。
3コーナーで進出を開始すると、4コーナーでは大外を回って直線へ。
そのまま追い出すと、いつもの末脚で前をグングンと捉えていく。
残り200mを切って4番手まで浮上すると、そのまま抜け出した。
最後は2着スルーセブンシーズをクビ差封じてゴール板を駆け抜けた。
着差以上に強い内容で6勝目。
G1のタイトルは前走ドバイSCに続いて4つ目。

父キタサンブラックは現役時、20戦12勝。
主な勝ち鞍は、天皇賞(春)2回、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、菊花賞、有馬記念、大阪杯とG1を7勝。
3歳時から活躍し春のクラシックに出走した(皐月賞3着、ダービー14着)が、大輪を咲かせたのはひと夏越えての菊花賞だった。
そこからは安定した強さで大きなレースを勝ちまくり、最終的に7つものG1タイトルを積み上げた。
馬主は北島三郎で、「国民の愛馬」と謳われた。
種牡馬としてこの世代が初年度産駒。
2022年種牡馬ランクは第13位。

母シャトーブランシュは現役時、25戦4勝。
主な勝ち鞍はG3・マーメイドS(芝2000m)
繁殖としてこれまでデビュー済み産駒3頭を輩出。
父ロードカナロア(3勝・現役)→父キングカメハメハ(4勝・重賞馬)→父キタサンブラック(本馬)
全頭勝ち上がり、1つ上の兄はG3・ラジオNIKKEI賞を勝ったヴァイスメテオール。
そして本馬でG1馬を輩出。繁殖力は相当に高い。
血統背景は父キングヘイロー(~Lyphard~ノーザンダンサー系)と母父トニービン(~Grey Sovereign~ナスルーラ系)の組み合わせ。

父キタサンブラック×ダンシングブレーヴの組み合わせは、G3・アルテミスSを勝ったラヴェル、G3・フェアリーSで3着に入着したビジュノワールと同じで好相性。
ダンシングブレーヴの父はLyphardで、この血は本馬の父父ブラックタイドの全弟ディープインパクトと好相性の血である。

昨年3歳で年度代表馬に輝いた本馬が、今年の初戦は海外のドバイを勝ち、そして国内ではこの宝塚記念を勝ち、今年も年度代表馬に向けて最高のスタートを切っている。
秋への期待ももちろん高まる。

 


戦前にはこのレースに相性の良い血統として、Never Bendの血を紹介しました。
その中で最先着は4着のジェラルディーナでした。

本稿で取り上げた勝ち馬イクイノックスは、有馬記念を勝ったグランプリホース。
これでグランプリ統一王者となりました。
グランプリホースという言葉があるくらい、宝塚記念と有馬記念は連動性がありますから今後も覚えておきましょう。

グランプリホースと言えば2着スルーセブンシーズの父ドリームジャーニー。
そして鞍上はグランプリジョッキーの池添謙一。
わしの夢はこの馬とヴェラアズールに託した(共にキャロット)ので、直線では上半期イチ力が入っていました(笑)

3着ジャスティンパレスはマイナス血統に挙げたディープインパクトの産駒。
ディープインパクトの牡馬は10年前のダノンバラード以来ですから、本当に素晴らしいレースをしたと言えるでしょう。
個人的にはここが心残り。評価を下げさせてもらっていたので4着ジェラルディーナと逆であれば完璧だったのですが・・・。

皆様の上半期総決算はいかがでしたか?
今週からはいよいよ本格的に夏競馬に突入。
わしとしては苦手な季節がやってきます。

今年こそ何かを掴んで秋を迎えることができますように。
一緒に夏競馬楽しみましょう&頑張りましょう!

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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