『重賞で勝ちたいならリピーターの存在を忘れるな』田中洋平

2019年8月11日、

札幌のメインレースは第24回エルムステークス。

 

前走、盛岡のマーキュリーC(Jpn3)を圧勝した、

グリムが1番人気。

 

続く2番人気は前走マーリンステークス2着、

毎回、鬼脚で追いで来るモズアトラクションでした。

 

そして3番人気は前走のマーリンステークスで、

モズアトラクションをクビ差で凌いだリアンヴェリテと、

三つ巴のパワーバランス。

 

テクニカル6の分析でもパターン5と、

コンピ上位3頭で決着する確率が高いと出てしましたが、

結果は2着に10番人気のハイランドピークが入って波乱の結果でした。

 

◆結果

1着 モズアトラクション(2番人気)

2着 ハイランドピーク(10番人気)

3着 サトノティターン(4番人気)

馬連9220円

 

波乱予測が外れるのは仕方ないのですが、

「なぜ10番人気のハイランドピークが激走したのか?」

という復習は必要です。

 

どうしてだと思いますか?

 

勉強熱心なあなたなら、答えが分かりますよね。

 

その通り!

 

ハイランドピークは昨年のエルムSの覇者だからです。

 

それも2番人気に推されていて、

道中2番手から直線抜け出して押し切る、王道の強い競馬。

 

ハイランドピークは強い馬のはずなのに、

なぜ今回は10番人気だったのか?

 

それは近走の成績にあります。

 

エルムS(G3) 1着

総武S(OP) 5着

マーチS(G3) 16着

平安S(G3) 13着

大沼S(OP) 6着

エルムS(G3) 2着 ←今回

 

昨年のエルムSを制してから、4戦すべて馬券圏外。

 

オープンでは何とか掲示板に載れるけど、

G3レベルになると、2ケタ着順と厳しい結果ですね。

 

だからハイランドピークは、

G3レベルでは通用しないだろう!

 

所詮はオープンレベルの馬という見立てで、10番人気なのでしょう。

 

しかし、札幌のダートでひと味違う。

 

得意条件なので、G3レベルにパワーアップできるのです。

 

巷で言われるリピーターというやつですね。

 

重賞はリピーターに注意!と格言のように言われていても、

やはり近走の成績が悪ければ、軽視してしまうのが人間の性。

 

なのか。

 

そしてこのレースには、

もう1頭、昨年のエルムS好走馬がいました。

 

それは昨年2着のドリームキラリ。

 

こちらは前走の欅Sを逃げて2着と好成績だったので、

7歳馬ながら単勝15.7倍の8番人気と、まずまずの評価。

 

結果は11着に敗れましたが、

逃げ馬なので好走、惨敗の波は仕方がないと思います。

 

ただ高齢馬なので、来年リピートするか?

と言いわれると微妙な気もしますね。

 

このように重賞はリピーターになりそうな馬を、

さらっと買い目に加えておくだけで、

おいしい配当をゲットできるチャンスがありそうです。

 

ちなみに同日の第54回関屋記念(G3)は、

下記の馬たちがリピーター候補でした。

 

◆昨年の関屋記念の結果

4着 ヤングマンパワー

5着 ロードクエスト

6着 リライアブルエース

 

◆今年の関屋記念の結果

ヤングマンパワー(16番人気16着)

ロードクエスト(11番人気6着)

リライアブルエース(9番人気8着)

 

ヤングマンパワーは、2017年、2018年と

関屋記念2年連続4着のツワモノですが、

さすがに7歳と高齢で、もう伸びしろは無さそうな感じ。

 

このレースで一番熱かったのは、

やはり0.3秒差の6着だったロードクエストでしょう。

 

1着 ミッキーグローリー 4角15番手(上がり2位)

6着 ロードクエスト 4角17番手(上がり1位)

 

4コーナーの位置取りが、そのまま着順の差になった形。

 

ロードクエストは最後方から大外を回す進路を選択して、

ミッキーグローリーは、少し内めにコーナーを回ったので、

その差も最後は響きましたね。

 

結果論でしかないですが、

デムーロ騎手がもう少し違う進路を選択していたら、

ロードクエストが勝利していてもおかしくなったと思います。

 

この紙一重で勝ってもおかしくなった馬が、

単勝37.6倍の11番人気ですから、

いかに近走成績が人気を作っているかが、改めて分かりますね。

 

◆ロードクエスト近4走

ダービー卿チャレンジT 6着

京王杯スプリングカップ 12着

安田記念 12着

トヨタ賞中京記念 11着

関屋記念(G3) 6着 ←今回

 

さすがにこの成績だけを見ると買いにくいですが、

ロードクエストは新潟芝1600mでは、

G3レベルにレベルアップする!ということでしょう。

 

このロードクエストも来年は7歳なので、

もう厳しそうですが、リピーターの重要性は再認識できましたね。

 

重賞はリピーターになりそうな馬をは、

さらっと買い目に加えておくだけで、

おいしい配当をゲットできるチャンスがありそう。

 

ということを、憶えておきましょう。

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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