『不良馬場はベテランか?それとも若手騎手か?』田中洋平
2020年3月29日の中山競馬場は、
桜が咲くコースに雪が積もって、競馬続行不可能。
3レース目以降は、
出馬表の内容を変更したうえで、3月31日に開催となりました。
今年は異常な暖冬でしたが、
もうすぐ4月というこの季節に関東で雪が降るのも異常。
コロナウイルスの蔓延もあり、今年は色々とおかしいですね。
とりあえず競馬が無事に行われることを祈りましょう。
さて、中山競馬場は1レースまで雨だったので、
ダートは水が浮くような不良馬場。
まさにドロンコ馬場という様相でした。
このレースを見ていて思ったのが、
馬を御す技術に長けているベテランの方が有利か?
それとも斤量の軽い若手騎手の方が有利なのか?
ということ。
ドロンコ馬場だと馬が脚を滑らして危険なこともあるので、
経験豊富なベテランの方が上手く乗りそうな気もします。
反対に減量の恩恵がある見習騎手の方が、
馬に負担が少ないので、脚を滑らす危険が少なくなる。
なかなか難し問題ですね。
ということで、TARGETで調べてみました。
使うデータは2015~2020年で、
「芝、稍重、重」対「不良」という対比にしています。
◆芝、稍重、重馬場
騎手分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
初年 | 852- 830- 827- 10908/ 13417 | 6.4% | 12.5% | 18.7% | 67 | 70 |
2年目 | 934- 864- 958- 11891/ 14647 | 6.4% | 12.3% | 18.8% | 70 | 71 |
3年目 | 1004- 919- 887- 11285/ 14095 | 7.1% | 13.6% | 19.9% | 73 | 69 |
4~10年 | 4051- 4125- 4019- 49432/ 61627 | 6.6% | 13.3% | 19.8% | 74 | 72 |
11~20年 | 5755- 5846- 5946- 61968/ 79515 | 7.2% | 14.6% | 22.1% | 74 | 73 |
21年~ | 3417- 3566- 3505- 37086/ 47574 | 7.2% | 14.7% | 22.0% | 69 | 72 |
◆不良馬場
騎手分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
初年 | 40- 36- 30- 464/ 570 | 7.0% | 13.3% | 18.6% | 132 | 81 |
2年目 | 41- 40- 41- 484/ 606 | 6.8% | 13.4% | 20.1% | 104 | 86 |
3年目 | 48- 28- 36- 456/ 568 | 8.5% | 13.4% | 19.7% | 48 | 56 |
4~10年 | 172- 154- 161-1968/2455 | 7.0% | 13.3% | 19.8% | 67 | 78 |
11~20年 | 193- 218- 211-2236/2858 | 6.8% | 14.4% | 21.8% | 90 | 84 |
21年~ | 109- 137- 134-1356/1736 | 6.3% | 14.2% | 21.9% | 64 | 72 |
見比べたら一目瞭然ですが、
1年目~2年目の騎手の成績が不良馬場ではアップしていますね。
そして反対に11年目以上の騎手の成績がダウン。
3~10年目の騎手は、横ばいという感じでしょうか。
このデータから推測するに、
斤量の軽い、そして怖いものなしの若手騎手が、
ガシガシと押して前のポジションに行く。
そしてそのままゴールに雪崩れ込む。
ベテランは怪我が怖いので、危ない時はムリをしない。
ということが想像できますね。
ちなみに不良馬場で馬体重が480kg以上の馬のデータを見てみましょう。
◆不良馬場+馬体重480kg以上
騎手分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
初年 | 18- 13- 12- 167/ 210 | 8.6% | 14.8% | 20.5% | 157 | 76 |
2年目 | 17- 10- 12- 168/ 207 | 8.2% | 13.0% | 18.8% | 145 | 81 |
3年目 | 19- 15- 11- 179/ 224 | 8.5% | 15.2% | 20.1% | 50 | 51 |
4~10年 | 89- 59- 72- 757/ 977 | 9.1% | 15.1% | 22.5% | 84 | 83 |
11~20年 | 93- 105- 97- 977/1272 | 7.3% | 15.6% | 23.2% | 70 | 75 |
21年~ | 52- 58- 50- 587/ 747 | 7.0% | 14.7% | 21.4% | 70 | 61 |
馬が重たいということはドロンコ馬場でも沈み込んで、
重戦車のようにドシドシと走れる。
それにプラスして、騎手が軽いなら走りやすいですよね。
このようにレースを観戦して疑問を持つ。
それをTARGETで調べてみる。
なぜ?そのデータになるのか?を理論で裏付ける。
この一連の作業を繰り返してやると、
お宝パターンに出会う可能性が高くなります。
ぜひ繰り返しやってみてください。
投稿者プロフィール
-
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
最新の投稿
- 馬券力アップ2024年3月27日『メイショウタバルで重賞初制覇の石橋守調教師にフォーカス!』田中洋平
- 馬券力アップ2024年3月18日『圧勝のテーオーロイヤルは天皇賞・春を勝てるか?』田中洋平
- 馬券力アップ2024年3月12日『横山武史騎手は芝なら1~2枠、ダートは7~8枠が狙い目!』田中洋平
- 馬券力アップ2024年3月5日『中山牝馬Sは穴馬がズバズバと好走する法則に注目だ!』田中洋平