『外厩を制する者は競馬を制す』高橋広治

はじめまして、高橋広治と申します。

これから、競馬に役立つ情報や、外厩に関することなどを、お伝えしていこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

競馬ファンなら、一度は「外厩」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

昨年、牝馬三冠&ジャパンカップを制したアーモンドアイが、外厩を使って調整をしていたことで、外厩がすっかり有名になりましたね。

 

では、外厩って、一体何なのでしょうか?

分かりやすく言うと、外厩とは、「トレーニング施設を兼ね備えた牧場」と言い換える事ができます。

東西トレセンにも勝るとも劣らないトレーニング施設を兼ね備え、且つ牧場のようなリフレッシュ効果も発揮できるのが外厩という所なのです。

 

では、どうして、外厩が必要なのでしょうか?

それは、大きく分けると、2つの理由があります。

 

まず第1に、競走馬の観点から。

馬が疲労してしまったり、ケガをしてしまったり、また目標のレースまで間隔が空いてしまう場合、トレセンを離れて放牧に出されます。

ですが、牧場には、リフレッシュ効果は期待できますが、多くの牧場にはトレーニング施設が無いため、馬の競争能力を引き上げるトレーニングができません。

トレーニングができない馬は、能力が引き上げられないばかりか、トレセンに戻った時にはかなり鈍った体になっている馬も少なくありません。

そんな馬はかなりのハードトレーニングをしなければ、レースに使うこともできないでしょう。

ですが、外厩は、トレーニング施設が充実しているので、トレセンを離れてもトレーニングがしっかりできるという利点があります。

その時の馬の状態によって、休養が必要であればゆっくり休ませる、故障してリハビリが必要であればそのメニューを遂行させる、元気な馬であればしっかりトレーニングさせるという具合に、馬の状態に合わせたメニューを組むことができるのが、利点の1つです。

 

次に、厩舎(調教師)の観点から。

1人の調教師が持てる馬房の数は、20~28馬房だそうです。

それに対して預託馬は、1人の調教師に対して70頭まで認められております。

28馬房の調教師が、70頭もの馬を預かるとなると、入れ替えをしっかりしなければなりません。

そんな時に外厩で馬を受け入れ、空いた馬房に、レース前で戻って来た馬を入厩させるのです。

現在は10日前ルールと言って、レース前10日前にはトレセンの自厩舎に入らなければならないルールがあります。(新馬は15日前)

ですから、外厩先でしっかり乗り込んで、レースが近づいてきたら自厩舎に戻し、最後の調整をし、レースへ臨むというのが最近のトレンドなのです。

 

外厩とひと言で言いますが、大なり小なりで約150以上の外厩があります。

その中から、受け入れ馬の多い、主要な外厩をいくつか紹介します。

 

・ノーザンファームしがらき〈滋賀県甲賀市信楽町〉

ご存知、ノーザンファーム生産馬の西の拠点。

栗東トレセンから近く、ノーザンファーム系の関西馬はここに集まります。

また美浦の堀宣行厩舎も、しがらきを使っております。

屋根付きの勾配急な坂路があり、ここで馬を鍛えて強い馬になるのです。

場長が獣医なので、馬のケアも万全。

 

・ノーザンファーム天栄〈福島県岩瀬郡天栄村〉

ノーザンファーム生産馬の東の拠点。

元々は天栄ホースパークという牧場だったものをノーザンファームが買収、大規模な施設工事をし、2012年開業。

さらに設備投資を行い、2017年に屋根付き、急勾配の坂路コースが完成すると、活躍馬が一気に増え、今1番勢いのある外厩と言えるでしょう。

 

・山元トレーニングセンター〈宮城県亘理郡山元町〉

社台ファーム生産馬の東の拠点。

歴史は古く、1992年開業の老舗外厩。

しがらき、天栄ができるまではノーザンファーム馬もここで調整していました。

勾配の急な坂路がありますが、屋根が無いのが玉にキズ。

 

・グリーンウッド〈滋賀県甲賀市甲南町〉

関西の社台ファーム生産馬が多いですが、個人馬主の生産馬も多く預託されています。

屋根付きの坂路がありますが、勾配は割と緩めです。

 

・宇治田原優駿ステーブル〈京都府綴喜郡宇治田原町〉

〈タガノ〉の冠名で知られる八木良司氏が設立、現在の代表は息子の八木秀之氏。

預託馬は個人馬主が中心の、育成専門の外厩。

かつてはキタサンブラックもこちらで調整していました。

 

・吉澤ステーブルWEST〈滋賀県甲賀市〉

預託馬は非社台系や日高系の馬が多く、屋根付き坂路もあり施設面でもそれなりに充実した育成専門の外厩。

かつてはゴールドシップやジャスタウェイもこの外厩で調整していました。

 

以上、6つの主要外厩を駆け足で紹介致しました。

その中でも、ノーザンファーム、とりわけ天栄は今トレンドの外厩で、天栄で調整された馬のことを、「天栄仕上げ」と言っております。

2歳新馬戦が始まっておりますが、勝ち上がり率を見ても、今のところ天栄に逆らう余地は無さそうですね。

これから、トレンドではあるけれども、なかなか情報が手に入りにくい外厩のことをお伝えして行ければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

投稿者プロフィール

高橋 広治
高橋 広治
データを駆使した戦略競馬の賢才
人と違う視点や切り口で競馬を分析することに長けている頭脳派。データ分析ソフト『TARGET』を使いこなして、周りがアッと驚く馬券術を生み出す。そのレベルは折り紙付きだ。

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