『菊花賞(GⅠ)2019ワールドプレミア血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。

「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

 

今週は10月20日に開催されたクラシック3冠最終戦、菊花賞(G1)を勝ったワールドプレミアを取り上げます。

 

3枠5番ワールドプレミアは絶好のスタートを切ると、少し抑えて他馬に前を行かせる形を選択。

最初の直線で6~7番手の内側のポジションを確保。

2コーナーから向正面でも隊列は変わらないが、若干行きたがる素振りを見せる。

鞍上がなだめて、抑え加減といったところ。

3コーナーから他馬が進出を開始するも名手・武豊は動かず。

手綱を持ったままコーナリングを活かして4コーナーから徐々に進出。

直線を2~3番手で迎えると追い出しを開始。

残り200mのところで前を捉えると抜け出した。

最後は追い込んできた2着馬をクビ差封じて優勝。

嬉しい重賞初制覇で見事、菊の大輪を咲かせた。

ワールドプレミアの父ディープインパクトは現役時代、7つのG1を制した「日本近代競馬の結晶」と言われる歴史的名馬。

種牡馬としても2012年から2018年現在まで7年連続で種牡馬ランク首位。

競走馬としても種牡馬としても日本競馬の代表的存在。

(2019年7月30日逝去)

 

母マンデラは現役時、ドイツ・フランス・アメリカで3勝の戦績。

ドイツオークス(G1)3着、ポモーヌ賞(フランスG2)3着、サンタバルバラH(アメリカG2)3着と重賞戦線で活躍した。

現役引退後繁殖にあがり、2008年には日本に輸入された。

日本に輸入された初年度産駒はディープインパクトとの交配で、クラシック戦線を賑わせた後マイラーズC(G2)を制したワールドエース。

いきなり重賞馬を輩出したがその後は、未出走(父ディープインパクト)→未勝利(父ネオユニヴァース)→未勝利(父ゼンノロブロイ)→1勝馬(父ダイワメジャー)と鳴かず飛ばず。

そして久しぶりにディープインパクトを相手に迎えて誕生したのが本馬である。

このように「アベレージヒッター」タイプではなく、典型的な「三振かホームランか」タイプの繁殖馬である。

血統背景は父Acatenangoと母父ノーザンダンサー系の組み合わせ。

Acatenangoはハンプトン系。ハンプトン系は主流7大血脈の中でも傍流血脈。

その原因は現在のスピード競馬に対して、この血脈は長距離血脈なので重視され辛い状況にある為である。

 

そのような血脈なので数が少なく、父ディープインパクトとの配合においてもサンプル数自体が少ない。

先述した本馬の全兄ワールドエースがこれまでは代表格であった。

日本を代表する種牡馬ディープインパクトと現在傍流の長距離血脈の組み合わせということもあり、ワールドエースはこの成績でも種牡馬入りした。

 

本レースはディープインパクト産駒が、近年目立つ成績を収めている。

2011年以降、着外は12年と14年のみ。

8年のうち6年で馬券圏内に入着している(2勝、2着2回、3着2回)。

今年も本馬が制し、父の相性の良さを改めて証明する形となった。

 

日本を代表する父のG1を制した数多の産駒の中で、現在傍流となっているハンプトン系との組み合わせという異色の本馬がG1を制した意義は血統的に大きい。

次は是非とも中距離でのタイトルを手にして欲しい。

その上で種牡馬入りすることができれば本馬の血統的価値はさらに高まることだろう。

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

ファイブスター

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