『有馬記念(GⅠ)2019リスグラシュー血統考察』YRA

血統調査員のYRAです。

「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

 

今週は12月22日に開催された有馬記念(G1)を勝ったリスグラシューを取り上げます。

 

3枠6番リスグラシューはほぼ五分のスタート。

抑えて控える形を選択すると中団インのポジションを確保。

道中はじっくりと8~9番手の位置で進めた。

1週目を過ぎて向正面では、大逃げの先頭馬を気にすることもなく11番手のあたりでジッとしたまま。

最終コーナーを外側に持ち出しながら進出を開始すると、直線を迎える時には大外6番手の位置。

残り200mの地点で先頭のアーモンドアイをとらえると、後続を突き放し余裕たっぷりでゴール板を駆け抜けた。

終わってみれば5馬身差の圧勝で、見事有終の美を飾った。

本馬はこれで7勝目。

父ハーツクライに初の有馬記念のタイトルをもたらし、自身はこれでGⅠ4勝目となった。

父ハーツクライは現役時代、国内外で19戦5勝。

主な勝ち鞍はドバイシーマクラシックと有馬記念。

有馬記念で無敗の3冠馬ディープインパクトに土をつけた唯一の日本馬である。

2018年の種牡馬ランクは第3位。

 

母リリサイドはフランス馬。現役時11戦5勝(オープン勝ち)。

血統背景は父American Post(~ネイティブダンサー系)と母父ミラーズメイト(Mill Reef~Never Bend~ナスルーラ系)の組み合わせ。

繁殖としてデビュー済み産駒はこれまで本馬を含め6頭。

父ゼンノロブロイ(3勝)→父ダイワメジャー(2勝)→父ハーツクライ(本馬)→父ダイワメジャー(2勝、現役)→父オルフェーヴル(3歳1勝、現役)→父ロードカナロア(2歳未勝利、現役)

デビューしたての6番仔の2歳馬を除き全頭勝ち上がっている。

さらにまだ3歳の5番仔以外は複数勝ちを収めている。

そんな中で本馬のような超大物も出しているので、繁殖力はかなり高い水準にあると言える。

 

父ハーツクライは種牡馬として晩成傾向であるが、母ノーザンダンサーのクロス持ちとの配合で早期始動することが可能となる。

本馬もこの血統背景を武器に2歳戦から活躍した。

 

また本馬の持つ「Never Bend」の血は父と相性が良く本馬の他には、ジャパンカップ(G1)と大阪杯(G1)を勝ったスワーヴリチャード、オークス(G1)を勝ったヌーヴォレコルトがいる。

この血は父の配合において意識しておきたいポイントである。

 

本レースは中山2500mという年間10レースほどしか開催されないマイナーなコースが舞台。

このような特性がはっきりしているレース程、血統の適性が出やすい。

過去5年で牝馬の連対は2頭のみ。

2014年の勝ち馬ジェンティルドンナは「Lyphard+Danzig」を持つ。

2017年に2着に入ったクイーンズリングは「Lyphard+Never Bend+Danzig」を持つ。

リスグラシューは「Lyphard+Never Bend」を持っている。

Lyphardのような素軽いスピード血脈は現代競馬において不可欠な血であるが、それと同時にこのような舞台ではDanzigやNever Bendのような「道悪もこなせる程の重厚な血」が求められるのである。

 

ラストランで最強牝馬の称号を手にしたリスグラシューを今後ターフで見ることができないのかと思うと、一抹の寂しさを覚える。

しかしこれから繁殖に上がることでリスグラシューの血の物語は続いていく。

近い将来、彼女の仔達が彼女と同じようにターフを湧かしてくれる日が来るのではないかと、今から楽しみにできるのもまた競馬の醍醐味である。

全力で駆け抜けた約3年間の現役生活、本当にお疲れ様でした。

 

投稿者プロフィール

YRA
YRA
血統の設計図から好走率を占う予想家
趣味の一口馬主が高じて牧場通いをするも「馬関係者でも走る馬はわからない」という結論に至る。そこから少しでも走る馬を見極めるために血統に没頭。血統から展開されるレース回顧は好評を得ている。

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