『ノーザンファームしがらきのトリセツ』高橋広治
こんにちは、高橋広治です。
よろしくお願いいたします。
今回は、外厩の中でも、1番の規模と預託馬数を誇るノーザンファームしがらきについて書いていこうと思います。
ノーザンファームしがらき(以下NFしがらき)は、栗東トレセンから車で約30分と近く、田舎の静かな場所にあり、東京ドーム約6コ分の広大な敷地面積を誇ります。
預託馬数も最大で370頭まで可能で、ノーザンファーム生産馬はもちろん、吉田3兄弟が共同出資している白老ファームの生産馬や、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏が強烈にバックアップしている、旧メジロ牧場のレイクヴィラファーム生産馬などが、主にNFしがらきを使用しております。
そんな、NFしがらきを外厩で使った馬の成績はコチラです。
ちなみに集計期間は近3年間。
少し集計期間が短いですが、これは外厩というのは、馬主、生産者、また調教師と密接に関係していることは言うまでもありません。(特にノーザンファームはじめ社台グループは生産者の力が強大。)
馬主、生産者、調教師というのは、栄枯盛衰が特に激しく、絶えず変化を繰り返しております。
よって、あまり古いデータを用いてしまうと、その傾向自体がボケる可能性があるため。
かと言って、最近のデータだけだと、N数(絶対数)が足りなすぎて正確な傾向が掴めない可能性があるので、そのバランスを取ったつもりです。
馬場状態 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
全 | 603- 538- 478-3296/4915 | 12.3% | 23.2% | 32.9% | 79 | 80 |
ご覧のように、高い勝率と複勝率となっておりますね。
勝率12%、複勝率33%というのは、ロードカナロアなどを輩出した、栗東の名門、安田隆行厩舎と同じ位の成績です。
やはり、トレセン並みの充実した施設を完備しているだけあって、さすがの好成績です。
では、NFしがらき上がりの出走馬を買えば、みんな儲かるのでしょうか?
先ほどの表を見てみますと、単勝回収率79%、複勝回収率80%と、平均より少し上かなといった感じですね。
やはりNF馬というだけで、過剰人気している背景はかなりあると思います。
では先ほどのデータを、芝とダートに分けてみましょう。
馬場状態 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝 | 462- 401- 356-2244/3463 | 13.3% | 24.9% | 35.2% | 86 | 82 |
ダート | 141- 137- 122-1050/1450 | 9.7% | 19.2% | 27.6% | 61 | 73 |
ご覧のように、優劣がしっかりと分かれました。
日本の競馬は、ダート路線が整備されてきたと言っても、やはり芝のレースが中心ですし、賞金も、芝のそれにダートは敵いません。
(例:いずれもG3レースですが、エプソムカップ(芝)は、1着賞金4100万円ですが、平安ステークス(ダート)は、1着賞金3600万円)
言ってみれば、ノーザンファームは、金の猛者です。
ですのでNF馬は、血統配合も育成も、全ては芝のクラシック・ディスタンスを勝てるようにという、揺るがないコンセプトがあります。
逆に言うと、芝を走れなくなった馬は、もうそこでゲームオーバーというか、予選落ちというか、そんな感じがあるのかも。
何しろ巨大勢力ですから、そういうドライな所も持っていないと、生産馬はたくさんいる訳ですから。
とにかく、NF馬は芝で圧倒的な成績を誇る一方、ダートでは狙いを立てない方がベターです。
続いて、NFしがらき上がりの芝馬の、距離別成績を見てみましょう。
距離 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|
1000m~1300m | 10.2% | 18.2% | 25.3% | 96 | 77 |
1400m~1600m | 11.8% | 22.7% | 32.3% | 65 | 73 |
1700m~2000m | 14.6% | 27.0% | 38.0% | 99 | 87 |
2100m~2400m | 16.8% | 30.2% | 42.6% | 100 | 94 |
2500m~ | 13.2% | 24.3% | 35.3% | 47 | 92 |
やはり前述した理由から、短距離~マイルまでの成績が悪いです。
同じG1レースですが、スプリンターズSは1着賞金11000万ですが、一方、新設G1の大阪杯(2000m)ですが、1着賞金は12000万あります。
NFしがらき上がりの馬を狙う場合は、芝馬の1800m~2400mまでを狙うのが良いでしょう。
NF馬の育成のコンセプトは、そこの部分を勝てる馬を作ることなのですから、逆に言うと、そこに出てきた馬に逆らっても、返り討ちに遭うのは目に見えて明らかです。
どうか参考にして下さい。
ありがとうございました。