『どこの外厩?は新馬戦予想の上で重要な指標』高橋広治

 

こんにちは、高橋広治です。

 

よろしくお願いいたします。

 

外厩情報を中心に、競馬をいろいろな角度から分析し、

あなたの収支に役立つ情報を提供しております。

 

前回まで、預託馬数の多い主要外厩を一通り紹介してきました。

 

これまで紹介した他にもまだまだたくさんの外厩がありますが、今回からは外厩調整した馬を見極め、馬券力アップに繋がる情報を提供していければと思っております。

 

外厩の効果が最大限に発揮されるのが、新馬戦だといって良いでしょう。

 

何しろデビュー前の若駒達は、所属のトレセンに15日前に入厩されるまで、外厩でみっちりとトレーニングされている訳ですからね。

 

新馬戦の成績が良い外厩は、しっかりと競走能力を底上げできている、トレーニング施設に優れた、また精鋭揃いのスタッフに恵まれた外厩だと判断できるでしょう。

 

前走成績が無い新馬戦は、データ派の競馬ファンにとってはスルーしやすい舞台です。

 

しかし血統、調教時計、馬格などと並んで、どこの外厩で調整されてきたか?というのを把握する事で、指標の少ない新馬戦においては予想において1歩も2歩も先んじる事ができるのではないでしょうか?

 

では新馬戦の外厩別成績を見てみる事にしましょう。

 

傾向をハッキリさせるために芝とダートで分けます。

 

今回は芝編。

 

外厩 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
22.0% 36.5% 49.0% 103 91
21.3% 36.3% 50.5% 121 100
9.2% 19.2% 28.8% 50 71
7.0% 13.8% 19.9% 116 75
7.8% 18.0% 27.3% 39 74
7.5% 20.0% 30.4% 30 80
KS 2.2% 5.2% 9.2% 12 57
5.8% 12.3% 15.2% 80 57
9.4% 18.1% 24.4% 92 57
5.8% 7.2% 10.1% 68 23
6.8% 18.2% 27.3% 15 59
0.0% 5.6% 11.1% 0 17
16.7% 20.8% 41.7% 132 240
4.1% 13.7% 16.4% 35 86
24.6% 39.1% 52.2% 417 152
NF 16.2% 37.8% 44.6% 71 71
4.2% 7.4% 10.5% 45 72
EA 9.3% 17.3% 26.7% 58 72
4.7% 11.6% 27.9% 49 183
(他) 4.2% 9.4% 15.5% 54 63

 

注:(し)ノーザンファームしがらき(天)ノーザンファーム天栄
(グ)グリーンウッド(宇)宇治田原優駿ステーブル
(山)山元トレーニングセンター(吉)吉澤ステーブルWEST
(KS)KSトレーニングセンター(松)松風馬事センター
(大)大山ヒルズ(信)信楽牧場(ヒ)ヒイラギawaji
(ミ)ミッドウェイファーム(ブ)ブルーステーブル
(チ)チャンピオンズF淡路(小)小野瀬F
(空)ノーザンファーム空港(NF)ノーザンファーム
(阿)阿見トレーニングセンター(EA)吉澤ステーブルEAST

 

いかがでしょう?

 

まず何と言っても目に付くのは、ノーザンファーム系外厩の恐るべき強さ。

 

しがらき、天栄、空港の3外厩に至っては、勝率20%をゆうに超え、複勝率も50%前後と評判通りの走り!

 

しかも単勝回収値も100超えで文句のつけようがありません。

 

NF本場の成績だけが見劣りするのが気がかりですが、生産がメインの本場に比べて生産をしていない空港は育成、調教に特化した外厩。

 

空港のハード面の充実度は本場の比ではないので、この差になっているのだと分析します。

 

一方、社台系の山元、グリーンウッドはNF系に比べて大きく水を開けられております。

 

それぞれの項でも紹介しましたが、これは馬に向き合うスタイルの違いが端的に表されているのではないでしょうか?

 

仔馬のときからNFイヤリングで英才教育を施し、1歳冬にはNF本場か空港に移動し来る日も来る日もトレーニングに明け暮れ、入厩前にしがらきか天栄に移って最後の仕上げをし、準備万端でデビュー戦に備える。

 

またデビュー前からクラシック戦線を意識した、ゆとりのあるローテーションで戦うために、新馬戦に対しても勝利させるために全力投球させるノーザンファーム。

 

負けるとその時点でローテーションに狂いが生じる訳ですから、他馬がまだ能力発展途上の新馬戦を落とす訳にはいきません。

 

対して社台系は、仔馬のときに過度なトレーニングはせず、馬の成長に合わせたトレーニングをして馬本位の生き方を追求する考え方。

 

ノーザンの方が肌馬が良いとか種馬が良いとかはもちろんありますが、この対極な馬への向き合い方が、新馬戦の極端な数字となって出ているのです。

 

何だか私立と公立の違いみたいですね。

 

もちろんノーザンファームが私立、社台ファームが公立。

 

いわばノーザン学校という、小中高一貫教育の名門私立。

 

充実した設備で、毎日勉強(トレーニング)に明け暮れているから、偏差値(競走能力)が上がる。

 

ですので、G1という難関大学にも手が届いてしまうのですね。

 

対して、社台はのびのび、公立で過ごす。

 

勉強はあんまりしないので難関大学に進むのは至難の業ですが、その分、子供らしく(馬らしく)、校庭で(牧場で)はしゃぎ回る。

 

どちらが良いというのは論点ではありませんが、私は小中高ずっと公立でした。

 

またいつもの脱線癖が出まして申し訳ありません。

 

本題に戻します。

 

その他では、好走率は低いですが宇治田原Sの単勝回収値が素晴らしい。

 

単勝30倍、40倍の穴馬がしばしば激走しております。

 

預託馬はほぼ日高・浦河の馬ですので、宇治田原Sの充実な設備、優秀なスタッフの努力の賜物と言えるでしょう。

 

外厩で芝の新馬戦を占うときは、ノーザンファームの他に、宇治田原Sにもぜひ注目しておいて下さい。

 

今回の記事は以上です。

 

ぜひ参考にしてください。

 

ありがとうございました。

 

 

投稿者プロフィール

高橋 広治
高橋 広治
データを駆使した戦略競馬の賢才
人と違う視点や切り口で競馬を分析することに長けている頭脳派。データ分析ソフト『TARGET』を使いこなして、周りがアッと驚く馬券術を生み出す。そのレベルは折り紙付きだ。