『3連勝でG1制覇のジュンライトボルトから学ぶ!』田中洋平

 

2022年のチャンピオンズカップは、

石川裕紀人騎手が騎乗するジュンライトボルトが勝利!

 

今年のG1はコロナ明けで来日した外国人騎手と、

JRAの若手騎手の活躍が目立ちますね。

 

高松宮記念 ナランフレグ(丸田恭介36歳)

天皇賞春 タイトルホルダー(横山和生29歳)

宝塚記念 タイトルホルダー(横山和生29歳)

スプリンターズS ジャンダルム(荻野極25歳)

秋華賞 スタニングローズ(坂井瑠星25歳)

チャンピオンズC ジュンライトボルト(石川裕紀人27歳)

 

高松宮記念の丸田恭介騎手は、

若手というより、もう中堅なんでしょうけど、

G1初勝利なので入れてみました。

 

それにしても20代の若手騎手が、

こんなにもG1を勝っているのは、近年なかったように思います。

 

ルメール、デムーロ、川田将雅、福永祐一、松山弘平、吉田隼人、

このあたりの騎手が、最近はG1を独占していた印象。

 

昨年は23歳の横山武史騎手が覚醒して

G1を5勝したのもありますし、

いよいよ世代交代の時期が来ているのかもしれませんね。

 

さて、チャンピオンズカップを制したジュンライトボルトは、

オープンクラスに上がるまで、芝のレースだけを使われていました。

 

朝日杯フューチュリティ―Sで6着、

アーリントンCで6着と、芝でそれなりに走っていた馬。

 

しかし古馬のオープンクラスになると、

関越S6着、ポートアイランドS11着、キャピタルS7着と、

やや頭打ちに。

 

そこでダートに目先を変えて、ジュライSでいきなり2着。

 

レースでの鼻出血もあったようで、

速いタイムの芝よりも、負担を減らすためにダートに挑戦したらしい。

 

その後は、ダートのBSN賞1着、

シリウスS1着、そしてチャンピオンズCを勝利と、

とんとん拍子の3連勝でダート王になったというわけです。

 

ほんと馬の適性って、分からないものですね。

 

芝でそこそこ走れていたから、

ダートへの挑戦が後回しになったんでしょうし、

もっと若いころに芝で大敗していたら、また運命も違っていたのかもしれません。

 

まーこれはタラレバの話なので、

実際はズバッと適性を見抜くのは、なかなか難しいでしょう。

 

今回、ジュンライトボルトは3連勝で、

G1制覇を成し遂げましたが、ダートは基本的に連勝は難しいと言われています。

 

その理由は、クラスの壁が厚いから。

 

◆芝の昇級戦

勝率13% 連対率24% 複勝率34%

単勝回収率84% 複勝回収率83%

 

◆ダートの昇級戦

勝率9% 連対率17% 複勝率25%

単勝回収率61% 複勝回収率70%

 

芝昇級戦の平均着順が6.1着なのに対して、

ダート昇級戦の平均着順は7.2着と、苦戦する傾向です。

 

ダート昇級戦の単勝回収率が、

平均を大きく下回っているのも、人気を裏切っている証拠。

 

オープンクラスになると別ですが、

基本はレースで勝利すると、

次は上のクラスで戦わないといけないので、

この「クラスの壁」がダート馬の連勝を阻んでいるわけです。

 

では次にそのダート昇級戦を勝利した馬の成績を見てみましょう。

 

勝利 → 昇級戦を勝利 → 昇級戦

 

つまり3連勝目をかけたレースでの成績です↓

 

◆ダートの昇級戦

勝率13% 連対率22% 複勝率29%

単勝回収率43% 複勝回収率57%

 

かなりキツイ回収率になりましたね。

 

ダートで3連勝できる馬はけっこうマレで、

人気になって飛んでいることが、回収率の低さから分かります。

 

たまに無類の強さで3連勝する馬もいますが、

ほとんどの馬は、2連勝でストップするということ。

 

ついでなので、

4連勝をかけたレースでの成績も見てみましょう。

 

◆ダートの昇級戦

勝率12% 連対率18% 複勝率33%

単勝回収率23% 複勝回収率55%

 

単勝回収率がヤバいですね。

 

もう訳がわからないという人のために解説すると↓

 

勝利 → 昇級戦を勝利 → 昇級戦を勝利 → 昇級戦

 

このように昇級戦をクリアして、

3連勝した馬が、次の昇級戦でどれくらい走れるのか?

 

ということを調べています。

 

ダートで2連勝した時点で、

「この馬スゲー!かなり強いんだろうな!」と感じても、

次走の単勝回収率が43%なので、買わないほうがオトク。

 

さらにダートを3連勝して、

「やばい!ダート界のニュースター誕生か?」と感じても、

次走の単勝回収率が23%なので、買わないほうがオトクなんですね。

 

1着が並んだ素晴らしい成績欄や、

持ち上げるメディアに惑わされないようにしましょう。

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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