『黒船襲来と恐れられたダーレージャパンの現在は?』田中洋平

 

世界のゴドルフィンが、いよいよ日本に上陸する。

 

日本競馬界の勢力地図が、一気に変わる可能性があるぞ!

 

私がまだBARを経営していた頃、

飲みに来たお客さんと間で、よく話題になりました。

 

ゴドルフィンとは、

UAE、ドバイの王族が運営する競走馬管理団体。

 

調べてみると、

イギリスのチャンピオンオーナーに10回以上も輝いていて、

世界中のG1勝利は300オーバーらしいです。

 

このゴドルフィンの馬産を担っているのが、

ダーレージャパンという組織ですね。

 

混乱している人もいるかもしれませんが、

ゴドルフィンとダーレーは同じです。

 

さて、黒船襲来で日本競馬界が駆逐されるとウワサされていましたが、

フタを開けてみると、社台グループの牙城を崩すのは難しかった。

 

という印象を私は持っています。

 

実際、ゴドルフィンも初めの頃は、

クラシック路線を目指した馬作りをしていましたが、

いきなり社台グループには勝てないと判断。

 

徐々に社台グループが手薄な芝の短距離へ、

シフトチェンジ。

 

その集大成が2018年のスプリンターズSと、

高松宮記念を制したファインニードルではないでしょうか。

 

そこでふと、

最近のゴドルフィンってどうなんだろう?

と思って調べてみました。

 

 

勝率や複勝率を見比べてみると、

短距離でも長距離でも、それほど大きな違いがありません。

 

以前よりも日本の馬場にフィットしたのか。

 

それよりもゴドルフィンと言えば短距離戦、

というイメージが強いのか、

芝、ダートともに短距離戦の単勝回収率の低さが気になります。

 

詳しく調べてみると、

芝、ダートともに1~2番人気の成績は優秀。

 

◆1番人気

勝率34% 連対率50% 複勝率64%

単勝回収率88% 複勝回収率88%

 

◆2番人気

勝率23% 連対率35% 複勝率52%

単勝回収率102% 複勝回収率84%

 

このように平均成績以上ですし、回収率もいいですね。

 

しかし短距離戦で3番人気以下の成績はこうなります。

 

◆3番人気以下

勝率4% 連対率10% 複勝率16%

単勝回収率30% 複勝回収率53%

 

ボロボロですね。

 

うーん、はっきりとした理由は分かりません。

 

しかし考えられるのは、

ゴドルフィンの馬も、まずはクラシックを目指す。

 

そこで通用しない馬が、短距離戦に回ってくる。

 

短距離戦で通用しそうな馬は人気になって好成績だが、

それ以外の馬は、基本的な性能が低いのでボロボロの成績。

 

という感じなのかもしれません。

 

そしてやはり注目したのが、

1700~2400mの中距離戦の成績。

 

◆芝

勝率11% 連対率19% 複勝率29%

単勝回収率93% 複勝回収率87%

 

◆ダート

勝率11% 連対率20% 複勝率29%

単勝回収率138% 複勝回収率89%

 

この距離でまだG1勝ちはないですが、

徐々に日本の馬場にフィットしている可能性がありますね。

 

実際に近年では、

下記の重賞をゴドルフィンの馬が勝利しています。

 

アフリカンゴールド 京都記念(G2) 

テリトーリアル 小倉記念(G3)

サマーセント マーメイドS(G3)

ダーリントンホール 共同通信杯(G3)

 

クラシックに関係しそうなレースは共同通信杯だけですが、

これから徐々に勝ち馬が増えてきそうな気がします。

 

ゴドルフィンはもうすっかり日本に馴染んだ感じなので、

黒船感はありませんが、

社台グループとクラシックを争うまでに成長して欲しいですね。

 

楽しみです。

 

 

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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