『ミホ分場と太いパイプの、あの調教師』高橋広治

 

こんにちは、高橋広治です。

 

よろしくお願いいたします。

 

外厩のことを中心に、競馬をいろいろな角度から分析し、

あなたにも役立つ情報を提供しております。

 

 

今回は、美浦トレセンから目と鼻の先にあります、ミホ分場について書いていこうと思います。

 

 

その名の通り美浦トレセンの弟分のような施設で、トレセンから車で10分の所にあるため、美浦トレセンから調教師や騎手が訪れることも多く、トレセンとの連携がとても親密になっている外厩と言えます。

 

他の外厩施設と比べて大きく異なる点は、ミホ分場ではトレーニングをして馬の能力を底上げする施設というよりは、心身のケア、コンディション作りに重点を置いた施設だと言うこと。

 

設備も、600mの馬場とウォーキングマシンしか無く、もちろん坂路はありません。

 

まあ、目と鼻の先に巨大トレセンがあるので、もし馬に負荷を掛けたければそちらへ行けば良いのですが。

 

また逆に、馬のお家と言うべき馬房はトレセンより広く、開放的に作られているそうです。

 

馬にとって、心も体もリフレッシュできる、気配りの利いた設備だと言うことが言えるでしょう。

 

 

このミホ分場に関わりの深い調教師が、藤沢和雄調教師です。

 

リーディングトレーナーに幾度となく輝き、2017年にはレイデネロでダービートレーナーの仲間入りを果たしている、言わずと知れた関東を代表する名伯楽。

 

この藤沢調教師、ひと言で言えば、「超馬優先主義」。

 

調教はいつも「馬なり」、速い時計はめったに出さない、馬に負荷をかける遠征や長距離輸送をできる限り避ける、レース間隔を詰めて使わない、長距離レースはまず使わないなど、馬に対する愛情は過保護とも言って言いほど、その馬優先の姿勢は存分に表れております。

 

ただ、全く体を動かさないかと言えばそうではなく、基本的な乗り運動、キャンターは欠かさず行いますから、過度なトレーニングをすることなく運動能力を維持したり、ケガ防止に一役買っているのです。

 

野球で言えばピッチャーは、肩や肘は消耗品なので投げ込みはできるだけ控え、時間の許す限り走り込みで鍛える、という考え方と酷似してますね。

 

ですから馬主の立場としては、安心して強い馬を預けることができますから、藤沢厩舎の預託馬も高いレベルで安定するので、何年もリーディング上位をキープできるのでしょう。

 

その藤沢厩舎の意向が存分に活かされた外厩施設が、ミホ分場だというのは、この記事を真剣に読んできたあなたなら、もうお分かりのはず。

 

トレーニング設備は最小限に留め、馬房は広くして馬優先の施設に仕上げる。

 

小規模ですが、なんて素敵な施設なのでしょう。

 

 

ミホ分場に預託する調教師は、藤沢厩舎以外にも、弟子の黒岩陽一調教師、また今飛ぶ鳥を落とす勢いの木村哲也調教師、それに栗田徹調教師、高柳瑞樹調教師と言った若手調教師の管理馬も、ミホ分場を利用しております。

 

そんなミホ分場上がりの馬の成績はコチラ。

 

外厩 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
ミホ 13.8% 23.1% 28.4% 72 64

 

規模が小さく預託馬数も少ないですが、かなり高い確率で好走している事が分かります。

 

特に勝率は、あのしがらき、天栄を凌ぐほどであり、お見事という他ありません。

 

ただ、藤沢厩舎中心ですので、人気も過剰気味なのは致し方ないところですかね。

 

では、ミホ分場上がりの馬をローテーション別に見たらどうでしょう?

 

 

間隔 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
5~ 9週 15.8% 25.0% 31.6% 78 67
10~25週 14.9% 24.5% 27.7% 104 71
半年以上 5.3% 10.5% 15.8% 20 26

 

 

いかがでしょう?

 

休み明けというだけで敬遠される分、10週~25週間隔を開けた馬の回収値が高いですね。

 

しっかりとリフレッシュさせた馬が結果を出すと言うことは、ミホ分場のコンセプトとも合致した、再現性の高いデータとも言えそうです。

 

小規模だと馬鹿にせず、休養明けのミホ分場上がりの馬を見かけたら、積極的に馬券に取り入れましょう。

 

今回の記事は以上です。

 

どうぞ馬券力アップの参考にして下さい。

 

ありがとうございました。

 

投稿者プロフィール

高橋 広治
高橋 広治
データを駆使した戦略競馬の賢才
人と違う視点や切り口で競馬を分析することに長けている頭脳派。データ分析ソフト『TARGET』を使いこなして、周りがアッと驚く馬券術を生み出す。そのレベルは折り紙付きだ。