『馬質が悪いだけで実は騎乗技術の高い騎手とは?』田中洋平
先週日曜日の新潟4レース未勝利戦、
1番人気に推されていたカレンチャンキーが逃げて快勝。
そのカレンチャンキーに騎乗していた秋山真一郎騎手ですが、
すでに44歳とすっかりベテラン。
同期は武士沢友治騎手、勝浦正樹騎手、松田大作騎手と地味ですが、
競争の激しい騎手業界の中で、しっかり生き残っている世代ですね。
秋山真一郎騎手と言えば、
ライアン・ムーア騎手に「武豊騎手の次に上手い」と
評価された騎手。
最近の成績はどうなのかな?と、
TARGETで調べてみました。
◆2023年
勝率6% 連対率15% 複勝率20%
単勝回収率34% 複勝回収率74%
うーん、いまいち。
単勝回収率34%は、さすがに人気を裏切り過ぎ…
と思ったのですが、違いました。
秋山真一郎騎手が1~5番人気の馬に騎乗すると、
下記の成績になります。
勝率22% 連対率44% 複勝率53%
単勝回収率136% 複勝回収率95%
おぉ!
さすがはムーアから高評価の騎手!
上位人気に推されるような能力の高い馬に乗れば、
しっかり結果を出していますね。
単勝回収率が100%を超えているということは、
人気順位とオッズ以上に勝たせているという証拠。
秋山真一郎騎手の単勝回収率が34%なのは、
人気のない馬に乗っていることが多いからなんですね。
こんなタイプの騎手が、他にもいるんじゃないか?
と思って調べてみたら結構いました。
◆2023年
国分恭介 180%
水沼元輝 170%
宮崎北斗 165%
川島信二 152%
酒井学 148%
荻野琢真 138%
河原田菜 137%
秋山真一 136%
鷲頭虎太 132%
野中悠太 131%
浜中俊 128%
松田大作 124%
2023年で1~5番人気に騎乗、
さらに1~5番人気への騎乗機会が
10回以上の騎手に限定しています。
やはりリーディング上位の騎手が1~5番人気の馬に乗ると、
馬の能力以上に売れてしまって過剰人気になる。
過剰人気になると、単勝回収率は伸びない。
ということで、
リーディング下位の騎手の方が、回収率が高くなりやすい。
という感じでしょうか。
そんな中、現時点で30勝、
リーディング21位の浜中俊騎手は素晴らしい。
1~5番人気の馬に127回も乗って、
この回収率ですから、かなり安定感がありますね。
一時期はリーディングのトップ5に入る活躍をしていた騎手ですが、
最近は少し鳴りを潜めている印象の浜中俊騎手。
上位人気でしっかり結果を出しているということは、
陣営の期待に応えている証拠ですから、
ここからもっと馬質が良くなっていく可能性があります。
またリーディング上位に返り咲き、
そしてG1制覇もあるかもしれません。
あと注目したいのは、
若手の鷲頭虎太騎手と、河原田菜々騎手。
鷲頭虎太騎手は、
同期に今年ブレイクした佐々木大輔騎手、
そして角田大河騎手、今村聖奈騎手がいるので、
あまり目立たない存在ですが逆転のチャンスはありそう。
河原田菜々騎手は女性なので、
良くも悪くも注目されやすいですが、
上位人気馬でしっかり結果を残していますからね。
この先、馬質が良くなりそうな気配。
この2人の成長を、注目してみたいと思います。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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