『ルメール騎手はスゴイ!と分かる好騎乗をウォッチ』田中洋平
2017年の秋華賞は、ルメール騎手のディアドラが制しましたね。
それも初騎乗で結果を出すのですから、スゴイの一言。
もちろん同じハービンジャー産駒、
モズカッチャンが3着しているので、
血統と重馬場の合致が、
ディアドラの戴冠に味方したとも言えますが、
今回はルメール騎手の好騎乗ぶりをウォッチしたいと思います。
まず比較対象とする馬は、8枠17番のポールヴァンドル。
ディアドラは7枠14番なので、枠順にそれほど大きな差はありません。
ではディアドラとポールヴァンドルの能力差についてですが、
前走の紫苑Sでは、
1着 ディアドラ(上がり3ハロン33秒8)
3着 ポールヴァンドル(上がり3ハロン33秒7)
この2頭はハナ差で、着差は0.0秒。
ポールヴァンドルが上手く立ち回ったのに対して、
ディアドラは大外を回したので、
その分はディアドラが少し上だと思いますが、ほぼ互角でしょう。
紫苑Sのゴール前の画像で差を確認↓
では続いて、秋華賞のこの2頭の動きを見てみましょう。
まずは向こう正面↓
ディアドラがポールヴァンドルの左斜め後ろというポジション。
次に3コーナー入り口↓
内側が空いているので、ルメール騎手は内側に寄っていきます。
4コーナーではほぼ同じ位置↓
そしてここが運命の分かれ道↓
ディアドラはイン、ポールヴァンドルは外へ。
しかし直線に向いたら↓
こんなにも差が開いています。
インに入るとドン詰まりになるリスクがありますが、
上手くさばく事ができれば、これだけの差が生まれます。
『やっぱり上手いなと感じたのはどの騎手でしょう?』の記事で、
田辺騎手のインからアウトへの好騎乗を書きましたが、
今回はその逆ですね。
馬場が悪いので、みんな外に出すと読んで、
ルメール騎手はインを選択したのか?
これは本人に聞いてみないと分からないですが、
このコース取りの判断が、
ディアドラを勝利に導いたことは間違いないでしょう。
田辺騎手のときと同様、
やはり勝負どころで素早く動ける人間は、結果を出しますね。
良いお手本になるでしょうから、
若手騎手もどんどんマネして欲しいですね。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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