『騎手と馬の相性がとても大切なケースとは?』田中洋平
『馬券術作りの基礎から見直そう』という記事で、
馬券術はアイデアからスタートする!という話をしました。
今回はその応用編です。
軽くおさらいすると、
アイデアはレースを観ていてハッと気付いたり、
競馬雑誌や書籍を読んで、
他人の考えに触れたときに思い付きます。
例えば、障害レースをボーッと見てるときに、
障害レースって飛ぶから、
瞬発力のあるディープ産駒は有利なんじゃないか?
それか、根性のあるステイゴールド産駒の方が、
気合いで飛越しそうだな。
さすがに筋肉ムキムキのダイワメジャー産駒は、
障害レースはキツイか?
というような思い付きです。
あとはこれをTARGETで調べてみる、
という流れでしたね。
結果は↓
障害レースの場合は、
ステイゴールド 〇
ディープインパクト △
ダイワメジャー ×
となります。
2015~2017年の期間だと、
勝率18% 連対率30% 複勝率41%
単勝回収率161% 複勝回収率142%
障害戦でのステイゴールド産駒の成績は
このようになります。
いい感じですね。
ではここから、
馬券術作りに大切なもうひとつの要素、
絞込みを勉強していきましょう。
先ほどの障害戦×ステゴ産駒を、
絞込みを使って、
もっと回収率アップさせようと試してみます。
TARGETで前走の着順別成績を見てみると、
前走3~4着の回収率が落ち込んでいることが
分かりました。
そこで前走3~4着を除いて、
前走1~2着&5~18着の馬だけを
抜き出してみましょう。
勝率18% 連対率28% 複勝率37%
単勝回収率179% 複勝回収率150%
やりました!
回収率がアップしましたね。
ですが!
この絞込みは大間違いです。
それも馬券術作成で一番多い間違いです。
本当に多くの人が間違うので、
自分のことと思って聞いてくださいね。
まず3~4着を除いた正当な理由が見当たりません。
障害戦で前走3~4着だった馬が、
今走で何か不利を受ける理由もないですよね。
理由は回収率が悪いというだけです。
これは回収率の良いとこを抜き出していく最悪な手法で、
とにかく回収率がアップすればOKというもの。
かなり再現性に乏しいので、
私のクライアントは、この手法を絶対禁止にしています。
では次は騎手の乗り替わりを見てみましょう。
・乗り替わり
勝率7% 連対率14% 複勝率18%
単勝回収率23% 複勝回収率139%
・同騎手
勝率24% 連対率39% 複勝率54%
単勝回収率236% 複勝回収率144%
このような結果となりました。
障害戦というのは、
人馬一体で障害物を飛越するレースなので、
コンビの相性がとても大切です。
だから前走から乗り替わった場合より、
前走と同じ騎手の方が、
成績と回収率が良くなるのは必然ですよね。
あなたは、
「障害戦は前走3~4着の回収率が悪いからダメだ!」
というAさんからの助言と、
「障害戦は人馬一体だから乗り替わりはダメだ!」
というBさんからの助言、
どちらに信憑性を感じるでしょうか?
当然、Bさんからの助言ではないかと思います。
そこには納得のいく理由があるからですよね。
人間は納得できないと信用できない生き物なのです。
もうお分かりだと思いますが、
絞込みにはこの「納得のいく理由」が必要です。
回収率の良いとこ取りは、
再現しない劣悪馬券術を作ってしまいます。
絶対にダメなので、注意してくださいね。
おもしろいアイデアと、
理由のある正しい絞込み、
この2つが揃えば、素晴らしい馬券術になります。
正しい馬券術研究をやっていきましょう。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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