『前走競走中止だった馬は消し?それとも買い?』田中洋平
2020年4月18日(土曜日)の中山メインレース、
第22回中山グランドジャンプは、
オジュウチョウサンが史上初の同一G1・5連覇の偉業を達成。
また障害の重賞レース、13連勝を決めました。
まさに怪物ですね。
そんなオジュウチョウサンが、
平地の重賞制覇に挑戦している時に、
障害重賞レースで頭角を現したのがシングンマイケル。
2019年の最優秀障害馬に選ばれた馬ですが、
一昨日の中山グランドジャンプの最終障害で転倒して競走中止に。
レース後の診断は頚椎関節脱臼だそうです。
VTRを見返すと、
障害を飛んで着地するときに顔から地面に落ちている感じ。
飛んだ時に力が入って、
ブチっとなってしまったのかもしれませんね。
ご冥福をお祈りします。
障害レースというのは、
飛越の際の落馬などで、競走中止になる馬が絶えないレース。
その競走中止になった馬の次走成績はどうなのか?
買えるのか?
それとも買えないのか?を調べてみたいと思います。
期間 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017~2020 | 2- 6- 10-109/127 | 1.6% | 6.3% | 14.2% | 5 | 47 |
ザックリとしたデータですが、
過去3年くらいでこの成績です。
障害レースで競走中止になった馬は、次走は買えない。
あっさり結論が出ました。
ではこんなケースはどうでしょう?
前走人気サイドに推されていたけど、不運にも競走中止になった。
馬の実力はあるから、今回は巻き返せるのでは?
というパターンですね。
前走1~5番人気で、競走中止になった馬の成績も見てみましょう。
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1~5番人気 | 2- 5- 4-41/52 | 3.8% | 13.5% | 21.2% | 12 | 58 |
さっきより少しはマシになりましたが、やはり買えないレベルです。
障害レースで前走競走中止の馬を見かけたら、
今回は遠慮してください、という感じでOK。
もし馬券に絡まれたら、それは事故だと思ってあきらめましょう。
と、ここで終わりでは面白くない。
ですよね?
競走中止になった馬の買えるポイントが、どこかにないのか?
安心してください、あります。
それはズバリ!
芝、ダートで競走中止になった馬の次走。
期間 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017~2020 | 13- 3- 12-222/250 | 5.2% | 6.4% | 11.2% | 50 | 63 |
このように普通の状態では、あまり成績がよくありません。
そこで前走1~5番人気の馬に注目します。
障害レースのときと同じように、
前走は人気に推されていたけど、運悪く競走中止になってしまった。
そんな馬が今回巻き返しを見せます。
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1~5番人気 | 11- 1- 6-64/82 | 13.4% | 14.6% | 22.0% | 104 | 68 |
ここからさらに、
今回も1~5番人気に推されている馬を抜き出すと↓
今回人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1~5番人気 | 9- 1- 4-28/42 | 21.4% | 23.8% | 33.3% | 127 | 81 |
前走で競走中止なっている馬は、
どうしても見栄えが悪いので人気を落とす傾向にあります。
それなのに今回も人気サイドに推されている。
ということは、
調教で好時計をマークするなどの強調材料があるのでしょう。
だから今回1~5番人気に推されている馬だけに限定すると、
成績と回収率がダブルアップするわけです。
前走1~5番人気で競走中止、
でも今回1~5番人気に推されている馬。
これが狙う目安です。
ではまとめましょう。
前走、競走中止している馬は、障害レースでは消し。
平地のレースでは人気に推されているか?を吟味して、
いい感じであれば買い。
前走、今走とも人気がないなら、バッサリ消しで良いでしょう。
レアケースではありますが、迷った時の取捨選択に使えると思います。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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