『未勝利を圧勝している馬はどれくらい信用できるのか?』田中洋平
2020年8月22日(土)の札幌9レース、
1番人気はタマモパッションで、単勝オッズは1.9倍。
このレースは1勝クラスで、
タマモパッションは前走で未勝利を勝ち上がった昇級初戦の馬でした。
なぜこんなに支持を集めたかと言うと、
前走の未勝利戦で2着馬に1.7秒差をつける大差勝ちだったから。
このレースをグリーンチャンネルで見てて思ったのが、
もう弱い馬しか残っていない今時期の未勝利戦を圧勝したからと言って、
タマモパッションは強いと言えるのか?
ということ。
ご存じだと思いますが、
未勝利戦は2歳7月からスタートして、3歳8月ごろに終了。
強い馬がどんどん勝ち抜けていくので、
3歳後半になるとパッとしない馬ばかりが残る。
これが未勝利戦の特徴です。
では話をタマモパッションに戻しますが、
2着馬に1.7秒差をつける大差勝ちを演じたのは8月1日の未勝利戦。
もう後半も後半の未勝利戦ですね。
実際、タマモパッションのデビューからの成績は、
3,10,8,7,4,5,3,5,1着と、苦節9戦目での勝利。
前走の圧勝はたまたま条件がハマっただけで、
馬自体はそんなに強くないハズ。
こんな穿った考え方をすることもできます。
では結果を見てみましょう。
1着 ペルルドール
2着 タマモパッション(0.4秒差)
3着 マジックリアリズム(0.5秒差)
注目の1番人気のタマモパッションは2着。
ここは大敗もあるか?と思っていましたが、善戦しましたね。
そして勝利したペルルドールは、
4月25日の未勝利戦で2着馬に2.1秒差をつけて大差勝ちしていた馬。
しかし前走の昇級初戦で、
単勝1.8倍の断トツ人気に推されるも10着に敗れていました。
まさに人気を吸って大敗してくれるボーナスレース!
前走の大敗を除けば、
タマモパッションと似たようなパターンだったことが分かります。
前走の着順で人気が作られることが多いので、
ペルルドールのような、前々走で好走、前走大敗の馬は期待値が高い。
と言えるでしょう。
2走前を評価する馬券術は、勝ち組への近道かもしれません。
では話を本題に戻しますが、
未勝利戦を圧勝した時期によって、馬の強さが違うのか?
これをデータで検証したいと思います。
未勝利戦の開催時期は、以下の5パターン。
2歳・7-9月
2歳・10-12
3歳・1-3月
3歳・4-6月
3歳・7-9月
この時期の未勝利戦を2着馬に1秒差以上つけて
圧勝した馬の次走成績を比較してみたいと思います。
次走がオープンクラスを含む場合と、
1勝クラスのみだった場合とで分けてみました。
まず注目してもらいたいのが複勝率。
勝率は母数が少ないのでブレが生じていますが、
複勝率はそれなりの母数があるので、違いがしっかり出ています。
見ればわかる通り、早い時期の未勝利戦で圧勝した馬の方が、
明らかに次走でのパフォーマンスが高いですよね。
強い馬が集まっている時期の未勝利戦で圧勝できる馬は、
その後も強いということでしょう。
回収率もがっちりとプラスになっています。
反対に3歳の4月以降の未勝利戦で圧勝した馬は、過信は禁物。
単勝1倍台と人気を圧倒的に集めているようであれば、
まずは疑ってみて、逆張りをするのもオモシロいかもしれません。
このようにレースを観ていると、色々な気付きに出会います。
これをスルーするのではなく、
疑問点をTARGETで調べてみましょう。
この行動の蓄積が、
新しい攻略法発見への突破口になると私は考えています。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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