『2歳戦で馬体の大きい馬を買っていれば儲かった時代!』田中洋平
パソコンとTARGETが普及して、
データ競馬が一気に加速したのが、ここ10年くらい。
私が競馬雑誌デビューしたのが2009年4月号で、
この時はまだTARGETを使ってなかったです。
↑これが雑誌初掲載の表紙で、
競馬新聞の競馬ブックを使った馬券術を掲載してもらいました。
そして次に掲載してもらったのが、2010年4月号。
この時はすでにTARGETを使っていましたが、
まだコンピ指数を外部指数として、TARGETに取り込んでいない状態。
コンピ指数の有効な使い方の仮説を立てて、
それを手作業で集計するという、ムダな苦労をしていた時代です。
TARGET操作を勉強して、
さっさとコンピ指数を外部指数化してれば、もっと簡単だったのに。
と今なら思いますが、
当時は外部指数化のやり方が本当に分からなくて、挑戦してダメで放置。
1ヶ月後にまた挑戦するけど、やっぱりダメで放置。
こんな感じのことを繰り返していました。
水商売で酒ばかり飲んできた私の脳みそには、
TARGET操作のハードルは高かったのでしょう。
慣れてしまえば簡単なんですが、初心者のうちは難解に感じますよね。
まーそんなこんなで、
私は10年以上TARGETにお世話になっている訳ですが、
他の競馬ファンたちも、時を同じくしてTARGETにお世話になっている。
だから昔は通用したデータも、
使い人間が多くなれば優位性が無くなる。
どういうことかと言うと、
ここ数年、ランニング界を席巻してるナイキの厚底シューズ。
ヴェイパーフライネクストというシューズで、
お正月の箱根駅伝でも、
ほとんどのランナーが履いていることで注目されましたね。
仮の話ですが、このシューズを履くと、
他のランナーより30秒早く走れるようになったとする。
今まで勝てなかった選手にも勝てるようになった。
だとしても、その優位性は初めだけ。
全員がこのシューズを履くようになれば、
みんなが30秒早くなるだけなので、実力差は埋まらない。
これと同じで、
競馬のデータも注目する人が増えれば優位性が無くなる訳です。
その分かりやすい例が、
2歳で500kgを超えている馬のデータ。
基本的に競走馬は、馬体が大きい方が強い。
人間に例えると小学生くらいにあたる2歳なら、
すでに500kgを超える大型馬は、体格だけで勝てる。
私たちが小学生の時も、成長が早くて体格の大きいやつが強かった。
それが中学校、高校と成長期を迎えると、
ググっと成長して立場が逆転なんてことはよくあること。
競走馬もこれと同じですね。
では「2歳+500kg以上」の馬をデータをご覧ください。
まだデータ競馬がそこまで浸透していなかった2013年までは、
そのまま狙うだけでプラス回収になっています。
ところが2014年から、回収率がガクッと落ちる。
ここで注目して欲しいのが勝率、連対率、複勝率の成績面で、
2010~2013年までの成績と、それ以降の成績に大きな違いはない。
つまり「2歳+500kg以上の馬」の強さは変わってないけど、
みんなに強いことがバレてしまったので、それがオッズに反映されて妙味がダウン。
低回収率に繋がるという悪い流れです。
ところが2020年は、単勝がプラスに復活。
成績面は2019年とそれほど変わらないということは、
「2歳+500kg以上の馬」は、
買っても儲からないと考える人が多くなった。
そしてみんなの注目度が下がったので、
オッズが甘くなり妙味アップなのかもしれません。
このように注目度が下がれば、再び使えるようになるのもデータ競馬の特徴。
過去に儲かったデータを、
見直してみるのも面白いかと思います。
もちろん「2歳+500kg以上の馬」は
さすがに2020年の1年だけでは判断できないので、
ここ1~2年は動向をウォッチしましょう。
ちなみに「2歳+500kg以上の馬」の
キャリア別の成績は以下の通り。
初戦(キャリア0戦)は、
絞りきれていないデブ馬が紛れているのか、成績が落ちます。
しかしキャリア1~3戦目になると、
ひと叩きして体制が整った大型馬になるので強い。
続いて2歳でキャリア4戦目以降になると、
重賞レベルになって馬格が大きいという優位性が失われるのと、
馬格が大きくても能力が足りなくて未勝利を脱出できない馬が多くなる。
という理由で、成績が下降する。
そこで勝率が10%台に乗っている、
キャリア1~3戦の馬だけを抜き出してみると以下の通り。
勝率12% 連対率22% 複勝率31%
単勝回収率102% 複勝回収率84%
さらにここから単勝19.9倍以内の馬だけに限定して、
データのブレを小さくしてみます。
勝率20% 連対率36% 複勝率49%
単勝回収率101% 複勝回収率90%
先ほどに比べて単勝回収率は少し落ちましたが、
成績面が格段にアップしたと思います。
大穴の馬を買わないようにすることで、
的中の波を押さえてブレを少なくするという手法です。
ではこの状態で、年単位の成績をみてみましょう。
回収率がドーンッと下がっていた2014~2019年のゾーンも、
割といい感じなっていますね。
このように「元ネタ」はずっと通用するけど、
注目され過ぎて一時的に儲からなくなったデータ。
これを掘り起こしてみると、
新しい発見に出会えるかもしれません。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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