『キンカメ産駒の初戦取りこぼしはもはや伝統芸?』田中洋平

 

先週日曜日の東京5レース、

シルクレーシングのリアグラシアが新馬デビューしました。

 

リアグラシア?

 

という方のために簡単に説明すると、

母親はリアアントニアといって、アメリカのG1を1勝しています。

 

その他にもG1で2着が2回あるので、

それなりの能力レベルの馬なのは確かですね。

 

このリアアントニアが、

2014年に2億円くらいで落札されてノーザンファームに繁殖入り。

 

初仔のリアオリヴィア(父ディープインパクト)が、

シルクレーシングで7000万円で募集されたが、

結果は6戦0勝、3着が1回と未勝利を勝ち上がれずに引退。

 

そして続く第2仔は、リアアメリア。

 

この馬の名前は聞いたことがあるでしょう。

 

軽くジョギングしているような雰囲気で走っていた新馬戦で、

2着馬に8馬身差をつけての大楽勝。

 

翌年のオークスはこの馬で決まりか!と思ったくらいですが、

その後は伸び悩んで、阪神JF6着、桜花賞10着、

オークス4着、秋華賞13着という結果でした。

 

デビュー戦のインパクトが強烈だっただけに、

いつかは復活するのでは!という期待感の大きい馬でしたね。

 

そして第3仔は、冠名サトノの里見治氏に2億9000万円で落札されるも、

3歳夏の現時点でデビューしていない、ということは、

体質か気性面に問題があってダメだったのでしょう。

 

そして父親がキングカメハメハになって、

日曜日にデビューしたのが、第4仔のリアグラシアなのです。

 

母親が米G1馬で、すでに姉のリアアメリアが重賞を2勝している。

 

ということは、否が応でも新馬戦から注目される。

 

結局のところリアグラシアは、

単勝2.4倍の1番人気に推されるも、結果は0.1秒差の3着。

 

直線はジリジリしか伸びず、

反応が鈍かった印象もありますが、まー新馬ですからね。

 

0.1秒差の3着なら、良いのではないのかな。

 

などと私は思っていたのですが、

ネットの掲示板を見てみると酷評の嵐。

 

力負け、よわい、普通の馬、などなど。

 

姉であるリアアメリア級のハイパフォーマンを期待していた人が、

きっと多かったのでしょうね。

 

その反動で酷評の嵐になっている。

 

そんな酷評の中、

「キンカメ産駒の初戦取りこぼしはもはや伝統芸」

というコメントを見つけました。

 

んー、私はあんまりそんなイメージがないですけど、

実際どうなんでしょう?

 

ということで、調べてみました。

 

 

上記データの条件は以下の通り。

 

・期間は2016~2020年の5年分

・芝の新馬戦のみ

 

これで勝利数の多い種牡馬トップ10を抜き出しています。

 

ディープインパクト産駒の断トツにびっくりしますが、

それ以外は、まずまず横並びのような気もします。

 

暴君オルフェーヴルの産駒以外は。

 

ということで、

上位人気というファクターを加えてみます。

 

条件は以下の通り。

 

・期間は2016~2020年の5年分

・芝の新馬戦のみ

・1~3番人気の馬のみ

 

 

1~3番人気の馬だけに条件を限定しても、

優秀なのはやはりディープインパクト産駒。

 

そしてやはり期待を裏切るのは、暴君オルフェーヴルの産駒。

 

今をときめくエピファネイア産駒も優秀で、

ハービンジャー産駒も、それなりに検討している感じでしょうか。

 

でもそれ以外は、キングカメハメハ産駒も含めて、

相変わらずの横並び状態のような気がします。

 

「キンカメ産駒の初戦取りこぼしはもはや伝統芸」

というコメントは個人の見解であって、

データ面からみると、そこまで取りこぼしは起きていない。

 

これが答えでしょうか。

 

まーそれより、オルフェーヴル産駒が

期待や人気の通りに走らないことが、私の期待通りなので嬉しくなりますね。

 

あーゆー規格外でメチャクチャなヤツが私は好きなので、

子供からまた暴君が出現することを、密かに期待しています。

 

ちなみに、私はシルクレーシングの会員ですが、

リアアントニアは持っていませんよ。

 

ひいき目ではないので、あしからず。

 

まー実際に調べてみないと確かではないことが、

ネットの世界には溢れています。

 

次回から新馬のキンカメ産駒は軽視しよう!

などと不確かな情報を信じて馬券を買ってしまうと、

ハズレて痛い目にあうこともあるはず。

 

気を付けて、情報の選別をするようにしましょう。

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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