『性格に難がある馬にブリンカーを付けたらどうなる?』田中洋平
ブリンカーを付ける馬のイメージって、
私個人としては、あまり良くありません。
JRAのホームページにある競馬用語辞典をみると、
このように書いてあります。
「遮眼革」ともいい、
視界の一部を直接遮ることにより馬の意識を競走や調教に集中させ、
周囲からの影響に惑わされずに走らせるために用いられる。
つまり集中力のない馬が、レースに集中するために付ける馬具。
または気性の荒い馬が、他の馬を気にしないために付ける馬具。
ということは、
体力面ではなくて、性格面に問題がある馬が付ける馬具。
なんですよね。
人間も同じですが、
性格って簡単に変わらない気がするのは、私だけではないはず。
ブリンカーを付けたぐらいで、
サクッと性格が変わって、まじめに走れるようになれば苦労しない。
と思います。
ですが、
現実はちゃんと調べれば儲かるポイントがありました。
というのを、簡単に紹介したいと思います。
まず全体の成績です。
期間は約3年分。
勝率7% 連対率15% 複勝率22%
単勝回収率72% 複勝回収率73%
続いて前回ブリンカー非着用、
そして今回ブリンカーを着用した馬の成績。
勝率5% 連対率10% 複勝率16%
単勝回収率78% 複勝回収率77%
当たり前ですが、
性格に問題のある馬なので、普通の馬よりも好走率が落ちます。
では次に考えたいのが、
管理する調教師がなぜ今回ブリンカーを付けようと思ったのか?
それは前回のレースを内容をみて、
「こいつマジメに走ってねーな!」とか、
「うーん、けっこう怖がりなのか、ダメだな」と思った時でしょう。
ということで、
前走10着以下に敗れた馬だけ抜き出してみます。
勝率3% 連対率7% 複勝率11%
単勝回収率88% 複勝回収率78%
前走大敗している馬なので、
当然好走率は落ちますが、回収率は多少アップしました。
ここからさらに馬にショックを与える条件をプラスします。
それは距離の変更。
競走馬は前回走ったレースの距離を憶えていると、
よく言いますよね。
しかし前回より距離が短くなったり、
長くなったりすると、思わぬ激走をするのが距離変更の効果。
ということで、
前走から距離延長と距離短縮の馬だけを抜き出します。
勝率4% 連対率7% 複勝率11%
単勝回収率115% 複勝回収率83%
このように単勝回収率が100%を超えました。
前走でまじめに走らず10着に敗れた馬が、
今回ブリンカーを付けて、心機一転。
さらに距離変更のショックを加えることで、激走するわけです。
ここに普遍の法則である馬体重460kg以上の馬に絞り込むと、
勝率4% 連対率8% 複勝率12%
単勝回収率140% 複勝回収率90%
ここまでハネます。
いちおう普遍の法則を説明しておくと、
競走馬は馬体重が大きいほど、好走率がアップします。
馬体が大きいと、それだけ筋肉量も多くなりますし、
レース中のポジション取りでも、
馬体が大きい方が有利になることが理由だと思われます。
人間のスポーツも同じで、
ひょろひょろで体の小さい人は、スポーツに向いていないですからね。
性格に難がある馬でも、
ブリンカー効果で治るという事例でした。
参考になれば幸いです。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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