『大型馬の休み明けなので割り引きたいのは本当か?』田中洋平

グリーンチャンネルのパドック中継をみていると、

「大型馬の休み明けなので割り引きたい」

というようなコメントをよく耳にしますよね。

 

たぶんこれは、

大型馬は馬体が大きいために絞りづらく、

小型馬は馬体が小さいので仕上がりやすいという

イメージで語られているものだと思います。

 

このパドック解説者の見解は正しいのか?

 

今回は検証してみたいと思います。

 

まず大型馬ですが、

ここでは馬体重500kg以上とします。

 

次に休み明けについてですが、短期休養を10~25週とします。

 

ざっくり月単位に計算すると、3ヶ月~6ヶ月の休養ですね。

 

この程度の期間の休養は、

レース番組の関係や、ちょっとした怪我や体調不良、

厩舎の馬の出し入れの都合などで、外厩に出される感じでしょう。

 

そして次に半年以上(7月以上)の休養を長期休養とします。

 

ここまでレース間隔をあける必要があるのは、

やはり大きな怪我でしょうね。

 

この場合は、病み上がりなので、

きっちりと馬体を作って来ないのではないか?

ということも考えられますよね。

 

ということで、

 

1)0~9週

2)10~25週(短期休養)

3)26週以上(長期休養)

 

この3つに分類して、

馬体重500kg以上の馬の成績を見てみましょう。

 

1)0~9週

勝率9% 連対率18% 複勝率26%

単勝回収率83% 複勝回収率77%

 

2)10~25週(短期休養)

勝率7% 連対率15% 複勝率22%

単勝回収率82% 複勝回収率76%

 

3)26週以上(長期休養)

勝率8% 連対率13% 複勝率20%

単勝回収率96% 複勝回収率94%

 

いかがですか?

 

多少は休み明けの方が成績が落ちますが、

パドック解説の人が言うように、

わざわざ割り引いて、評価を下げるほどの差はなさそうですよね。

 

逆に長期休養明けの大型馬は、

このイメージが先行してか、回収率がいい感じです。

 

当たり前のように言われていることでも、

本当にそうなのか?と疑うことが大切ですね。

 

最後に馬体重別の生データを載せておきます。

 

 

 

 

何かしらの取っ掛かりがあると思うので、

ぜひ参考にしてください。

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。