『東京の芝といえばディープ産駒という格言に異変が起きている!』田中洋平

 

ディープ産駒といえば東京の芝コース、

東京の芝コースといえば、ディープインパクト産駒というくらい、

猛威を振るっていた状況に異変が起きています。

 

今回はその真相を解明したいと思います。

 

まずディープインパクト産駒が近年で一番勝利しているコースは、

東京の芝1600m。

 

直線が長くてコースも広い。

 

そして高速馬場になる事が多いので、

スピード豊富でキレのある瞬発力を持つ馬が活躍するコースです。

 

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
東京・芝1600 61- 50- 46-224/381 16.0% 29.1% 41.2% 83 99
阪神・芝1800外 54- 34- 40-200/328 16.5% 26.8% 39.0% 70 80
京都・芝1800外 52- 43- 33-188/316 16.5% 30.1% 40.5% 51 65
阪神・芝1600外 39- 38- 34-228/339 11.5% 22.7% 32.7% 55 72
東京・芝1800 38- 33- 41-222/334 11.4% 21.3% 33.5% 59 79
中山・芝1600 34- 27- 22-167/250 13.6% 24.4% 33.2% 64 71
京都・芝2000 33- 30- 24-128/215 15.3% 29.3% 40.5% 51 65
中山・芝2000 31- 24- 24-145/224 13.8% 24.6% 35.3% 67 79
中山・芝1800 31- 15- 19-101/166 18.7% 27.7% 39.2% 104 71
京都・芝1600 27- 34- 23-105/189 14.3% 32.3% 44.4% 78 79
阪神・芝2000 27- 25- 15-117/184 14.7% 28.3% 36.4% 112 64
東京・芝2400 27- 14- 19-108/168 16.1% 24.4% 35.7% 79 68
東京・芝2000 26- 27- 23-134/210 12.4% 25.2% 36.2% 36 66
中京・芝1600 24- 22- 20-105/171 14.0% 26.9% 38.6% 58 73
小倉・芝1800 22- 23- 14-115/174 12.6% 25.9% 33.9% 90 70
新潟・芝1800外 22- 11- 16- 94/143 15.4% 23.1% 34.3% 90 78
京都・芝1600外 21- 15- 23-139/198 10.6% 18.2% 29.8% 61 64
東京・芝1400 18- 16- 11-116/161 11.2% 21.1% 28.0% 47 68
中京・芝2000 17- 26- 18-134/195 8.7% 22.1% 31.3% 36 62
小倉・芝2000 16- 27- 14-115/172 9.3% 25.0% 33.1% 59 79

集計期間:2015. 1. 4 ~ 2019. 2. 3

 

上記はディープ産駒の約4年分の成績データですが、東京芝千六が61勝と最多です。

 

続いて2015年~2016年の2年間の東京芝千六の種牡馬別成績、

トップ10をご覧ください。

 

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
ディープインパクト 31- 27- 19-109/186 16.7% 31.2% 41.4% 57 99
ダイワメジャー 13- 11- 14- 79/117 11.1% 20.5% 32.5% 56 78
ハーツクライ 9- 3- 2- 62/ 76 11.8% 15.8% 18.4% 77 57
ステイゴールド 7- 5- 13- 63/ 88 8.0% 13.6% 28.4% 97 99
ハービンジャー 5- 3- 9- 31/ 48 10.4% 16.7% 35.4% 35 67
クロフネ 5- 1- 1- 27/ 34 14.7% 17.6% 20.6% 101 52
キングカメハメハ 4- 10- 5- 87/106 3.8% 13.2% 17.9% 15 54
マツリダゴッホ 4- 2- 4- 45/ 55 7.3% 10.9% 18.2% 91 69
トーセンファントム 4- 1- 2- 12/ 19 21.1% 26.3% 36.8% 172 150
アドマイヤムーン 3- 7- 7- 55/ 72 4.2% 13.9% 23.6% 29 60

集計期間:2015. 1.31 ~ 2016.11.27

 

出走頭数が多いのは確かですが、

成績面を見れば、やはりディープインパクト産駒が抜けていますよね。

 

しかしタイトル通り、

近年はこのディープインパクト産駒天国に異変が起きています。

 

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
ディープインパクト 30- 23- 27-115/195 15.4% 27.2% 41.0% 109 100
ハーツクライ 10- 8- 13- 49/ 80 12.5% 22.5% 38.8% 49 88
ロードカナロア 10- 7- 5- 38/ 60 16.7% 28.3% 36.7% 142 107
キングカメハメハ 10- 3- 8- 39/ 60 16.7% 21.7% 35.0% 91 78
ダイワメジャー 7- 4- 3- 58/ 72 9.7% 15.3% 19.4% 137 55
ルーラーシップ 5- 7- 4- 32/ 48 10.4% 25.0% 33.3% 36 79
ステイゴールド 5- 5- 4- 48/ 62 8.1% 16.1% 22.6% 39 61
ディープブリランテ 5- 4- 3- 33/ 45 11.1% 20.0% 26.7% 73 185
クロフネ 4- 8- 1- 21/ 34 11.8% 35.3% 38.2% 88 78
マンハッタンカフェ 4- 2- 3- 28/ 37 10.8% 16.2% 24.3% 48 55

集計期間:2017. 1.28 ~ 2019. 2. 3

 


もうお分かりですね。

 

種牡馬勢力図を一気に塗り替える勢いのロードカナロアの存在です。

 

ロードカナロアと言えば、やはり代表産駒はアーモンドアイでしょう。

 

まだ秋華賞がなくて3冠目がエリザベス女王杯だった、1986年のメジロラモーヌ。

 

幸英明騎手とのコンビで人気を博した2003年のスティルインラブ。

 

オークスはサンテミリオンと同着だったが、見事に3冠を達成した2010年のアパパネ。

 

そして説明不要の女傑、2012年ジェンティルドンナに続いて、

6年ぶり史上5頭目の牝馬三冠に輝いたのが2018年のアーモンドアイです。

 

ロードカナロア産駒は、

スタミナ色の強いキングカメハメハに、

パワー系マイラーの母父ストームキャットという配合なので、

スタミナとパワーを併せ持っている。

 

だからパワーとスタミナが必要な中山や阪神が得意。

 

一般的にはこのような見立てをされているようですが、

実際は以下の通りです。

 

 

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
東京・芝1600 10- 7- 5-38/60 16.7% 28.3% 36.7% 142 107
東京・芝1400 9- 7- 3-24/43 20.9% 37.2% 44.2% 80 70
阪神・芝1600外 8- 4- 2-26/40 20.0% 30.0% 35.0% 180 71
小倉・芝1200 7- 4- 5-28/44 15.9% 25.0% 36.4% 75 104
阪神・芝1400 7- 3- 7-31/48 14.6% 20.8% 35.4% 46 62
中山・芝1600 6- 8- 4-38/56 10.7% 25.0% 32.1% 34 51
京都・芝1200 6- 5- 2-23/36 16.7% 30.6% 36.1% 129 74
京都・芝1600外 6- 3- 1-14/24 25.0% 37.5% 41.7% 118 70
中京・芝1600 5- 5- 1-16/27 18.5% 37.0% 40.7% 79 70
京都・芝1600 5- 3- 5-33/46 10.9% 17.4% 28.3% 38 44

集計期間:2017. 6. 4 ~ 2019. 2. 3

 

スプリンターだったロードカナロアの子供なので、

マイル以下の距離が多いのは当然なのですが、

瞬発力勝負になりやすい東京と京都競馬場がトップ10に5つ入っています。

 

反対にパワーとスタミナが必要な中山と阪神競馬場は3つだけ。

 

実は瞬発力勝負でも、通用するのがロードカナロア産駒なのです。

 

ではロードカナロア産駒がデビューした2017年以降の、

東京芝1600mの種牡馬別成績を、再び見てみましょう。

 

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
ディープインパクト 30- 23- 27-115/195 15.4% 27.2% 41.0% 109 100
ハーツクライ 10- 8- 13- 49/ 80 12.5% 22.5% 38.8% 49 88
ロードカナロア 10- 7- 5- 38/ 60 16.7% 28.3% 36.7% 142 107
キングカメハメハ 10- 3- 8- 39/ 60 16.7% 21.7% 35.0% 91 78
ダイワメジャー 7- 4- 3- 58/ 72 9.7% 15.3% 19.4% 137 55
ルーラーシップ 5- 7- 4- 32/ 48 10.4% 25.0% 33.3% 36 79
ステイゴールド 5- 5- 4- 48/ 62 8.1% 16.1% 22.6% 39 61
ディープブリランテ 5- 4- 3- 33/ 45 11.1% 20.0% 26.7% 73 185
クロフネ 4- 8- 1- 21/ 34 11.8% 35.3% 38.2% 88 78
マンハッタンカフェ 4- 2- 3- 28/ 37 10.8% 16.2% 24.3% 48 55

集計期間:2017. 1.28 ~ 2019. 2. 3

 

ロードカナロア産駒の活躍で人気が割れて、

ディープ産駒に配当妙味が生まれているようです。

 

なんなら東京の芝1600mは、この2頭の産駒だけを買っていれば儲かりそう。

 

年・年月 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
2019年 1- 1- 2- 4/ 8 12.5% 25.0% 50.0% 50 92
2018年 18- 20- 15- 87/140 12.9% 27.1% 37.9% 119 100
2017年 21- 9- 15- 62/107 19.6% 28.0% 42.1% 117 105

集計期間:2017. 1.28 ~ 2019. 2. 3

 

2019年はまだ始まったばかりですが、

過去2年は単複どちらもプラス回収になっています。

 

さらに1番人気になった馬を除外、除けばもうちょっとだけハネます。

 

年・年月 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
2019年 1- 1- 2- 4/ 8 12.5% 25.0% 50.0% 50 92
2018年 11- 14- 11- 77/113 9.7% 22.1% 31.9% 137 106
2017年 11- 5- 12- 56/ 84 13.1% 19.0% 33.3% 126 110

集計期間:2017. 1.28 ~ 2019. 2. 3

 

種牡馬は世代交代があるので、

これまでの常識にとらわれずに、常にアタマの中を更新していきましょう。

 

ぜひ参考にしてください。

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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