『非根幹距離で行なわれるG1について考えた』田中洋平

 

宝塚記念(2200m)や有馬記念(2500m)は、特殊な距離で行なわれます。

『根幹距離と非根幹距離』

 

私が初めてこの言葉を知ったのは5年前くらいで、

今井雅宏さんの「短縮ショッカー」という競馬書籍です。

 

「短縮ショッカー」から少し引用させていただくと、

 

日本の競馬場はマイル(1600m)を中心に作られていて、

400の倍数の1200m、1600m、2000m、2400mが基準距離になっていて、

これらを今井さんは「根幹距離」と呼び、

それ以外の距離を「非根幹距離」と呼んでいる。

 

そしてG1、特にクラシックは根幹距離で行なわれて、

能力の他に精神力と体力が備わってないと、活躍するのは難しい。

 

ということは、逆に非根幹距離の場合、

少し足りない馬でも、上手くすれば活躍できる!

という感じですかね。

 

そう言われると確かにその通りで、

重要なG1レースは、根幹距離で行なわれていますよね。

 

「よく考えるな~」とこの本を手に入れた当時は思っていましたが、

今はけっこう今井さんの考え方がネット上に溢れるようになりました。

 

で、本題に戻りますが、

宝塚記念は2200mなので非根幹距離になります。

 

2016年の宝塚記念に出走していた17頭のうち、

2200mで勝利した事がある馬は、

 

キタサンブラック 1勝(G2)

ラストインパクト 2勝(オープン・500万)

ラブリーデイ 2勝(G1・G2)

サトノクラウン 1勝(G2)

マリアライト 1勝(G1)

 

この5頭でした。

 

そして結果は?

 

マリアライト 1着

キタサンブラック 3着

ラブリーデイ 4着

サトノクラウン6着

ラストインパクト 7着

 

このような感じです。

 

私が結果を見て思った結果論ですし、

渋った馬場や展開、能力など、

他にも結果に影響を及ぼす要因はたくさんあると思いますが、

距離の適正もあったのではないか?と考える事ができます。

 

とくに9番人気のサトノクラウンや、

11番人気のラストインパクトは頑張りましたよね。

 

そして面白いのがマリアライトのこれまでの戦績。

 

1800m 6戦 1-0-4-1

2000m 3戦 1-1-0-1

2200m 3戦 2-0-0-1

2400m 1戦 1-0-0-0

2500m 4戦 1-1-1-1

 

このような感じ。

 

根幹距離が4戦で、非根幹距離が13戦と極端ですし、

2000m戦を勝ったのは新馬戦で、2400m戦を勝利したのは1600万クラス。

 

陣営が意識しているのか?

 

重賞になると、ほとんど非根幹距離に出走していますよね。

 

こういう馬は他にもいると思いますし、

非根幹距離のレースを予想する際は、意識してみるのもアリかと思います。

 

この考え方だけで馬券がバンバン当たるようにならないでしょうけど、

何か気付きのキッカケや、新しい作戦のネタ元になれば嬉しいです。

 

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。