『ステイゴールド後継種牡馬に遺伝子は受け継がれた』田中洋平
雨で稍重となった2019年の札幌2歳Sは、
なんと新種牡馬ゴールドシップ産駒のワンツーで決着。
勝ち馬ブラックホールと、
2着だったサトノゴールドの直線での伸び脚は見事でしたね。
ステイゴールドの後継種牡馬だけに、
勝負根性とパワーのいる馬場でのパフォーマンスは、
さすがです。
実際ゴールドシップも、
函館のデビュー戦でしっかり1着。
次に札幌のコスモス賞を勝利して、
札幌2歳Sもグランデッツァの2着と、洋芝は大得意でした。
ゴールドシップ産駒は、今後も楽しみですね。
そして同じくゴールドシップ産駒で、
後継種牡馬の最有力と目されていたオルフェーヴル。
2017年が初年度産駒で2年経ちましたが、
最近はどんな感じなのか?を見てみたいと思います。
まずは勝ち上がり率。
ロードカナロア 42%
ルーラーシップ 40%
ジャスタウェイ 33%
オルフェーヴル 31%
エイシンフラッシュ 26%
ベルシャザール 22%
デビューした馬の数と、
新馬・未勝利戦を勝ち上がった馬の数を比べた確率ですね。
似たような年代の種牡馬と比べてみると、
勝ち上がり率はやや落ちる印象。
次に産駒のG1タイトル数です。
ロードカナロア(G1馬3頭、7勝)
ルーラーシップ(G1馬1頭、1勝)
ジャスタウェイ
オルフェーヴル (G1馬2頭、2勝)
エイシンフラッシュ
ベルシャザール
ロードカナロアの安定感は別格ですが、
オルフェーヴルは勝ち上がり率の割に、爆発力が高いのでしょう。
では続いてステイゴールドの後継種牡馬っぽいデータをお見せします。
ステイゴールド産駒は勝負根性がスゴイので、
相手が一気に強くなる昇級戦を得意としていました。
その遺伝子がオルフェーヴル産駒にも受け継がれているか?
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
同クラス | 102- 124- 95- 919/1240 | 8.2% | 18.2% | 25.9% | 56 | 75 |
昇級戦 | 18- 20- 7- 88/ 133 | 13.5% | 28.6% | 33.8% | 69 | 78 |
降級戦 | 2- 1- 1- 13/ 17 | 11.8% | 17.6% | 23.5% | 112 | 44 |
このように昇級戦にめっぽう強いようです。
次にステイゴールド産駒は、タフな馬場条件が得意でした。
その遺伝子がオルフェーヴル産駒に受け継がれているか?を見てみましょう。
馬場状態 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝・ 良 | 61- 75- 72- 670/ 878 | 6.9% | 15.5% | 23.7% | 49 | 72 |
芝・稍重 | 19- 17- 12- 144/ 192 | 9.9% | 18.8% | 25.0% | 52 | 72 |
芝・ 重 | 6- 8- 4- 40/ 58 | 10.3% | 24.1% | 31.0% | 88 | 96 |
芝・不良 | 1- 3- 0- 9/ 13 | 7.7% | 30.8% | 30.8% | 29 | 87 |
ダ・ 良 | 33- 37- 23- 232/ 325 | 10.2% | 21.5% | 28.6% | 65 | 74 |
ダ・稍重 | 16- 22- 12- 95/ 145 | 11.0% | 26.2% | 34.5% | 73 | 85 |
ダ・ 重 | 3- 4- 4- 55/ 66 | 4.5% | 10.6% | 16.7% | 13 | 36 |
ダ・不良 | 3- 3- 2- 26/ 34 | 8.8% | 17.6% | 23.5% | 67 | 64 |
いかがですか?
芝は良馬場よりも、道悪馬場の方が成績が良いですね。
ダートは雨が降ると、馬場が締まって時計が早くなるので、
あまり得意ではない印象です。
ここの部分にも、しっかりステイゴールドの遺伝子が継がれているようです。
最後にゴールドシップ産駒でも少し書いた、洋芝適性ですね。
場所 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 9- 9- 6- 68/ 92 | 9.8% | 19.6% | 26.1% | 62 | 58 |
函館 | 8- 11- 8- 50/ 77 | 10.4% | 24.7% | 35.1% | 63 | 100 |
福島 | 12- 8- 5- 84/ 109 | 11.0% | 18.3% | 22.9% | 127 | 76 |
新潟 | 13- 13- 7- 128/ 161 | 8.1% | 16.1% | 20.5% | 26 | 63 |
東京 | 13- 22- 15- 208/ 258 | 5.0% | 13.6% | 19.4% | 31 | 54 |
中山 | 13- 17- 15- 156/ 201 | 6.5% | 14.9% | 22.4% | 46 | 60 |
中京 | 14- 9- 15- 101/ 139 | 10.1% | 16.5% | 27.3% | 102 | 87 |
京都 | 20- 31- 26- 188/ 265 | 7.5% | 19.2% | 29.1% | 60 | 99 |
阪神 | 28- 37- 22- 186/ 273 | 10.3% | 23.8% | 31.9% | 40 | 76 |
小倉 | 12- 12- 10- 108/ 142 | 8.5% | 16.9% | 23.9% | 45 | 56 |
やはり他の競馬場より得意のようです。
面白いように遺伝していますね。
オルフェーヴル産駒は今年で3世代目ですが、
周りの期待ほど、活躍していない印象を受けます。
しかし父親のステイゴールドは、
6世代目にオルフェーヴル、
7世代目にゴールドシップとフェノーメノを輩出。
この時期が黄金期でしたね。
だからオルフェーヴルも、まだまだこれからでしょう。
大問題児で怪物だったオルフェーヴルの子供から、
もっと面白い大問題児が出現することを、期待したいと思います。
投稿者プロフィール
-
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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