『ゴドルフィンはデビュー戦、プチ放牧帰り、クラシック路線で注目』田中洋平
今回は最近躍進しているゴドルフィンについて、
書いてみたいと思います。
UAE・ドバイの王族マクトゥーム家による競走馬管理団体で、
世界中で大活躍しているグループ。
高松宮記念とスプリンターズSを制した、
ファインニードル&川田騎手とのコンビが有名ですね。
そのゴドルフィンの母体、
ダーレー・グループは、2000年代後半に日本市場に参入。
当時は黒船の来襲で、
日本の牧場がダーレーにすべて駆逐される、
というようなウワサが出回っていたと思います。
しかしフタを開けてみると、
日本競馬会を牛耳る社台グループの壁が厚くて苦戦。
ダーレーは社台が苦手な芝の単距離&ダート戦狙いに、
作戦をシフトして現在に至ります。
前述のファインニードルも名スプリンターですが、
最近であればタワーオブロンドン。
京王杯スプリングカップ 1着
函館スプリントS 3着
キーンランドカップ 2着
マイル戦までの重賞を3勝しているゴドルフィンの代表馬。
さらに現3歳にはデュープロセスという馬で、
昇竜S1着、青龍S1着、ユニコーンS2着と、
ダート界の神星も誕生しています。
そして今夏もっとも印象的だったのが、
2歳Sでの活躍でしょう。
新潟2歳S ウーマンズハート 1着
札幌2歳S ダーリントンホール 3着
小倉2歳S トリプルエース 2着
このように夏の2歳戦で馬券に好成績を収めています。
しかも新潟2歳Sは芝1600mですし、
札幌2歳Sは芝1800mと、中距離も行けそうな気配。
これまでは社台の苦手な芝の単距離&ダート戦狙いだったが、
そろそろ日本の雰囲気もつかめてきたので、
クラシック方面にも色気を出し始めた。
とも想像できますね。
またプチ放牧の外厩帰りと言えば、
東のノーザンF天栄、西のノーザンFしがらきを要する、
ノーザンファームの天下というのが常識。
◆条件
前走からの間隔が10~25週(2か月~6ヵ月)
2016~2018年末の3年間
◆サンデーレーシング
勝率13% 連対率24% 複勝率31%
単勝回収率82% 複勝回収率76%
◆キャロットファーム
勝率11% 連対率20% 複勝率27%
単勝回収率73% 複勝回収率72%
◆シルクレーシング
勝率13% 連対率24% 複勝率31%
単勝回収率64% 複勝回収率72%
◆ゴドルフィン
勝率14% 連対率21% 複勝率30%
単勝回収率135% 複勝回収率99%
ノーザンファーム系の一口クラブ馬は、
外厩仕上げがあまりにも有名になったため、配当妙味がありませんね。
反対にゴドルフィンの外厩帰りは無名に近いので、
妙味たっぷりの回収率になっています。
そして外厩帰りの成績が素晴らしいということは、
新馬戦からいきなり活躍できる馬を仕上げられるということ。
そこで3年間の新馬戦の成績を見てみましょう。
◆条件
新馬戦
2016~2018年末の3年間
◆サンデーレーシング
勝率22% 連対率40% 複勝率52%
単勝回収率95% 複勝回収率99%
◆キャロットファーム
勝率26% 連対率41% 複勝率53%
単勝回収率119% 複勝回収率102%
◆シルクレーシング
勝率20% 連対率33% 複勝率48%
単勝回収率102% 複勝回収率95%
◆ゴドルフィン
勝率21% 連対率35% 複勝率43%
単勝回収率101% 複勝回収率90%
このようにすべてプラス回収ですが、
ノーザン系一口クラブは芝のレースのみに絞り込み。
ゴドルフィンはダートのレースだけに特化すると、
とんでもない成績と回収率になります。
とくにゴドルフィンはまだノーマークですし、
これから芝のレースでの伸びしろが大きいと思うので、
デビュー戦、プチ放牧帰り、クラシック路線で注目ですね。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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