『武豊騎手&武幸四郎調教の兄弟仲は悪いのか?』田中洋平
12月1日の中京8レース、
1番人気ノーチラスが差し届かなかったシーンを見て、
あることを思い出しました。
『武豊騎手×キーファーズ』
このコンビで連想するのは、
2018年に開業した武幸四郎調教師の存在です。
武幸四郎調教師の初勝利は、2018年3月3日。
調教師として初めてのレースで、
キーファーズ×武豊騎手のタッグで勝利という、
絵に描いたようなスタートでしたね。
かなり印象的で、憶えている人も多いと思います。
しかし最近はあまり聞かないような気もするのは、
私だけではないはず。
そこで2019年12月2日現在のデータで、
武豊&武幸四郎兄弟の関係を調べてみました。
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
秋山真一 | 5- 4-14-39/62 | 8.1% | 14.5% | 37.1% | 192 | 133 |
武豊 | 4- 6- 4-22/36 | 11.1% | 27.8% | 38.9% | 37 | 92 |
岩崎翼 | 3- 0- 2-13/18 | 16.7% | 16.7% | 27.8% | 240 | 172 |
ルメール | 3- 0- 0- 1/ 4 | 75.0% | 75.0% | 75.0% | 187 | 87 |
浜中俊 | 2- 4- 2-16/24 | 8.3% | 25.0% | 33.3% | 52 | 125 |
菱田裕二 | 2- 1- 0-13/16 | 12.5% | 18.8% | 18.8% | 190 | 73 |
吉田隼人 | 2- 1- 0-18/21 | 9.5% | 14.3% | 14.3% | 49 | 36 |
池添謙一 | 2- 0- 0-15/17 | 11.8% | 11.8% | 11.8% | 307 | 75 |
太宰啓介 | 1- 1- 2- 6/10 | 10.0% | 20.0% | 40.0% | 57 | 75 |
高田潤 | 1- 1- 1- 3/ 6 | 16.7% | 33.3% | 50.0% | 51 | 71 |
竹之下智 | 1- 1- 0- 4/ 6 | 16.7% | 33.3% | 33.3% | 886 | 278 |
北村友一 | 1- 0- 3- 5/ 9 | 11.1% | 11.1% | 44.4% | 125 | 176 |
藤岡康太 | 1- 0- 0- 8/ 9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 114 | 35 |
小坂忠士 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 205 | 110 |
マーフィ | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 380 | 160 |
M.デム | 0- 1- 6- 5/12 | 0.0% | 8.3% | 58.3% | 0 | 118 |
和田竜二 | 0- 1- 1- 6/ 8 | 0.0% | 12.5% | 25.0% | 0 | 55 |
松山弘平 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 38 |
水口優也 | 0- 0- 1- 5/ 6 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0 | 35 |
富田暁 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 95 |
2018~2019年の2年間で、
武幸四郎調教師の管理馬の騎手別データを着度数順にソート。
勝利数の多い騎手が上位になっていて、
トップの20人を抜き出しています。
注目はやはり5勝を挙げてトップの秋山真一郎騎手でしょう。
兄、武豊騎手よりも騎乗数が多く、
武幸四郎調教師がもっとも多く騎乗依頼している騎手になります。
これはやはり2人が同期で仲が良いからでしょう。
他にも池添謙一騎手、太宰啓介騎手、竹之下智昭騎手が一期下で、
自分に近い関係に騎乗依頼しているのが分かりますね。
そして注目の武豊騎手に騎乗依頼した馬の、馬主さんの内訳が以下の通り。
馬主(最新/仮想) | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
DMMドリームクラブ | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 155 |
キーファーズ | 2- 3- 1- 4/10 | 20.0% | 50.0% | 60.0% | 50 | 142 |
ノースヒルズ | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
松島千佳 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
松本好隆 | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% | 66.7% | 286 | 143 |
前田幸治 | 0- 1- 1- 0/ 2 | 0.0% | 50.0% | 100.0% | 0 | 350 |
依頼の多いトップ6の馬主さんを抜き出しています。
武豊騎手で凱旋門賞を!明言しているキーファーズ10回、
武兄弟と付き合いの長いメイショウの松本好隆さんが3回、
そしてキズナ系の前田幸治さんとノースヒルズが合わせて4回。
これを合計すると17回になり、
武豊騎手が騎乗している36回の約半分を占めることになります。
この3名(団体)の馬主さんは、
恐らく武豊騎手に乗って欲しくて騎乗依頼を出しているはず。
つまり武幸四郎調教師の意思ではいということ。
このように書くと、
実は兄弟仲が悪いのではないか?と邪推してしまいますが、
色んなエピソードから、武兄弟の仲は悪くないようですね。
騎手時代同様に、兄弟間でナアナアの関係にはならない。
お互い独自路線で活躍することに、
重きを置いているのかもしれませんね。
では同じく2018年に開業した、
いとこの武英智(ひでのり)調教師はどうなんでしょう?
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
松田大作 | 10-11- 2-34/57 | 17.5% | 36.8% | 40.4% | 214 | 111 |
富田暁 | 3- 2- 4-45/54 | 5.6% | 9.3% | 16.7% | 130 | 67 |
四位洋文 | 2-11- 7-37/57 | 3.5% | 22.8% | 35.1% | 12 | 84 |
武豊 | 2- 0- 0- 6/ 8 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 238 | 58 |
斎藤新 | 1- 2- 0- 5/ 8 | 12.5% | 37.5% | 37.5% | 38 | 150 |
田中健 | 1- 2- 0- 4/ 7 | 14.3% | 42.9% | 42.9% | 21 | 218 |
横山典弘 | 1- 1- 0- 2/ 4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% | 127 | 77 |
城戸義政 | 1- 0- 1- 4/ 6 | 16.7% | 16.7% | 33.3% | 528 | 123 |
藤岡佑介 | 1- 0- 0-18/19 | 5.3% | 5.3% | 5.3% | 63 | 17 |
藤懸貴志 | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 407 | 94 |
浜中俊 | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 495 | 117 |
戸崎圭太 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 3160 | 640 |
黒岩悠 | 0- 2- 1- 2/ 5 | 0.0% | 40.0% | 60.0% | 0 | 238 |
横山武史 | 0- 2- 0- 0/ 2 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 180 |
ルメール | 0- 1- 1- 2/ 4 | 0.0% | 25.0% | 50.0% | 0 | 82 |
高田潤 | 0- 1- 1-12/14 | 0.0% | 7.1% | 14.3% | 0 | 276 |
菱田裕二 | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 140 |
田辺裕信 | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0 | 285 |
M.デム | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 270 |
北村宏司 | 0- 0- 2- 2/ 4 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 392 |
武豊騎手にたくさん騎乗依頼していることを期待しましたが、
こちらもあまり多くありませんね。
松田大作騎手と四位洋文騎手の騎乗数が多いのは、
ペプチドの冠名のお馴染みの沼川一彦オーナーの馬に騎乗しているから。
この沼川一彦オーナーは、
武英智調教師と木原一良調教師の2人に、
近年は所有馬のほとんどを委託しています。
そして木原一良調教師と言えば、
武英智調教師が騎手を引退してから、
しばらく調教助手を務めていた厩舎。
つまり武英智調教師は、
木原一良調教師に可愛がられていて、
人脈を少しずつ継承してもらっている最中なのでしょう。
ちなみに3番目に騎乗機会の多い富田暁騎手は、
木原一良厩舎所属の騎手なので、付き合いが深いのは当然でしすね。
そこで武英智調教師が騎手時代に、
木原一良厩舎から騎乗依頼があったのか?を調べてみました。
期間は2007年から、
騎手を引退する2012年までの6年間。
騎手を引退する2012年9月30日の直前、
9月22日に1度だけ騎乗して、10番人気の馬で3着しています。
意外と騎手時代は関係がなく、
辞めて木原一良厩舎の調教助手になってから、
信頼を勝ち取ったという感じでしょう。
昔より希薄になったと言われていますが、
やはり競馬業界は人脈が大切だということが分かりますね。
このようにTARGETで仲の良い騎手と調教師の関係を追えば、
新しい馬券術のキッカケを発見できると思います。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
-
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
最新の投稿
- 馬券力アップ2024年3月27日『メイショウタバルで重賞初制覇の石橋守調教師にフォーカス!』田中洋平
- 馬券力アップ2024年3月18日『圧勝のテーオーロイヤルは天皇賞・春を勝てるか?』田中洋平
- 馬券力アップ2024年3月12日『横山武史騎手は芝なら1~2枠、ダートは7~8枠が狙い目!』田中洋平
- 馬券力アップ2024年3月5日『中山牝馬Sは穴馬がズバズバと好走する法則に注目だ!』田中洋平