『非根幹距離を制するのはマイラーか?スプリンターか?』田中洋平

 

今週末に行われる京都牝馬ステークスは芝1400メートル。

 

競馬には根幹距離と非根幹距離という考え方があります。

 

他のページでも書いているのでザックリと説明すると、

2ハロン(約400m)で割り切れる距離が根幹距離と言われている。

 

1200m(スプリント)

1600m(マイル)

2000m(ミドルディスタンス)

2400m(クラシックディスタンス)

 

競馬の祭典である宝塚記念と有馬記念以外、

ほとんどのG1が上記の根幹距離で行われています。

 

例外は、天皇賞春(3200m)菊花賞(3000m)

エリザベス女王杯(2200m)チャンピオンズカップ(1800m)の4つ。

 

あとは障害戦のG1だけですね。

 

改めて見てみると、宝塚記念と有馬記念はお祭り。

 

天皇賞春と菊花賞は長距離レース。

 

中山グランドジャンプと中山大障害は障害戦。

 

純粋に非根幹距離で行われるG1は、

エリザベス女王杯とチャンピオンズカップだけということになります。

 

それだけ非根幹距離はマイナー路線だということが分かりますね。

 

また今回お題に据えている1400メートルは、

たくさんレースがある距離ですが、G1の行われない距離です。

 

そして毎回どこかで話題になるのが、

1400メートルを制するのはマイラーか?

それともスプリンターか?ということ。

 

どちらのタイプも守備範囲内という半端な距離なので、

このような議論が巻き起こるわけですね。

 

ではいきなり結論を見てみましょう。

 

前走平地距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
同距離 667- 669- 623- 6216/ 8175 8.2% 16.3% 24.0% 72 71
今回延長 247- 246- 264- 4446/ 5203 4.7% 9.5% 14.5% 59 64
今回短縮 341- 337- 364- 4133/ 5175 6.6% 13.1% 20.1% 81 79

(※上記は芝とダートが混じったデータです)

 

結果はマイル路線から1400メートルに参戦する、距離短縮組の勝利。

 

もっと言うと、前走1400メートルを走っていた、

同距離組の成績が一番良いのですが、ここは置いておきましょう。

 

「短縮ショッカー」の今井雅宏さん曰く、

競走馬は前回の距離を覚えていて、

前回より距離が短くなると楽なので激走する。

 

ということ。

 

データ的にもまさにその通りで、

距離延長より、距離短縮の馬の好走率が高い傾向です。

 

なので1400メートルのレースは、距離短縮組を狙いましょう。

 

という結論では、何にも面白くないですね。

 

少し競馬を勉強していれば、知っていることだと思います。

 

そこでもう一歩踏み込んでみましょう。

 

前走平地距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1500m 9- 4- 6- 102/ 121 7.4% 10.7% 15.7% 58 48
1600m 202- 189- 217-1936/2544 7.9% 15.4% 23.9% 70 76
1700m 34- 40- 42- 489/ 605 5.6% 12.2% 19.2% 51 89
1800m 82- 93- 84-1339/1598 5.1% 11.0% 16.2% 108 81
1900m 2- 1- 1- 38/ 42 4.8% 7.1% 9.5% 28 62
2000m 10- 10- 12- 188/ 220 4.5% 9.1% 14.5% 122 106
2100m 0- 0- 1- 14/ 15 0.0% 0.0% 6.7% 0 40
2200m 2- 0- 0- 11/ 13 15.4% 15.4% 15.4% 113 46
2300m 0- 0- 0- 0/ 0          
2400m 0- 0- 1- 10/ 11 0.0% 0.0% 9.1% 0 33
2500m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
2600m 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(※上記は芝とダートが混じったデータです)

 

これは今回1400メートルのレースに出走した馬が、

距離短縮になる場合の前走距離別成績です。

 

注目は前走マイル戦(1600m)を走っていた馬で、

好走率は高いですが回収率がイマイチです。

 

この理由は、マイルと1400戦は距離が近いので、

過去に1400戦で好走した実績のある馬がたくさんいるため、

だと思われます。

 

例えば昨年のファルコンS(芝1400m)を制したハッピーアワーは、

前走こそシンザン記念で芝1600メートルでしたが、

デビューから3戦連続芝1400メートルを使って2,2,1着という成績。

 

芝1400メートルの適性が高い明らかです。

 

だから前走シンザン記念で5着に敗れていても、

ファルコンステークスでは上位人気に推されるという状況でした。

 

このようにマイル戦からの距離短縮馬は、

好走するのが他の競馬ファンにバレバレで妙味なし。

 

ということは、もうお分かりですね。

 

中距離路線(1800m以上)から距離短縮してくる馬が、

1400メートル戦では狙い目になるわけです。

 

では前走1800m以上を、まとめたデータを見てみましょう。

 

馬場状態 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
24- 21- 33- 439/ 517 4.6% 8.7% 15.1% 105 78
ダート 72- 83- 66-1165/1386 5.2% 11.2% 15.9% 107 84
96- 104- 99-1604/1903 5.0% 10.5% 15.7% 106 82

 

 

単勝回収率が100%を超えました。

 

今までずっと2000メートル前後のレースを走っていたけど、

今回初めて1400メートル戦に挑戦するんだ!

 

というような馬の方が、配当妙味が高いということになります。

 

1400メートルの狙い目はマイラーでもスプリンターでもなく、

ミドルディスタンスの馬、というオチでした。

 

こちらの記事も参考にしてください↓

 

https://keiba5.com/bakenup/547

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

田中洋平がすぐ使えるコンピ攻略法をプレゼント