『天皇賞春で3着だった菱田裕二騎手は実はスゴイ騎手だった!』田中洋平

 

2022年の天皇賞・春は、タイトルホルダーの完勝でしたね。

 

1971年 横山富雄騎手(メジロムサシ)

1996年 横山典弘騎手(サクラローレル)

2004年 横山典弘騎手(イングランディーレ)

2015年 横山典弘騎手(ゴールドシップ)

2022年 横山和生騎手(タイトルホルダー)

 

このように天皇賞春で初の親子3代制覇に加えて、

G1初制覇の横山和生騎手が何かと注目されていますが、

ここではテーオーロイヤルで3着だった菱田裕二騎手にフォーカスします。

 

1勝クラスから4連勝で大一番に挑戦したテーオーロイヤルは、

勝負どころでタイトルホルダーを捕まえに行くも、直線で失速。

 

最後はディープボンドにかわされてしまって、3着という結果でした。

 

それでも4番人気という評価より着順は1つ上ですし、

負けた相手が1番人気のディープボンドと、

2番人気のタイトルホルダーですから、騎手はミスなく乗ったと言えるでしょう。

 

その騎手が菱田裕二騎手なんですが、

菱田裕二騎手も今回は初のG1タイトルに手が届きそうだった1人。

 

今年でデビュー11年目、

今回G1を初制覇した、横山和生騎手の1期後輩になります。

 

同期(中井裕二騎手、長岡禎仁騎手、原田和真騎手)の中では、

一番活躍している騎手ですね。

 

G1の騎乗はこれまで23回。

 

2015年阪神ジュベナイルFのアドマイヤリードが、

6番人気でこれまでの最高人気でしたが、

今回のテーオーロイヤルが4番人気で、最高人気を更新。

 

さらにG1の最高着順が4着だったんですが、

今回のテーオーロイヤルで3着と、こちらの最高着順を更新。

 

地道にキャリアアップしている印象で、

今回の天皇賞春の騎乗ぶりで、今後はますます騎乗依頼が増えそうな予感がします。

 

ということで、

菱田裕二騎手の過去成績を調べてみました。

 

そこまで大きいレースを勝っていないので注目度が低いですが、

じつはスゴイ騎手であることが判明。

 

「馬の能力を素直に引き出せる騎手」と命名したいと思います。

 

まず2017年~2022年4月までの菱田裕二騎手の成績です。

 

勝率7% 連対率13% 複勝率20%

単勝回収率93% 複勝回収率88%

 

単勝回収率が90%を超えているので、

人気以上に馬を走らせてるということが、これで分かります。

 

そしてここから、

勝利の期待が薄い単勝100倍以上の馬を、カットします。

 

勝率8% 連対率16% 複勝率24%

単勝回収率103% 複勝回収率90%

 

このようにアッサリ回収率100%を超えてきます。

 

どう考えても能力が足りない馬では厳しいが、

ワンチャンありそうな馬なら、激走させることができる騎手。

 

それが菱田裕二騎手なんでしょう。

 

さらに以下の条件に絞ると、スゴイ成績になります。

 

◆その1

今回1~2番人気

今回昇級戦の馬は除く

前走上がり1位の馬

勝率41% 連対率62% 複勝率71%

単勝回収率119% 複勝回収率101%

 

◆その2

今回1~2番人気

今回昇級戦の馬は除く

前走上がり2位の馬

勝率29% 連対率51% 複勝率80%

単勝回収率101% 複勝回収率122%

 

◆その3

今回1~2番人気

今回昇級戦の馬は除く

前走逃げた馬

勝率36% 連対率48% 複勝率52%

単勝回収率126% 複勝回収率83%

 

どうです?

 

「馬の能力を素直に引き出せる騎手」と命名した理由が、

わかってもらえましたか?

 

前走上がり3ハロンのタイムが1位か2位の馬というのは、

しっかりとした末脚を持っている馬で、能力が高い馬ですよね。

 

また前走逃げた馬というのも、

スタートダッシュが速い馬で、テンのスピードを持っている馬。

 

この瞬間的に速い脚を使える能力の高い馬で、

さらに今回1~2番人気と上位に推されている馬に菱田裕二騎手が乗れば、

簡単に回収率100%を超えてしまうのです。

 

繰り返しになりますが、

回収率100%を超えるということは、

競馬ファンの期待以上に馬を走らせているということ。

 

菱田裕二騎手が、馬の邪魔をせず、

さらに持っている力を素直に引き出しているからですね。

 

あとは前走10着以下、

そして単勝100倍以上の馬をカットすると以下の通り。

 

勝率5% 連対率12% 複勝率18%

単勝回収率128% 複勝回収率102%

 

つまり前走10着以下に敗れてしまったような馬でも、

単勝万馬券になるような絶望的な馬でなければ、

きっちり巻き返してくるのが、菱田裕二騎手なのです。

 

強い馬で良し、ちょっと足りない馬でも良し。

 

こうやって調べていると、

全方位でスゴイ騎手な気がしてきました。

 

この先、出世する騎手だと私は思うので、

ぜひとも注目していきたいと思います。

 

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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