『重賞レベルの強い馬ほど血統の比較は意味がない』田中洋平

そこで今日は種牡馬別の勝ち上がり率に

注目したいと思います。

勝ち上がり率とは?

JRAで1勝することを指します。

ダービーの翌週から2歳馬がデビューしていき、

翌年の9月までに未勝利を脱出できない馬は、

基本は引退ということになります。

反対にとりあえず1勝しておけば、

あとは500万条件でダラダラを走っていても、

強制的に引退になることはない。

これが現在のJRAのルールです。

現役を続けて賞金を稼ぎたいなら、

どんな手を使っても1勝しておきたい、

馬主はこう思っています。

ちなみに1~5着までには賞金が出て、

6~8着の馬には出走奨励金というものが出ます。

(※重賞は10着まで)

3歳以上の500万条件の1着賞金は750万なので、

2着 300万円(40%)

3着 187.5万円(25%)

4着 112.5万円(15%)

5着 75万円(10%)

6着 60万円(8%)

7着 52.5万円(7%)

8着 45万円(6%)

という感じです。

極端な例えになりますが、

10戦くらい掲示板前後をウロウロしてくれると、

500万円くらい稼いでくれる計算になりますよね。

もちろん経費があるので丸々稼ぎにはなりませんが、

とりあえず1勝してレースに出走さえしてくれれば、

それなりに稼ぐチャンスがあるということです。

とりあえず1勝できそうか?

これは馬主が競走馬を選ぶポイントのひとつになるでしょう。

だから種牡馬別の勝ち上がり率というデータが、

注目されるわけですね。

これは馬券を買う側からすると、

あまり関係ない話のようですが、

実はそうでもありません。

未勝利戦専用の攻略法として使えます。

というのも、

種牡馬の影響がもっとも出やすいのは、

私は未勝利戦だと考えています。

例えば昨年までG1戦線で活躍した

ブラックタイド産駒のキタサンブラックは、

どう考えても突然変異のタイプでしょう。

それをブラックタイド産駒より、

ディープ産駒の方が優秀だから、

キタサンブラックよりサトノダイヤモンドの方が強い!

こんな予想をする人はあまりいないと思います。

重賞レベルの強い馬になるほど、

血統うんぬんよりも、その馬の実力で比べることが普通です。

でも未勝利戦のように母数が多い場合は、

種牡馬(血統)で勝てそうか?を知ることができるのです。

まずはこちらをご覧ください↓

現2歳世代勝ち上がり率データ

これは現2歳世代の勝ち上がり率ですが、

ディープインパクトは50%を超えています。

反対にオルフェーブルは18%とかなり苦戦していますね。

このデータは、そのまま未勝利戦での信頼度に使えます。

未勝利戦、1番人気、ディープ産駒、勝率44%

未勝利戦、1番人気、オルフェーブル産駒、勝率18%

未勝利戦、1番人気 ヴィクトワールピサ産駒 勝率29%

といった感じですね。

先ほどのデータで、赤と緑に色づけされた種牡馬は信頼できる。

白い色の種牡馬は、まあまあという評価。

データに出ていない種牡馬は、疑う余地があるでしょう。

そしてデータ右側の「社台系勝ち上がり率」ですが、

社台ファーム

ノーザンファーム

追分ファーム

社台白老ファーム

上記4牧場で生産された馬の勝ち上がり率です。

パワーアップするパターンが多いので、要注意ですね。

ちなみに社台グループの書籍について、

質問メールがあったのでマジレビューをすると、

「社台王朝」の裏を知ればこんなに馬券が獲れる!

これが最初ですが社台グループの成り立ちや、

現体制が分かるのでオススメです。

「社台王朝」の異変に気づけば大儲けができる!

2作目のこれは、目新しいことを書いていないので、

とりあえず読まなくて良いかと思います。

社台系クラブの内幕を知ればこんなに馬券が獲れる!

最近ますます熾烈な争いをしている

社台グループ系一口クラブの内情を知ることができます。

個人的には面白いと思うので、

ファーストの次に読むことをオススメします。

また馬券に直結するか?は別問題なので、

自分でアレンジを考えるようにしましょう。

競馬界を牛耳る社台グループですから、

必ずどこかに馬券に直結するヒントがあるはずです。

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。