『アーモンドアイから海外遠征帰りのデータを検証』田中洋平
2019年の安田記念、
アーモンドアイの敗戦はビックリでしたね。
海外遠征帰りを心配されていましたが、
前走のドバイターフから丸々2か月。
本当に疲れが取れていなかったのか。
ということで、
2010年から約10年分の海外遠征帰りの成績を調べてみました。
◆G3
勝率9% 連対率30% 複勝率49%
単勝回収率26% 複勝回収率166%
◆G2
勝率17% 連対率28% 複勝率37%
単勝回収率99% 複勝回収率81%
◆G1
勝率7% 連対率18% 複勝率27%
単勝回収率11% 複勝回収率44%
G3は勝ち切れないまでも複勝率が高いので、
海外遠征できるレベルの馬なら、勝ち負けできる範囲でしょう。
次にG2ですが、
複勝率に対して勝率がハネすぎているので、
やや成績が偏っている感じもします。
単勝回収率99%は、鵜呑みにしない方が良さそう。
そして最後にG1ですが、
これは厳しい成績と回収率ですね。
海外遠征するレベルの馬でも、
疲れが影響して、G1ではベストを出せないのか。
◆2010年
ブエナビスタ
ドバイシーマクラシック2着
→ヴィクトリアマイル1着
◆2011年
トランセンド
ドバイワールドカップ2着
→南部杯1着
◆2013年
オルフェーヴル
凱旋門賞2着
→有馬記念1着
◆2014年
ジャスタウェイ
ドバイデューティフリー
→安田記念1着
過去10年で海外遠征帰りから
G1を勝利したのは、上記の4頭。
顔ぶれを見ると名馬ばかりですし、
やはり海外遠征帰りは大変なんですね。
ちなみに安田記念の上がり3ハロン最速タイムを見ると、
◆2009年
ファリダット 35秒3
◆2010年
ファリダット 34秒0
◆2011年
スマイルジャック 33秒7
◆2012年
スマイルジャック 33秒7
◆2013年
ショウナンマイティ 32秒8
◆2014年
ジャスタウェイ 37秒1
◆2015年
ヴァンセンヌ 33秒7
◆2016年
フィエロ 33秒5
◆2017年
サトノアラジン 33秒5
◆2018年
モズアスコット 33秒3
サトノアレス 33秒3
◆2019年
アーモンドアイ 32秒4
今年のアーモンドアイが最速をマークしているが分かります。
前半のペースや馬場状態もあるので、
上がりタイムの横の比較で一概には言えませんが、
それでもアーモンドアイは優秀だと思います。
今年の安田記念は、
それ以上にインディチャンプが、ハマったという感じでしょうかね。
最後に海外遠征帰りの面白いデータを見つけたので、
シェアしておきます。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 4- 4- 4- 1/13 | 30.8% | 61.5% | 92.3% | 49 | 112 |
2番人気 | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 24 |
3番人気 | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 80 |
4番人気 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
5番人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
6番人気 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
7番人気 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
8番人気 | 0- 0- 1- 5/ 6 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0 | 88 |
9番人気 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
10番人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
11番人気 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
12番人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
13番人気 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
14番人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
15番人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
16番人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
17番人気 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
18番人気 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
19番以下 | 0- 0- 0- 0/ 0 |
集計期間:2010. 2.21 ~ 2019. 6. 2
前走海外で、今回G1レースに出走した馬の成績です。
実は1番人気に推された馬の複勝率は鉄板レベル。
かなり信用できるのです。
ちなみに4着以下に敗れたのは、
2015年の高松宮記念、
ストレイトガール(単勝5.1倍)が13着だった時だけ。
単勝1~3.9倍くらいであれば、100%馬券圏内ということになります。
そして2~18番人気以下の成績ですが、
勝率0% 連対率5% 複勝率7%
単勝回収率0% 複勝回収率23%
このように壊滅的。
香港 → 大阪杯
ドバイ → 安田記念、宝塚記念
凱旋門賞 → JC、有馬記念
というローテーションで海外遠征組がG1に参戦すると思いますが、
1番人気以外は大きく評価を下げてOK。
それでも気になる存在なら2~3番人気までが範囲で、
4番人気以下に甘んじるような馬は、なかなか厳しいでしょう。
来たら事故と考えて、バッサリ行っても良いかと思います。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
-
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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